増税と牛丼の値下げから経済を見る | ドイツのICHIRO君ブログ

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34歳でドイツに渡りました。

ドイツ語は話せません。ほんのちょっぴりの英語を頼りに

この人は、どんな人生を歩むのか。。。

再STARTの終わりなき小さな物語

「すき家」が牛丼の値下げを決定した、というニュースを見ました。

今回は、すき家を例にとって
「国民の進む道」を考えてみたい。





私は海外に住んでいるので関係ないのかも知れませんが、
4月からの消費増税にともない、
各業界では大変な苦労がありそうです。

消費税は、一度お店が(会社が)税金をお客様からお預かりをして、
国に納める事になりますので、お店がかぶる事は無いのでは?

考えますが、それにしても大変な状況なのが伝わってきます。

4月からの消費の冷え込みが気になるのは確かです。

一方で、もし、
もしもですよ、「消費税が減税」されたら
すき家はどうするのかが気になります。

あるいは法人税率の引き上げはどうでしょうか。
(これは、たら、れば議論です。実際には逆で、消費増税&法人税引き下げの方向です)

これを探るヒントは「企業理念」の中にあります。

すき家ひきいるゼンショーグループの企業理念は

「世界から飢えと貧困をなくす」 
とあります。

ならば
「なぜ、アフリカに進出しないんだ?」というツッコミは置いといて、
日本人の貧困を無くす為に牛丼を10円値下げする格好になります。

値下げによってゼンショーグループは大損をしないのでしょうか?
答えは:しません。

からくりは、増税と同時に法人税の引き下げがあるからです。
財務省は徹底的に反対の考えですが、安倍首相の考えは硬い様です。

現在の法人税の実効税率は38%程です。
これを35.64%に下げ、増税の影響を緩和する考えです。

つまり、牛丼の10円値下げは法人税の引き下げにより
「行って来い」になる(チャラになる)見通しです。

では、従業員はどうでしょうか。。。

国は、牛丼屋さんの店員さんの給料UPを見込んで
企業に有利な税対策をしたつもりが、
そのUP分を客側が喰ってしまう格好になる。

結果として、すき家の従業員は給料が上がらず、
増税した3%分のお金は、どこかで節約を余儀なくされる。

消費税が3%UPする事は、物の値段が3%UPする事と同じだ。

しかし国民全員の給料と年金受給金額が3%UPしていなければ
単純にお金の価値が3%下がった事を意味する。

お金の価値が下がった社会を、俗に「インフレ」と呼ぶ。(デフレの逆です)

日本政府はデフレからの脱却をテーマに国を運営しています。
ニュースなどでも
「デフレからの脱却!」と何年も言っていますので
私達国民もそれが良いものと、擦り込まれてきました。

でも、考えてみると、
デフレからの脱却 = インフレ化
という、とらえ方もできるワケです。

若い人たちは、自分の給料を3%UPさせる方法を考えて
しっかり実行に移せば良いのですが、

日本はこれから、完全な高齢化社会を迎えます。
年金で生活する高齢者は
その額を、独自の努力で3%UPさせる事はできません。

今後の2~3年は日本はデフレとインフレが同居する
「ねじれ経済」を生きることになり、国民は迷います。

私の考えは、国民が迷わない様にする為に、
企業理念同様の
「国家理念」が必要だと思います。

牛丼を値下げすかどうかを決める際のヒントは
企業理念の中にあります。

しかし、国民が迷わない様にする為のヒントは
憲法の中にはありません。

最近は政治家が発する「マニュフェスト」がありますが、
これは企業でいう「3カ年計画」みたいな物です。

3カ年計画とか5カ年計画は、
企業理念にそって作られるものです。

では、
先に「国家理念」があるべきではないでしょうか。