私が住む
ドイツのチュービンゲンという街に
唯一ある
日本食レストラン「TATAMI 」の
総料理長に就任して半年の月日が経過していた
流れた時の少なさに驚く
もう何年も経った気がするからだ
手に入る食材の少なさと
レストラン文化の違いに戸惑いながらも
無事
ドブネズミでやって来れた事に
感謝したい
17歳の頃、私は
バカ学校など行かずに
歌舞伎町にある
有名なホストクラブで働きながら
古い書物を読み漁り
激しく感銘を受けた本を頼りに
「人生100のリスト」を作った
簡単に言うと
死ぬまでに達成したい事を100個
ノートに書きつらねた
書いては消し
消しては書き
完成させるのに1週間かかった
なぜって?
達成したい事が100個も無かったからだ
最初のうちは順調だ
ホストクラブ内の目の前に
ぶら下がってる目標を書いていく
車を買ってもらうトカ
ロレックスを買ってもらうトカ
売り上げTOP 10に入るトカ
そんな物質的なモノだ
次に
人生観の様なモノになる
勝ち組のリーダーになるトカ
荒れた派閥を作るトカ
30個目くらいで雲行きが怪しくなった
ペンが進まない
あと70個書かなきゃならない
ここから1週間
私は苦悩に悶えた
クノウニモダエルって経験を経て
ワケの解らない事をたくさん書いた
恋をしながら旅をするトカ
キャンプ場じゃない所でキャンプするトカ
サラリーマンにならずに生きるトカ
果たして
本当にやりたかったのかと・・・
それから
すぐにエッチな系統に流れる
白人女性と寝るトカ
100人斬りトカ
1000人斬りトカ
複数PLAYを経験するトカ
セクシャルファンタジーを満たすトカ
その当時わたしはビート文学にハマッていたから
ちょっとヒッピーっぽいニュアンスで
神秘的な事がたくさん書かれたが
私は
何年か経ったいつの日か
そのノートを失くしてしまっていたし
半分くらいは
達成できたかどうかも確認のしようが無い様な
事柄であった為
今はそのノートの行方はどうでも良いと思ってる
なぜなら
その100のリストは
今もなお
私の胸の中で
しょっちゅう書き直されているからだ
その中のひとつに
「海外で暮らす」という項目があった
今、現にヨーロッパで暮らしている
当時の私はきっと
アメリカを想像していたであろうが
着地地点が少しズレたダケだ
答えも道もひとつじゃない
そんな事は何も恥ずかしくなんかない
私はこれまでの人生の中で
失敗も性交も全ての責任の所在を
この「100のリスト」になすりつけて生きている
何かを失ってしまうカモ知れないという
恐怖の罠から逃れる最善の策だからだ
周りからの大きすぎる期待
チッポケなプライド
失敗や恥をかく事への恐れなど
そんなものは全て
「100のリスト」の前では意味を成さない
17歳頃は、私はたくさんの古い書物から
学校では教えてくれないナニカを吸収した
アーネスト・ヘミングウェイ
ジャック・ケルアック
アレン・ギンズバーグ
ロバート・ハリス
ウィリアム・バロウズ
私はあなた達、文豪が残した
大きな遺産のお陰で
何にも困らずに生きている
では、また。
ちゃお!