運動録
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フィニッシュブロー

小学校5年生の娘は頑張るお父さんを奮い立たせる絶妙なセリフを言うことがある。
先日は、「レストランの子どもに生まれて良かったなー。いつでも美味しいものが食べられるし!幸せだなー。」
それを聞いたコックである僕も僕の親父も、目を細めて愛娘を見つめる。
かわいい娘よ、お父さん頑張るからね、ずっとずっといつまでもうちにいていいんだよ、と身勝手な事まで考える。

娘は読書が大好きで、贔屓目なことを差し引いても語彙が豊富だ。放っておいてもいろんなことに興味を持って、絵を描き、手紙を書き、「将来は絵本作家になりたいな、お医者さんもいいけど、血は怖い。」と言う。
そうだ、なりたいものになれるといいね。お父さんは応援するよ。

語彙の豊富さは中学1年生のセガレとの口喧嘩で全開に発揮される。ボクシングで言えば手数多く的確に急所を打ってダメージを与える娘に対し、セガレは避けるテクニックも耐える強靭さも持たず、ただ強がりの「効いてねぇな、もっと打って来い!」といった空威張りを繰り返す。最後にはファウルを犯す。
具体的には「はぁ、それで?」「はぁ、だから?」くらいな言い返ししか出来ない上、最後は手をだす。そして怒られる。

先日も、3個入りのプリンをどちらが多く食べるかで壮絶な口喧嘩のゴングが鳴った。結局セガレは余ったプリンを腕尽くで奪い、二つをゲットした。

そんなセガレに娘が言い放つ。
「この間のテストも○○点なんてお粗末なくせに何でプリン二個も食べてんの!? 脳みそ使って無いんだから糖分なんていらないんじゃない?」
言うねぇ娘。頑張れセガレ。
しかしフィニッシュブローはその部屋にいた全員を完膚なきまで打ちのめす。

「全く!お兄ちゃんはね、バカだからきっと店を継ぐ羽目になるんだよ!」

ねぇ娘? お父さん何か聞き違ったかな?

クリーンアップ大作戦

店で仕込みをしていたらセガレが学校からのプリントを片手にやってきて、「明日は三者懇談だよ、大丈夫だよね?」とサラッとビッグイベントの到来を告げる。


明日!
「なんで毎度毎度、そうやって大切なことをちゃんと言えないんだ、見せなくちゃいけないプリントはないかって毎日聞いてるだろ!」と説教。
しかしいくら説教しても先生を招けるほど家は綺麗にならないので、家族総出で家の掃除を始めた。


こたつは仕舞っちゃえ、洗濯物は全部寝室に持っていけ、本やおもちゃを片付けろ!
 掃除機をかけるぞ!子どもたち、椅子とテーブルをどかせ、モップも持ってくるんだ!
セガレも、とんだとばっちりを受けた娘もみんなで協力してクリーンアップ大作戦はスマートに進む。メス、はい、汗、はいといった外科手術のおもむきさえある。

 「これならばお客様を招いても良い」と思えるくらいキレイになってホッとした所で、セガレがプリントを持ってきた。

それを見ると、「場所」の欄にはなんと「教室」と書かれている。
 僕はなるたけ感情を消し去った瞳でセガレを見つめ、「ねぇ、教室でやるって書いてある」と聞いたら、
 「そうだよ。」と答える。

 掃除機を持った僕と、ハンドモップを持ったセガレはしばらくだまってお互いを見つめ合った。

平服

仕事をしていたら自宅の方のインターフォンがなった。
モニターを覗いてみると、娘の同級生が3人ほど玄関に来ている。
「伊織はテニスに行っちゃったよ?」
と言うと、何やらカメラに向かって恥ずかしそうにゴニョゴニョと言ってる。
「え?何なに??」と聞いてみると、
「……と、……いたずらする…」とか言ってる。
ああ、ハロウィンかー。初めて見た。
「いたずらされると困るからお菓子持っていくよ。ところで仮装してないじゃん、それ普通の服だろ」と聞いてみると、「仮装は忘れました」だそうな。

かっぱえびせんを持って次の目的地に向かう魔女でもお化けでもない普通の子たち。
女の子は何かかわいいね。
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