コメディーからシリアスな役まで器用にこなす韓国の国民的俳優、ユ・ヘジンがラブコメディーに挑戦した『マイ・スイート・ハニー』を観賞しました。監督は「無垢なる証人」のイ・ハン監督。
製菓会社の研究員チャ・チホ45歳は、仕事中毒の典型みたいな男。商品開発の関係で、菓子を食べ過ぎてカラダの不調を抱えています。そしてポジティブに生きる41歳のシングルマザーのイ・イルヨン（キム・ヒソン）と意外な形で知り合います。二人とも秘めた過去がありますが、この出逢いでときめく恋を知ることになります。「タクシー運転手〜約束は海を越えて〜」では光州のタクシー運転手、「梟ーフクロウー」では国王を演じるなど、様々な人物を演じてきたユ・ヘジンが、挑む大人のラブコメディーです。
ユ・ヘジンが演じるチホは、職務熱心だが趣味もなく、恋もしたことがない堅物。そんな彼がイルヨンとの出会いで、彼女の明るさに魅せられて変化する模様をじっくり描きます。
今までラブコメというと20代くらいの若い人の話が大半でした。でもこんぼ映画は40代の男女の恋。人生いろいろ経験し、喜びも苦労も経験したふたりのときめきととまどいが入り交じったしっとりした恋です。二人が飯友から関係をはじめるのもなんだかほっこりさせます。
出逢いのときめきや喜びなど、静かながら熱い想いを描いたこの映画は、懐かしさとほろ苦さを思い起こさせます。財閥や大企業の家柄でもない普通の二人の恋は、なんだか我々に近しいものを感じさせます。なんだかとても落ち着く映画でした。