ツアー8日目は静岡・浜松窓枠にて。「もっとも美しいもの」のMV撮影では静岡を訪れたことはあるが、ライブをするのは初だという。観客の入りは満員で、初めて来たように見える若いファンが目立つ。そんな中、1曲目の「ゆるトロ(slo-モ!)」がかかると、あのが「浜松のみなさん、こんにちわー」と煽って先陣を切って登場。大歓声で応える観客。まず「逃げろ!!」からスタートするという、必殺技とでもいうべきセトリで冒頭から盛り上げていくと、続いて披露したのが、「生きろ!!」「虎よ」と、あまり最近はやらない初期の人気曲を連続して、イントロがかかるごとに歓声があがった。

 

最初のMCでは、ひとりひとりが自己紹介を行い、ようなぴが今回のツアーの主旨を説明する。しふぉんは、「こんな風に全国を回れることは当たり前のことではないし、静岡での初ライブにこんなに入ってくれて感謝しかありません。私たちは、初心に戻って音楽を届けていきたいと思います」と礼を述べた。そして、あのが「今日は子供の方が多く来てくれてると聞いてます」と言い、次の曲「ギザギザフリーダム」の合唱パートの練習をしふぉんが説明すると、真面目に聞いている観客の姿を見て、あのが「素直に返事をしてくれて、学校みたい」と言って笑った。そんなやりとりの後、「ギザギザフリーダム」に入ると、素直な返事をしただけあって、大きな声を出して盛り上がる若いファンたち。「Hamidasumo!」「めんどいしんどいPUNKするか」とアッパーな曲を続けた後は、「SUN SUN SUN」でひとつになり、「夢なんて」をしっとりと聞かせた。

次のMCではしふぉんが、「若い子たちが多かったので、『夢なんて』をセトリに入れたんですよ」と説明し、笑顔でうなづきながらそれを聞くファンたち。ようなぴが、「あと、今歌った『めんどいしんどいPUNKするか』のMVが公開されました! 見た人いますか?」と聞くと、全員に近い手があがり、「おお、多い!」と喜ぶ。そして、「古き良きゆるめるモ!って感じですよね。あれ実は、カメラはプロデューサーの田家さんが撮ったんですけど、とにかく適当な感じで」と話すと、しふぉんが「そうそう、ご飯食べてる時に、しほ、頭振ってとか言ってさ」と言って笑う。あのは「糞低予算です」と言って笑いを誘い、「40度の中、上海でジャージ着せられたんですよ。仙台では雨でした」と明かす。けちょんは「私がおいしい肉って歌うところで肉を食べてるんですけど、あれがホイコーロー(回鍋肉)なんですが……はい説明して」としふぉんにバトンタッチ。しふぉんが「そうそう、ちなみにホイコーロー(回鍋肉)じゃなくて、チンジャオロース(青椒肉絲)なんですけど、日本のチンジャオロース(青椒肉絲)とちょっと違って、味が違うんですよ」と話す。あのは「湿布みたい、サロンパスみたいな味でした」と言い、爆笑を誘う。しふぉんが「あれを美味しく食べるって、かなり演技力あるよ」とけちょんを褒めた。さらに、あのは先ほど歌った「SUN SUN SUN」についても言及。「うぉううぉうって一緒にやってなかった人いたよね」と不敵な笑みを浮かべて言いつつも、「でも、自分がお客さんだったらやりづらいなあって思うから、今日は好きに楽しんでください」と言うと、大きな歓声があがった。

 

そして、しふぉんが「あれ? なんか聞こえる?」と強引な持っていき方をして「聞こえる」を披露。再びアッパーに盛り上げたかと思ったら、「ゆるビスタ!」「私の話、これでおしまい」「アントニオ」「ナイトハイキング」とじっくり魅せる系の曲を続けて、自分たちの世界観に引き込む。続くMCでは、ようなぴが「このあとぶっ飛ばしていきたいのですが、あらためて今日は本当にありがとうございます。初めて来た場所が多いんだけど、また来れるよう頑張ります」と話し、しふぉんが「来なくていいって言われても行くし、もっともっと自分たちの音楽を届けて行きたい。曲聴いて泣いてる子とかいると伝わってるのかなと思う。今回のツアーからセトリを自分たちで考えて、メンバーが4人になって、崖っぷちの中、正直必死だけど、やるしかない。だからここにいる人は誰も欠けてはいけないし、お客さんみんなとの距離感も大事にしていきたい。これからも、みんなの弱い部分に寄り添えるようにして行きたいです」と語る。

 

そして、ようなぴが「私たちがこうしてアイドルをしていることへの想いを込めて次の曲を歌いたいと思います」と言い、「idアイドル」が始まると、しふぉんがイントロにかぶせて、「ゆるめるモ!に会いに来てくれてありがとうございます! 聴いてください、『idアイドル』!」と煽った。そして、続けて「Only You」へ。

 

4人の叫びが充満して、そのエネルギーが客席に撃ち放たれ、客席もそれを全力で打ち返す。両者の興奮がうねりうねってまるで狂った龍が天に昇っているかのようにも見えた。あのは「今なんだ! 今なんだよ!」と声にならない叫びをあげ、ダイブをしてもみくちゃになりながらステージに戻ってくる。ようなぴは堂々と落ちサビを歌い上げ、ラストは4人が前に出て煽って煽って煽りまくって終わった。そのまま「スキヤキ」に行くと、翌日があのの誕生日とあって、落ちサビでは水色のサイリウムが焚かれる。そのまま「サマーボカン」「はみだしパラダイス」と、このツアーでは初となる新曲2連発の締めで盛り上げて終わらせた。


アンコールに応えてメンバーが登場して礼を述べると、あのは「窓枠だけど窓ないよね」と言い、しふぉんが「そうなんですよ。さっきからあのがこれ言ってて、なんで窓枠って言うか知ってる人教えてください」と言い、観客の笑いを誘う。そして、しふぉんはあらためてツアーファイナルのリキッドルームについて説明。「リキッドではこの4人で原点回帰を迎えたい。絶対にいいライブをする自信があります。おかげさまでチケットが残り少ないので、急いで買ってください」と話す。さらに、「このあと4人で手売り会をします。自信作のミニアルバムなので、持ってない人はぜひ買ってほしいし、いい曲ばかりなので、歌詞と一緒に読んで聴いてください」と話す。そして、最後はようなぴが「それじゃあ、最後ブチ上げていくぞ!」と言い、「manual of 東京 girl 現代史」を披露。イントロがかかるとものすごい歓声がかかり、その勢いのまま突っ走って締めた。


最後は恒例の手売り会も開催。このツアーの中で、もっとも中高生が多かったように見え、それぞれがモジモジしながら一生懸命感想を伝えると、メンバーたちも喜んでいた。

 


そして、手売り会の後に行われたチェキ会の最後には、ファンたちがあのに誕生日プレゼントを渡す時間も設けられ、あのも嬉しそうにお礼を言っていた。
ツアーも残り3公演。毎回ガラリとセトリを変えて、自分たちも必死なのだろう。常に新鮮な気持ちで挑戦しているのが伺える。時には多少の危うさも見せながらも、とにかくがむしゃらに突き進み、毎回確実に何かを得ているのがわかる。10/24のリキッドルームまであと1ヶ月半、もっともっと期待しても大丈夫そうだ。

 

9月3日(土)静岡・浜松窓枠セットリスト
1.ゆるトロ(slo-モ!)
2.逃げろ!!
3.生きろ!!
4.虎よ
mc
5.ギザギザフリーダム
6.Hamidasumo!
7.めんどいしんどいPUNKするか
8.SUN SUN SUN
9.夢なんて
mc
10.聞こえる
11.ゆるビスタ!
12.私の話、これでおしまい
13.アントニオ
14.ナイトハイキング
mc
15.idアイドル
16.Only You
17.スキヤキ
18.サマーボカン
19.はみだしパラダイス

アンコール
20.manual of 東京 girl 現代史

 

「WE ARE A ROCK FESTIVAL TOUR」
9月4日(日)福岡・Livehouse & Club PEACE
9月19日(月・祝)長野・NAGANO CLUB JUNK BOX
9月22日(木・祝)茨城・club SONIC 水戸

http://ylmlm.net/?p=2334

 

《TOUR FINAL》
「WE ARE A ROCK FESTIVAL TOUR FINAL-RETURN TO ZERO-」
10月24日(月)恵比寿LIQUID ROOM
open/18:30 start/19:30

前売 立見4500円(税込・入場時別途ドリンク代)
当日 立見5000円(税込・入場時別途ドリンク代)

 

チケット発売中!
http://www.hipjpn.co.jp/archives/41519