コスチュームジュエリー① | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

3月3日(日)京都文化博物館。

 

 

特別展「コスチュームジュエリー」を見に行きました。衣装の装飾品であるジュエリーにスポットを当てた世界的にも稀な展覧会。研究家・小瀧千佐子(1947~)氏のコレクションは盛りだくさん。とても見ごたえがありました。

 

 

それでは展覧会の内容です。以下の文章は京都文化博物館のHPから引用しました。

 

  概要

 

ネックレスやブローチ、イヤリングといった宝飾品は、かつて高価な宝石や貴金属で作られ、権力や富の象徴として、特別に高い階級の男性が自身を飾り、妻や娘に身につけさせるものでした。

 


20世紀初頭に女性をコルセットから解放したことで知られるフランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレ(1879~1944)は、自身の発表した全く新しいドレスを際立たせるため、高価な素材を用いないジュエリーを女性の服飾に取り入れた先駆者です。

 

 

1920年代には、シャネルが模造パールやガラス素材のジュエリーを手がけ、それらは社会進出を果たした女性たちから絶大な支持を得ました。

 

 

これらのジュエリーはやがてアメリカで爆発的発展を遂げ、「コスチュームジュエリー」という名前を得て、個性的で斬新な様式美によって女性たちに、強い自信と、勇気と、輝きをそえてきました。

 

 

コスチュームジュエリーって、素材を限定せず、デザイン性を重視したジュエリーを指す言葉だったんですね。それに対して、上質な貴金属や天然の宝石を使用したクオリティの高いジュエリーをファインジュエリーと呼ぶそうです。

 

 

展覧会は3部構成。シャネルのカメリアとアメリカ産のコスチュームジュエリーが撮影可能でした。

 

 

  シャネルと椿

 

ガブリエル・シャネル(1883~1971)は椿の花を深く愛し、ジュエリーのモチーフに取り入れました。以下の4点は全てメゾン・グリポアで制作されたものです。

 

《クリップ "カメリア" モチーフ》1930年代

 

《ブローチ "カメリア" モチーフ》1930年代

 

《ブローチ "カメリア" モチーフ》1958~59年

 

《クリップ》1930年代

 

 

  ケネス・ジェイ・レーン

 

ケネス・ジェイ・レーン(1932~2017)は1950年代半ばにディオールのシューズを手掛けていたロジェ・ヴィヴィエの下で働く。1961年、ニューヨークでコスチュームジュエリーの会社を創業するや、たちまち人気を博す。顧客には、プリンセス・ダイアナ、エリザベス・テーラー、オードリー・ヘップバーン、ジャクリーン・ケネディ、ナンシー・レーガン、バーバラ・ブッシュなどセレブリティの名が連なる。

光沢のある金色の輝きが豪華さを演出しており、量産された比較的安価な作品も多いため一般市民にも愛された。それを可能にしたのは、ロードアイランドの電気メッキ職人たちの、金色を薄くコーティングする卓越した技術によると言っても過言ではない。

 

《ネックレス "ジャッキー・オナシス スタイル"》1970年

 

《ネックレス》1965年

 

《ブレスレットとイヤリング》1965年

 

 

  アイゼンバーグ&サンズ

 

1914年にジョナス・アイゼンバーグによって設立されたコスチュームジュエリーブランド。当時は高級衣料品店であったが、コーディネートのためにスワロフスキーからラインストーンを輸入、1935年からコスチュームジュエリー制作を始める。

1930年代から1950年代にかけて作られたデザインは洗練され、非常に高品質なラインストーンが手作業でセッティングされており、使用された金属はシルバーや美しくロジウムメッキされた合金で量感がある。明らかに模造宝石と分かるほどの大きなクリスタルやカラーストーンを大胆に配置したデザインは、一目でこのブランドと認識できる。

 

《ブローチ "V" モチーフ》1941年

 

《イヤリング、ブローチ "コルヌコピア" モチーフ》1942~45年

 

《ブローチ》1942~45年

 

《ブローチ "蝶" モチーフ》1942~45年

 

《ブローチ》1942~45年

 

《ブローチ》1942~45年

 

《ブローチ》1942~45年

 

 

  ジョセフ・オブ・ハリウッド

 

ユージン・ジョセフ(1905~1948)が創設したコスチュームジュエリー制作会社。シカゴで生まれ育ち、広告デザインを学んだが、宝石に関心があり、自らも特殊な道具を開発して実験を繰り返し、石と金属で精巧な透かし彫りのジュエリーをデザインし制作していた。

1929年にハリウッドに映り、映画の衣装ジュエリーのクリエーターとしての地位を確立した。「スエズ(1938)」「風と共に去りぬ(1939)」「バグダッドの盗賊(1940)」など歴史的映画作品のために制作し、一度作られた作品は複製されレンタルされた。

1948年飛行機事故で亡くなってからは、オリジナル作品コレクションは妻であるジョアン・キャッスル・ジョセフが管理し、経営も引き継いだ。現在も会社は継続している。

 

《ネックレス》1938年

 

《イヤリング、ブローチ》1940年代

 

《ブローチ》1940年代

 

《ブローチ "すずらん" モチーフ》1950年代

 

《ブローチ "太陽神" モチーフ》1960年代

 

 

今日はここまで。次に続きます。