関帝廟 | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 JR元町駅から北西へ10分程度の所に、関帝廟(かんていびょう)があります。

 周りは民家ですが、人気が無く閑散としていました。


門1



看板には関帝廟について説明がありました。


 関帝廟に祀られる主神は関聖帝君で、関聖帝君は、「三国志」の武将、関羽様を神格化した名前です。

 関羽様は160年頃に山西省解(かい)県に生まれ、祖父の石盤公に「周経」と「春秋」を学びました。


 18歳の時、豪族を切り捨てて河北省北京市の隣に亡命、劉備と張飛に出会い意気投合します。

 3人は死を同じ日に望む義兄弟の契りを桃園で結び、劉備を長兄に、張飛を弟として国家安定に努力する志を誓い合いました。


 後漢王朝の滅亡により、蜀帝国の建国を志した3人は、後漢王朝の血筋を引く劉備を蜀帝国の皇帝として擁立、関羽様と張飛はそれを補佐し国の基礎固めを行いました。

 しかし219年、関羽様は曹操と孫権の連合軍に捕えられ処刑されます。享年58歳。


 後年劉備の一族は関羽様の功績に感謝して廟を建立、これが関帝廟の始まりです。

 以後、晋・唐・宋・元・明・清の各朝廷も関羽様の精忠・守義に感動し、帝位を授け護国の神として祀りました。


門2


中国式参拝について説明した紙を取りました。


 関帝廟に祭られている神仏は7つあり、それぞれに用途があります。


1.天地神炉

2.関帝聖君…商売

3.南無観音菩薩…子宝、妊娠

4.天后聖母(媽祖)…海の安全

5.福徳正神(土地公)…身内の失踪、金銭の喪失

6.指南宮(道教呂純陽祖師)…学問

7.地蔵王菩薩


 線香を立てる香炉に振られている番号に従って参拝します。線香を立てて神仏を迎え、礼をします。

 礼には、跪いて頭を地面に3回つけて3回繰り返す「大礼」と、跪き合掌し3回拝む「常礼」があります。

 どちらかの礼をしてから、参拝の目的に応じて神仏を選び、願掛けをします。


 参拝を終えると、「金亭」で「紙銭」を燃やして神仏を天に送り返します。

 「紙銭」には、仏(故人)に送る「銀紙」や、神に送る「金紙」や「寿紙」があります。


本堂



後日願い事が叶ったら、感謝の気持ちを伝えるために参拝しないといけません。


これは、中国だけでなく、日本の神社も同じです。

 正月に初詣に行き、1年の願掛けをしますが、願い事が叶った後に感謝しないと、神様は怒って力を貸してくれなくなるそうです。



本堂のそばにあずまやがあります。

 7つの神仏に跪いて礼をするのですから、中国式の参拝は、日本の参拝とは比べものにならないぐらいハードです。そのため、休憩する場所が用意されています。


あずまや



 入口の近くに礼堂(らいどう)があります。礼拝や読経が行われる所で、閉まっていました。


礼堂