これもなかなかな総括だよね。W杯 | Giant Killing!

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パスサッカー報われたスペイン=日本は堅守戦術が成功〔W杯〕
(時事通信)

 サッカーのワールドカップ(W杯)はスペインの初優勝で幕を閉じた。南アフリカで現地取材した記者が座談会で大会を振り返った。まずは競技編から。

 記者B スペインは欧州王者の力を見せた。

 記者A 初戦でスイスに敗れたときはどうなるかと思った。守備を固める相手が多くて苦労していたけど、最後まで貫いたパスサッカーが報われた。

 記者C オランダとの決勝もそうだった。イニエスタとシャビがしつこい守りにもめげず試合を支配したし、バルセロナのスタイルが生きた。

 記者D オランダは美しさを捨てていた。

 記者B 守って一発に懸ける決勝の戦い方には驚いたけど、ロッベン、スナイダーら前線のタレントをベースにした堅実なチームではあった。後半に逆転してブラジルに勝った準々決勝を見ても、かつての勝負弱さは消えていた。

 記者C ドイツはスペインには及ばなかったものの、新たな一面を見せてくれた。イングランドとアルゼンチンを4得点で圧倒して沈めたし、あの高速カウンターは見事というほかなかった。

 記者A ウルグアイの復活は心に残った。

 記者D スアレスの「ハンド」問題は波紋を呼んだけどフォルランは最後まで輝いた。3位決定戦で見せた右足ボレーは記憶に残るだろう。

 記者C 南米2強は負けるときはあっさり。

 記者B アルゼンチンは個の力への依存が強すぎた。準々決勝もドイツに先制されると浮き足立って、マラドーナ監督は何もできなかった。

記者A ブラジルもアルゼンチンも1次リーグは危なげなくても、チームとしてもろかった。

 記者D それにしても見応えのある試合が少なかった。守備的なチームが多かったせいかな。

 記者C 確かにスコアは競っていても、白熱した展開は少なかった感じがした。堅守というわりにはディフェンスに際立った選手がいなかったし、特に1次リーグでは堅守同士の対戦だと、正直言って退屈な試合も少なくなかった。

 記者B 日本は海外W杯で初のベスト16入りと健闘した。初戦でカメルーンに勝ったことで勢いを得て、すべての流れが大きく変わった。

 記者A 中村俊を外して本田を攻撃の軸に据えたのは岡田監督の英断と言っていいと思う。川島の抜てきも当たったし、阿部の起用も良かった。

 記者C 結果論と言えなくもないけどね。堅守速攻がうまくトレンドにはまった面もあった。

 記者D でも、あの守備的な戦術ならある程度は戦えるという手応えを得たことは大きい。今後日本がどういうサッカーを目指すにしろ、世界で戦うときに別の選択肢を持つことができる。

 記者B ただ、パラグアイには勝てた。最後の勝負強さは足りなかった。準々決勝で、強く華麗なスペインに堅守速攻の日本がどこまでやれるかを見たかった。それが心残りかな。(ヨハネスブルク時事)