モロッコの言葉で、父方のおじのことを“アアミ”、母方のおじのことを“ヘビビ”と呼びます。
パリに主人のヘビビ(義母の弟)がいるのですが、そのおじは義父のことを“義兄さん”ではなく“ヘビビ”と呼んでいました。
パリの叔父にとって義父は義兄になるのですが、叔父でもあるんです。
自慢みたいになりますが、うちの主人の一族はモロッコでは一応大家でして、結婚相手に相当する家の出の人がなかなかいず、一族内での結婚が多いんです。
義姉もいとこの息子と結婚しています。
同じ苗字同士だから、義姉は結婚後も名前が変わってません。 そういうのが多いんです。
モロッコでは苗字で家系がわかるので、結婚後も苗字を保つことが大事みたいなんです。
いとこ同士とかの結婚でいわゆる近親婚ですが、血の繋がりは薄いので一族には問題がある人は生まれていないようです。
血がそれほど近くない理由は、モロッコ人はイスラム教徒ですから奥さんは四人いてもいい国で...
今時、一夫多妻の人などいないですけどね。
イスラム教の決まりでどの奥さんも平等に扱わないといけないそうなんです。
もしダイアモンドを一人に買ってあげたら他の三人にも買ってあげないといけないし、一人と夜を過ごしたら他の三人とも過ごさないといけないそうです。
お金も身も大変なんですよ。
大体、最近のモロッコの女性は強いですから、そんなこと許す奥さんなんていないでしょう。
今の王でも奥さん一人しかいません。
...だから、“腹違い”の兄弟が多く、半分だけしか血が繋がってないケースが多いんです。
おまけに、うちの主人の一族くらいの女性だと昔でも再婚しているんで、“種違い”の兄弟もいます。
ちなみに、パリのおじと義母は“腹違い”の姉弟です。
主人から親戚の話を聞いていると、あんまりややこしくて誰が誰なのかわからなくなるので、家系図を書いてみました。
息子達のためにも先祖の記録を残しておきたいし、主人の姉の夫、そして同時に義父の姪にあたる人が一族についての本を出版したんで、その中にある系図もメールしてもらいました。
英語では系図のことを、“ファミリー・ツリー”って言うんですが、主人の一族の系図はあちらこちらで枝と枝が交わっているんで、“ツリー”っていうようりも“ウェッブ”(クモの巣)みたいですね。