いろんな国の人達とつきあっていると、それぞれのお国柄みたいなものがあって面白いんです。
国名は伏せておきますが、よく、まぁ、いつも不満でぶつぶつ言っている、日本人の憧れの国の国民もいれば、
モロッコ人のようにあまり恵まれていない国なのにも関わらず、明るい国民もいるんです。
もちろん、皆が皆ってわけじゃあないですけどね。
週末、主人の友達が支配人をしているレストランに、よく友達と集まるんです。
友達も、支配人としての仕事をほん投げて、座り込んでわいわい始めるんです。
時々、トランシーバーでスタッフに指図してますけどね。
これまた明るい、プエルトリコ人のグランド・シェフも時々登場するんです。
彼らにも、それぞれいろんな問題や悩みがあるんです。 人生って、いろいろあるじゃあないですか。
それに彼らは故郷、家族と離れ、外国で外国人として外国語をしゃべってやっているから、辛いこともたくさんあるわけです。
でも、集まっている時はそんなことこれっぽちも見せず、皆、明るいんですよ。
いつもぶつぶつ、ぐじぐじしていたら余計気分が悪くなるし、周りも嫌じゃあないですか。
モロッコ人はジョークが好きです。 ちなみに、英語で言う“ジョーク”は、普通、小噺や可笑しい作り話のことなんです。 集まれば、いつもジョークの語り合いが始まるんですよ。
笑いは気持ちがいいものですよね。 特に皆で笑うと、セラピー的に心が晴れてくるものです。
ジョーク、特にモロッコ人のジョークは日本人には理解し難いと思いますが、
私のお気に入りをここでひとつ紹介してみましょう。
モロッコのジョークは有り得ない不可能な話が多いですから、そこは突っ込まないでくださいね。
アメリカの大統領と、フランスの首相と、モロッコの国王。
ペリコプターに乗って、地球をぐるぐる廻っていました。
目をつむったままで空から手探りで、自分の国を当てるゲームをしようということになりました。
まず、アメリカの大統領が目をつむり、ペリコプターから手を伸ばし、
アメリカの大統領: 「うーーーん、あ、今、この下が自分の国、アメリカだ!」
フランスの首相とモロッコの国王: 「正解! でも、どうしてわかったんだ?」
アメリカの大統領: 「自由の女神が手に触れたから、アメリカだとわかったんだ。」
次はフランスの首相の番。 目をつむり、ペリコプターから手を伸ばし、
フランスの首相: 「うーーーん、あ、今、この下が自分の国、フランスだ!」
アメリカの大統領とモロッコの国王: 「正解! でも、どうしてわかったんだ?」
フランスの首相: 「エッフェル・タワーが手に触れたから、フランスだとわかったんだ。」
次はモロッコの国王の番。 国王は手を伸ばし、引っ込めて、
モロッコの国王: 「あ、今、この下がモロッコだ!」
アメリカの大統領とフランスの首相: 「正解! でも、どうしてわかったんだ?」
モロッコの国王: 「腕時計が無くなったから、モロッコだとわかったんだ。」
解説: アメリカやフランスと比べ、発展してないモロッコではスリも多いので、
空からモロッコに手を伸ばしたら腕時計を獲られたということ。
ちょっと、モロッカン・ジョーク初心者には難しかったですかね。
モロッコ人は自分達や自分の国をコケにしたジョークが好きなんです。
一日のうち、笑う回数が多い方がいいに決まってますよね。 笑うことの多い人生の方がいいに決まってます。
笑うということは体にいいらしく、医学的にも笑う人は長生きすると証明されているそうですよ。
誰にだって、多かれ少なかれ悩みや問題があるものです。 生きていると仕方がないことですよね。
だから、なるべく、ぶつぶつ、ぐじぐじせずに、モロッコ人を見習って、友達や家族と一緒に笑いましょうよ。
そしたら、心が晴れてきて、「何とかなる!」って思えてきて、本当に何とかなったりするものですから。
私のモロッコ人達との夜はこんなふうに、くっくっく、けたけたけたと、更けていくんです。
そして、「明日からまた頑張るぞー!」って思えたりするんです。