脚本→川畑 俊輔
演出→小杉 四駆郎(劇団THEフォービーズ)

出演→アームストロング、しずる、スリムクラブ、セカンド、エリートヤンキー、岡田亜矢、伊藤真奈美、シャーク寺本


若くして妻を亡くした男"黒澤"。男手一つで娘を育て、がむしゃらに働いたが、黒澤と娘の心は日に日にすれ違う…。そんな中、彼にも人生の岐路が…。彼と娘の行方は…そして、のこされた"言葉"とは…。


アーム班『ことのは』、見てきました。ミュージカル仕立てになっていたり、色遣いもカラフルだったりと楽しさがたくさんで、でも大事な所ではホロっとさせられて。お話はよくありがちな題材なのに、展開が分かっていても心が動かされるとても良い舞台でした。

見た人にしかわからない書き方で申し訳ないのですが、真栄田さんの息子の話でぐわっと掴まれて、イベリコ左衛門の所でじわじわ泣けて仕方なかったです。まさかイベリコ左衛門に泣かされることになるとは。安村さんのお父さん役が本当に切なさと嬉しさと愛情に溢れていて素敵でした。途中までずっとしょうがない父親だと思っていたのに!娘の春子を演じていた伊藤さんもまた今回素晴らしくて、凛とした存在感があの中ですごく冴えていたと思います。親子のやりとりがすごくリアリティあるものになっていて、どちらにも感情移入してしまいました。

栗さんはただただふざける要素の強い役柄で。だってメイクからしてすごい(笑)。春子と水野が下見に行く結婚式場のスタッフとして、橘さんと一緒にかなり笑わせてくれました。橘さんはほんとずるいです(笑)。普通にしていても面白い人なのにあの作りこみ方・・・。気付いたら結構食いついて見てしまっていたのがなんか悔しい(笑)。

村上くんは安村さん演じる黒澤の部下で、内緒で黒澤の娘である春子と付き合っているという水野の役(準主役?)だったんですが、ちょっと頼りないけれど優しくて爽やかな青年っぷりがよく出ていました。途中から白いタキシード姿になるんですが、それが初々しくて!あれ、吉本の中で一番似合うんじゃないでしょうか。

逆に池田くんは同僚のおっさん役だったのですが、こちらもそれはそれは似合ってました。パンチパーマいいね!そこまでがっつりと出番があるわけではなかったんですが、見せるところではビシッと見せていて、さすがだなあと思いました。

同僚役では西島さんが仕事はできるけれどナルシストっぽい宮崎、けけけサイトーさんがオカマキャラの山田、内間さんが外国人のセルゲイ、という役を演じていました。皆さんキャラが強くて楽しかったです。セルゲイはなかなか美味しく使われていたのでは・・・。

岡田さんは今回は亡くなったお母さん役だったので回顧シーンとプラスアルファくらいの出番しかなくてちょっと残念でしたー。そういえば少し気になったんですけど、神保町で見るお母さん役の方の話方がいつも同じ感じに思えるのってたまたまなんでしょうか。お母さんというよりおばあさんぽい気がして・・・。


全体通して笑える箇所も多くて、シリアスな場面とのバランスも良くて、個人的にはとても好きな作品でした。こういうちょっと泣けてほっこりできるものが好きだからかな。出てくる人たちの感情が自分の中にすんなり入り込んで来たのもとてもよかったです。アームいいなあ。また座長やるときは絶対見に行きたいものです。