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++ エピソード日本史 ~人物で繋ぐ日本の歴史~
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.019━2007.01.22━…‥*
◆◇ 大伴金村 《オオトモ(の)カナムラ》…
5世紀末から6世紀中ごろ活躍した大連。
武烈、継体、安閑、宣化、欽明の五王朝に仕えたとされる。
大伴氏の権威は、金村の時代で絶頂を極めたと言われるが…。
《*大連:オオムラジ(大和王朝の最高位にある姓(カバネ)》
《*安閑:アンカン(第27代天皇)》
《*宣化:センカ(第28代天皇》
《*欽明:キメンイ(第29代天皇)》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 大和朝廷のキングメーカー、大伴金村
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
元々、大伴氏は雄略王朝時代頃から活躍しており、
金村の祖父にあたる室屋(ムロヤ)などの力は強大だったといわれています。
金村が表舞台に出てくるのは、24代仁賢天皇の時代です。
その時、皇太子となっていた武烈の即位を助ける為に、
大臣の平群真鳥とその子・平群鮪を討ち、
武烈天皇即位に貢献したことで、大連に任命されるのです。
《*大臣:オオオミ(天皇家に継ぐ地位の姓)》
《*平群真鳥:ヘグリ(の)マトリ》
《*平群鮪:ヘグリ(の)シビ》
武烈死後は、時期天皇が決まらなく危機が迫っていました。
そんな時、金村は越前から、男大迹王(継体)を連れて即位させます。
さらに継体天皇の権威を高める為、
武烈の姉妹、手白香皇女を皇后に据えるなどし、
皇位を左右する権威をを振るいました。
《*手白香皇女:タシラカ(の)ヒメミコ》
また、筑紫君磐井が反乱を起こした時には、
物部麁鹿火を征討将軍に推挙し、
一緒に征討に向かったとも言われています。
こんな風に国政に関与し、大きな活躍をして、
絶頂を迎えていた金村ですが、国際戦略で失敗を犯します。
継体王朝の時に、百済より任那の四県を割譲してほしいと乞われました。
この時、五経博士を渡来させる名目で承認してしまうのですが、
百済に割譲したことで、任那本体からは、恨みを買ってしまいます。
さらに、百済の使者から賄賂をもらったとも噂されてしまいます。
そして欽明天皇の時代に入ると、
大臣の蘇我稲目が天皇との血縁関係を築き台頭し、
朝廷内での力関係が代わり始めます。
《*蘇我稲目:ソガ(の)イナメ》
そんな矢先、朝鮮半島では動きがありました。
新羅が任那を併合してしまうのです。
これによって、大陸への窓口でもあった任那を失った大和朝廷は、
国際政策が困難になってしまいました。
完全に立場を失った金村は政界から失脚します。
そのまま引退し、再起を図る事はなかったといわれています。
この時代、蘇我氏、物部氏と共に活躍した有力豪族・大伴氏は、
金村の失脚と共に下降の一途をたどります。
この事件で、勢力図が蘇我氏、物部氏の二強に絞られました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さて、新羅が任那を併合した頃、
金村の失政を天皇に奏上した人物がいました。
「新羅に対しての政策が、この頃、困難になって来ております。
これは金村が百済から賄賂をもらい、任那を割譲してしまったせいです。」
この人物の名を物部尾輿《モノノベ(の)オコシ》と言います。
┏━◇ 次回の予告 ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
仏教伝来に負けたオールドタイプ、物部尾輿~ vol.20
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
━━[編集後記]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いよいよ飛鳥時代に入り、有力豪族の大友氏の雄、金村を取り上げました。
時代はすでに500年代に入り、天皇の権威は絶対になりつつあります。
天皇の権威をどう利用するか?これは金村の時代から1000年以上続く、
日本を支配する者のテーマとなっていくのですが、
世界史的に見ていくと不思議なんですよね。
なぜ、誰も天皇家を滅ぼそうとしなかったのか?
金村以降の権力者をこの視点で見ていくと、また面白いかも知れないですね。
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◆ 発行者 :yatarou
◆ 発行周期 :平日日刊、土曜ダイジェスト版
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5世紀末から6世紀中ごろ活躍した大連。
武烈、継体、安閑、宣化、欽明の五王朝に仕えたとされる。
大伴氏の権威は、金村の時代で絶頂を極めたと言われるが…。
《*大連:オオムラジ(大和王朝の最高位にある姓(カバネ)》
《*安閑:アンカン(第27代天皇)》
《*宣化:センカ(第28代天皇》
《*欽明:キメンイ(第29代天皇)》
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■ 大和朝廷のキングメーカー、大伴金村
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元々、大伴氏は雄略王朝時代頃から活躍しており、
金村の祖父にあたる室屋(ムロヤ)などの力は強大だったといわれています。
金村が表舞台に出てくるのは、24代仁賢天皇の時代です。
その時、皇太子となっていた武烈の即位を助ける為に、
大臣の平群真鳥とその子・平群鮪を討ち、
武烈天皇即位に貢献したことで、大連に任命されるのです。
《*大臣:オオオミ(天皇家に継ぐ地位の姓)》
《*平群真鳥:ヘグリ(の)マトリ》
《*平群鮪:ヘグリ(の)シビ》
武烈死後は、時期天皇が決まらなく危機が迫っていました。
そんな時、金村は越前から、男大迹王(継体)を連れて即位させます。
さらに継体天皇の権威を高める為、
武烈の姉妹、手白香皇女を皇后に据えるなどし、
皇位を左右する権威をを振るいました。
《*手白香皇女:タシラカ(の)ヒメミコ》
また、筑紫君磐井が反乱を起こした時には、
物部麁鹿火を征討将軍に推挙し、
一緒に征討に向かったとも言われています。
こんな風に国政に関与し、大きな活躍をして、
絶頂を迎えていた金村ですが、国際戦略で失敗を犯します。
継体王朝の時に、百済より任那の四県を割譲してほしいと乞われました。
この時、五経博士を渡来させる名目で承認してしまうのですが、
百済に割譲したことで、任那本体からは、恨みを買ってしまいます。
さらに、百済の使者から賄賂をもらったとも噂されてしまいます。
そして欽明天皇の時代に入ると、
大臣の蘇我稲目が天皇との血縁関係を築き台頭し、
朝廷内での力関係が代わり始めます。
《*蘇我稲目:ソガ(の)イナメ》
そんな矢先、朝鮮半島では動きがありました。
新羅が任那を併合してしまうのです。
これによって、大陸への窓口でもあった任那を失った大和朝廷は、
国際政策が困難になってしまいました。
完全に立場を失った金村は政界から失脚します。
そのまま引退し、再起を図る事はなかったといわれています。
この時代、蘇我氏、物部氏と共に活躍した有力豪族・大伴氏は、
金村の失脚と共に下降の一途をたどります。
この事件で、勢力図が蘇我氏、物部氏の二強に絞られました。
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さて、新羅が任那を併合した頃、
金村の失政を天皇に奏上した人物がいました。
「新羅に対しての政策が、この頃、困難になって来ております。
これは金村が百済から賄賂をもらい、任那を割譲してしまったせいです。」
この人物の名を物部尾輿《モノノベ(の)オコシ》と言います。
┏━◇ 次回の予告 ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
仏教伝来に負けたオールドタイプ、物部尾輿~ vol.20
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━━[編集後記]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いよいよ飛鳥時代に入り、有力豪族の大友氏の雄、金村を取り上げました。
時代はすでに500年代に入り、天皇の権威は絶対になりつつあります。
天皇の権威をどう利用するか?これは金村の時代から1000年以上続く、
日本を支配する者のテーマとなっていくのですが、
世界史的に見ていくと不思議なんですよね。
なぜ、誰も天皇家を滅ぼそうとしなかったのか?
金村以降の権力者をこの視点で見ていくと、また面白いかも知れないですね。
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