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++  エピソード日本史 ~人物で繋ぐ日本の歴史~ 
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.016━2007.01.18━…‥*



 ◆◇ 継体天皇 《ケイタイ天皇》…

 第26代天皇。名を男大迹王、もしくは彦太尊という。
 応神天皇5世の孫にあたる彦主人王を父とし、越前の国に生まる。
 武烈天皇死後、大伴氏、物部氏らに擁立され、507年に即位するが…。

 《*男大迹王:オオド(の)オオキミ》
 《*彦太尊:ヒコフト(の)ミコト》
 《*彦主人王:ヒコウシ(の)オオキミ》
 《*越前の国:エチゼンの国(現在の福井県周辺)》
 《*大伴氏:オオトモ氏》
 《*物部氏:モノノベ氏》


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■ 王朝変革のクーデター!?継体
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天皇家を救う為にやってきたとされる天皇、継体。
しかしどうもその素性が怪しいとされています。
応神天皇の5世とも6世とも言われるのですが、
実は仁徳からなる大和政権をクーデターによって
武烈天皇を滅ぼした一族が大義名分を掲げる為、
応神天皇の名を語ったという説があります。

その為、武烈は非道の暴君として名が残ったというのです。


継体は天皇として即位した時、招かれざる客に近かったようです。
大伴氏、物部氏など有力豪族に擁立されているにも関わらず、
当時の大和政権内にはかなりの反対勢力があったようで、
その為、大和ではなく、北河内で即位したそうです。

その後転々とし、即位20年後に、ようやく大和に入れたそうです。


この反対勢力が曲者ですね。
本当に天皇擁立を反対していたのか?
それとも王朝を倒されないように抵抗したのか?
これによって、大きく意味が変わってきます。
もしも、招かれた天皇であったとしたら、
少なくとも、20年も大和に入れない理由が分からないですね。


継体天皇の治世の頃から、大陸の中国や朝鮮との国交も増えてきます。
朝鮮にあったとされる任那《ミマナ》を日本の領土としてたという話があり、
ここを拠点に鉄の輸入などを行っていたようです。
さらに私伝ということで、仏教も伝来したと言われています。

この継体天皇から、現在の天皇の系譜は明確になってきます。
理由の一つとしては、記紀以外の資料も増え、
さらには、中国や朝鮮との国交記録などから、
存在していた可能性が高い考えられるからです。

つまり現在の天皇家は、継体天皇の血族である可能性が高いのです。
しかし、もしも武烈天皇で王家が途絶えてしまっていたとして、
そして継体天皇の先祖が応神天皇につながらなかったとしたら、
初代・神武天皇から万世一系を唱えてきた天皇家は、
ここで大きく断絶されていた事を意味します。


つまり、日本はアマテラスの子孫・神武天皇を祖とする一族が治めるという、
古き言い伝えや伝説が、この継体天皇を境に失われたという事実が生まれます。

もしそうだとすれば、継体天皇にとって都合の悪い資料は存在しないはずです。


とすれば、継体天皇が隠した事実が判明することがあったとしたら、
それ以前の日本の謎が解けてくるのかも知れませんね。



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さて、そんな継体天皇の治世に朝鮮出兵の計画が持ち上がります。
対立していた新羅から朝鮮半島南部に位置する南加羅を取り戻す為です。
その出兵に日本の中で立ちはだかった人物がおりました。
名を筑紫君磐井《ツクシ(の)キミ・イワイ》。
そしてこの戦乱を俗に“磐井の乱《イワイのラン》”と呼び、
大和政権最後の統一戦争と考えられています。



┏━◇ 次回の予告 ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

  ヤマトに抵抗した不屈の豪族、磐井

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━━[編集後記]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いよいよ、明確に神話から歴史へと移ってきました。
今までのお話は、ある程度史実と考えられる部分もあるのですが、
古事記や日本書紀に書かれている出来事や事柄を、
そのままを事実として捉える事は出来ない為、
どうしてもおとぎ話的に感じざるを得ないお話でもあるのです。

ですが、古事記や日本書紀に書かれている事が全て作り話とは考えられません。
その中には古代日本の秘密が隠されていると思っています。
どこまで事実として掘り下げることが出来るのか、興味が絶えません。
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 ◆ 発行者 :yatarou
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