こんんちは(^O^)/
きょうは休診日。
朝からユイスマンス(ユイスマン)『さかしま』(澁澤龍彦 訳、桃源社)を読んだりしていましたが、
今回紹介するのは
『代替医療のトリック』(原題:"Trick or Treatment?")
(サイモン・シン/エツァート・エルンスト 著、青木薫 訳、新潮社、2520円)
です。
先週、院長から
「ハッピー先生、この本読んでみますか」
とすすめられまして。
借りたのは462ページもあるハードカバーの本で大変読み応えがありました。
ホメオパシー、鍼、カイロプラクティック、ハーブ療法など、いろいろな代替医療を紹介しつつ、
要するに
「これらの代替医療で病気に効くという科学的根拠はない。これらの治療を受けるときは十分注意しなさいよ」
と言っているわけです。
いかにもイギリス人らしい、合理的で保守的(しかし、良心的)な筆致です。
読んだ後、正直へこみました。。。鍼灸師ですからね。
でも。
鍼灸師であり、AEAJ認定アロマテラピーインストラクターであり、最近は吸い玉療法も勉強している、要するに「代替医療でかろうじて生計を立てている」わたしがこんなことを言うのも何ですが(第一、同業者にしかられそうです)、この本で著者が指摘していることは、真摯に受けとめなければならないと思いました。
『孔子家語』にもあります。
「良薬は口に苦けれども、病に利あり。忠言は耳に逆らえども、行いに利あり。」
どういうことかというと。
わたしたちは毎日、患者さまを治そうと必死に治療するのですが、たまに、こちらの予想以上に治ってしまう患者さまがいらっしゃいます。
たとえば、
「これは治るまでちょっと時間かかりそうだなあ、今のところは痛みをとっておこうか」
と治療したら、
痛みがとれたどころか治ってしまった
というケースはあるんですね。
これは幸福でうれしい偶然です。
で、そういう幸福でうれしい偶然が、これまた、続くときがある。
(逆の場合もあるんですけれどね。。。)
そうすると、どうしても自分の技術や治療体系を過信してしまうんです。
偶然を必然と勘違いしてしまう。
「鍼で治らない病気はない」
とまでいかなくても、それに近いようなことは思うものなんです。
最後には、効かなかった患者さんに対して
「あの患者さん、鍼があわんかったんやろうな」
と、治らないのは患者さまに責任があるかようなことを思ってしまうものなんです。
わたしって正直でしょう?
(正直ついでに言えば、実際患者さまにも責任がある場合もあります。自宅や職場での運動・生活指導を実行してくれなかったりとか、「1週間以内にもう一度診させてください」と言っているのに2ヶ月くらいたってから登場とか・・・一からやり直しじゃないか・・・)
元・東北楽天イーグルス監督の野村克也さんが、
『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』
と言い続けていたそうですが、わたしたちの世界でも同じで、治るのはむしろ幸福な偶然であり、治らないのは当方の治療技術(診たても含めて)不足という必然です。
『勝ちに不思議の勝ちなし、負けに不思議の負けあり』
なんて思い出すようになったときがアブナい。
そういうわけで、むしろ、代替医療に従事しているすべてのひとたち(わたしも含む)こそ、「忠言」のカタマリといってもいい本書を読まれることをおすすめします。
そして、「研究と臨床は違うもんな」などとはねつけず、一度受け止めてみることを。
鍼灸接骨院 按心館やすらぎ治療院(JR六甲道駅から徒歩5分)
電話 078-857-8941(神戸 は~こんなに はりきゅうよい)
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朝からユイスマンス(ユイスマン)『さかしま』(澁澤龍彦 訳、桃源社)を読んだりしていましたが、
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『代替医療のトリック』(原題:"Trick or Treatment?")
(サイモン・シン/エツァート・エルンスト 著、青木薫 訳、新潮社、2520円)
です。
先週、院長から
「ハッピー先生、この本読んでみますか」
とすすめられまして。
借りたのは462ページもあるハードカバーの本で大変読み応えがありました。
ホメオパシー、鍼、カイロプラクティック、ハーブ療法など、いろいろな代替医療を紹介しつつ、
要するに
「これらの代替医療で病気に効くという科学的根拠はない。これらの治療を受けるときは十分注意しなさいよ」
と言っているわけです。
いかにもイギリス人らしい、合理的で保守的(しかし、良心的)な筆致です。
読んだ後、正直へこみました。。。鍼灸師ですからね。
でも。
鍼灸師であり、AEAJ認定アロマテラピーインストラクターであり、最近は吸い玉療法も勉強している、要するに「代替医療で
『孔子家語』にもあります。
「良薬は口に苦けれども、病に利あり。忠言は耳に逆らえども、行いに利あり。」
どういうことかというと。
わたしたちは毎日、患者さまを治そうと必死に治療するのですが、たまに、こちらの予想以上に治ってしまう患者さまがいらっしゃいます。
たとえば、
「これは治るまでちょっと時間かかりそうだなあ、今のところは痛みをとっておこうか」
と治療したら、
痛みがとれたどころか治ってしまった
というケースはあるんですね。
これは幸福でうれしい偶然です。
で、そういう幸福でうれしい偶然が、これまた、続くときがある。
(逆の場合もあるんですけれどね。。。)
そうすると、どうしても自分の技術や治療体系を過信してしまうんです。
偶然を必然と勘違いしてしまう。
「鍼で治らない病気はない」
とまでいかなくても、それに近いようなことは思うものなんです。
最後には、効かなかった患者さんに対して
「あの患者さん、鍼があわんかったんやろうな」
と、治らないのは患者さまに責任があるかようなことを思ってしまうものなんです。
わたしって正直でしょう?
(正直ついでに言えば、実際患者さまにも責任がある場合もあります。自宅や職場での運動・生活指導を実行してくれなかったりとか、「1週間以内にもう一度診させてください」と言っているのに2ヶ月くらいたってから登場とか・・・一からやり直しじゃないか・・・)
元・東北楽天イーグルス監督の野村克也さんが、
『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』
と言い続けていたそうですが、わたしたちの世界でも同じで、治るのはむしろ幸福な偶然であり、治らないのは当方の治療技術(診たても含めて)不足という必然です。
『勝ちに不思議の勝ちなし、負けに不思議の負けあり』
なんて思い出すようになったときがアブナい。
そういうわけで、むしろ、代替医療に従事しているすべてのひとたち(わたしも含む)こそ、「忠言」のカタマリといってもいい本書を読まれることをおすすめします。
そして、「研究と臨床は違うもんな」などとはねつけず、一度受け止めてみることを。
鍼灸接骨院 按心館やすらぎ治療院(JR六甲道駅から徒歩5分)
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