進化するココロとカラダ -2ページ目

進化するココロとカラダ

ボディワーカー(公認ロルファー)の藤本靖がボディワークをはじめとする身体業界および他業界の魅力的な人たちのつながりをサポートする活動を紹介します。朝日カルチャーセンター新宿教室を中心に様々なコラボ企画を提案します。

ずっと気になっていた「パラスポーツ」の世界。

 

 

ボディワーカーとして「現代人のストレスマネジメント」というテーマを探求し続ける私にとって、ここにはとてつもないヒントが隠れていると感じていました。

 

 

そして、この人の動きを見たときにそれが何かということが少しわかったような気がしました。

 

 

 

 

ダンサー大前光一さん。

事故で左膝下切断後に独自のダンススタイルを築く。

2016年リオのパラリンピックの閉会式、

2017年NHK紅白歌合戦(平井堅さんとのコラボ)、

などで注目される。

 

 

フロアと空間を自由に行き来するその流動的なムーブメントを見たときに、自分の体の芯がグニャッと溶けたように感じました。

そして、自分にとっては未知である体幹の動き、全体の連動性がビンビン伝わってきて、これまでとは全く違う新しい動きの法則を学ばせてもらいました。

 

何より、自分の体がとても自由で可能性に満ちたものになったように感じたのです!

 

 

 

現代生活はとても便利で我々を自由にしてくれました。

しかし、自分の体が自由であると感じている人はどのくらいいるのでしょうか?

 

 

現代人は、自由を持て余して不自由になっている。

そのジレンマを解くヒントが大前さんの動きにあり、それはダンスだけではなく、パラスポーツ全体にあるのではと感じました。

 

 

 

そんな私の直観に、度を超えたマニアックさで有名なカラダマニア最前線の武術雑誌「月刊秘伝」さんが全力で応えてくれることになりました。

6月14日発売の7月号(P.8~13)で、シリーズ第一回目として巻頭を飾らせて頂きました。

 

 

 

未来医療研究会の稲葉俊郎さんの「裏オリンピック企画への提案」も踏まえて、2020年東京パラリンピックに向けて、パラスポーツに関わるあらゆる方々に急ピッチで取材を進めています。

 

 

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(内容)

パラスポーツ選手から知覚や身体操作についての秘伝を学び、そのエッセンスを万人に役立つワークとして紹介する

 

(目的)

①現代人のストレスマネジメント改善

②スポーツ、武術のパフォーマンス向上

③2020年東京パラリンピックを今までとは違った視点で観戦

 

(新たな視点)

障害をどのようにカバーするかではなく、制限があるゆえに進化した知覚や身体操作に注目する

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第一弾は、ブラインドサッカー。

 

日本代表の合宿取材。

 

 

高田敏志監督。

コンピューター付き、ブルドーザーのようなすごい方。

 

 

 

 

 

 

フィジカルコーチの中野崇さん。

試合の中で役に立つためのフィジカルをつくることへの徹底ぶりにはいつも驚かされます。

私的には、男がかっこいいとおもう男ナンバーワン。

 

 

 

 

 

 

私もブラインドサッカーを体験しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今回の主役は日本代表チームのエースストライカーで、キャプテンでもある「川村怜」選手。

 

私が知りたいこと全てにとてもわかりやすく丁寧に応えてくれました。

 

なにより川村選手があまりに魅力的なので、選手としてだけではなく人として大ファンになってしまいました。

 

 

 

 

 

 

「横隔膜の脚の左右のバランスをとる」という超マニアックなワークの提案も一緒になって探求してくれました。

 

川村選手は鍼灸師でもあるので体のことを熟知しているのです。

 

 

 

 

 

そして、いざピッチに立つと、全くの予備動作無く、ゴールポストの斜め角に突き刺さるようなゴールを決めるその姿に現代の野武士の姿をみました。

 

2020年東京パラリンピックで、川村選手がどんなプレーを見せてくれるのか本当に楽しみです。

 

 

 

川村選手が、ブラインドサッカーという競技や日常生活の中で体験している感覚世界についてのお話は、現代人にとっての大きな智慧となりました。

 

 

 

その奥深い内面世界はぜひ「月刊秘伝」誌面にてご堪能くださいませ。

 

 

 

ちなみに、7月号の表紙はこんな感じです。

 

 

本当にマニアックにも程がありますが、

このような突き抜けた雑誌が、現代の日本に存在することの喜びを改めて噛みしめる次第であります。

 

 

 

パラスポーツについては、引き続き取材を続けていきます。

 

 

 

 

ご興味がある方がいらっしゃったら是非一緒に面白いことをやりませんか!

 

 

 

 

 

 

 

東京三鷹に「天命反転住宅」というイリュージョンのような建物があるのをご存じですか?

 

 

 

 

天命反転住宅についてはこちら

http://www.rdloftsmitaka.com/concept/

 

室内の様子など(動画)

https://www.youtube.com/watch?v=vqpi8XqrDpI

 

 

まあ、とにかくなんとも不思議で魅力的なのですが、

すごいのは外観だけではないのです。

 

 

 

そこにいると「知覚」が変わります。

我々は、基本的には知覚に基づいて思考するわけですから、

考え方が、もっというと生き方が変わるのです。

 

ちなみに、人との関わり方も随分変わります。

 

 

私はまだ数回しか滞在していないのですが、

毎回行く度にそのことを確信します。

 

 

その天命反転住宅にて6月1&2日と連続で、

面白イベントを行います。

 

 

第一弾は、こちら。

 

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日時:6月1日(金)14時~16時
場所:三鷹 天命反転住宅 3F303号室

登壇者:安田登さん(下掛宝生流能楽師)、藤田一照さん(曹洞宗僧侶)、藤本靖(ボディワーカー、身体論者)

テーマ:能・禅・ボディワークからみる「間(あはひ)の世界」

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藤田一照さんとは、数年来、曹洞宗主催のコラボセミナーで道元禅師の教えをカラダで読み解くという作業をご一緒させていただいています。

その内容を書籍化する中で、どうしても「間(あはひ)」というテーマをとりあげたい、

「間(あはひ)」といえば「安田登」さん、

そして、「間(あはひ)」といえば「天命反転住宅」、

とすべてが流れるように自然に決まりました。

 

 

☆安田登さん

 

 

☆藤田一照さん

 

 

 

みなさんもきっとそうだとおもいますが、

私にとってはもう本当に大好きとしかいいようがない魅力的なお二人です☆

 

 

そして、第二弾はこちら。

 

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(企画名)「天命反転住宅で子育てについて語る」

 (日時)2018年6月2日(土)11時~16時頃(二部入替制)

 (場所)東京都三鷹市 天命反転住宅 3階303号室

 (目的)「子供を大人化するのでなく、大人が子供から学ぶ」という視点から、従来の子育てのあり方を根本的に見直し、親が抱える子育てに関する様々な悩みを解決するためのヒントを提案する。

 (背景)

・子育て中の親の多くは、「子供が思い通りにならない」ことに悩みを持っている。

・不自然で不自由な現代の生活・社会環境において、大人の規範通りに子供が行動するのを期待すること、それを誘導するような子育てのあり方には無理がある。

 

(方法)

・天命反転住宅というより自然に近い環境に入り、今までにはない知覚情報を受け取ることで、子供がどのような行動をとるかを詳細に観察する。

・子供が本来持つ自由な創造力と可能性に出会うことで、大人が自らのあり方を変革させるきっかけをつくり、子供と大人が共存するためのライフスタイル、子供と大人の新しい関わり方について提案を行う。

 

(内容)下記二部構成

 

11時~13時“第一部:天命反転住宅で、子供の創造力に出会う” 

 

・天命反転住宅に出会った子供がどのような行動をとるかを観察

・大人と子供が一緒になって”遊び”を探索する

 

(スケジュール予定)

11:00~11:30:子供がフリーで遊ぶ

11:30~12:00:道具などを使って大人も一緒に遊ぶ

12:00~12:30:適宜遊びを延長するかディスカッション

12:30~13:00:親御さんと登壇者でディスカッション

 

登壇者:

稲葉俊郎さん(東京大学病院循環器内科医)

小木戸利光さん(アーティスト、俳優)

藤本靖(ボディワーカー、身体論者)

小室弘毅(関西大学准教授)

 

14時~16時 “第二部:天命反転住宅で、子育てについて語る”

 

・大人が子供から学ぶという視点で、新しい子供との関わり方について話し合う

 

(スケジュール予定)

14:00~14:30:登壇者、可能なら親御さんから午前中のふりかえり

14:30~15:00:それをふまえての登壇者のコメント、ディスカッション

15:00~15:30:参加者からの質問とそれへの応答

15:30~16:00:天命反転住宅での子育て経験のある山岡監督への登壇者からの質問とそれへの応答

 

・登壇者

藤田一照さん(曹洞宗僧侶)

稲葉俊郎さん(東京大学病院循環器内科医)

小木戸利光さん(アーティスト、俳優)

山岡信貴さん(映画監督)

藤本靖(ボディワーカー、身体論者)

 

司会:小室弘毅さん(関西大学准教授)

 

<主催>

藤本靖(環境身体学研究所代表)

小室弘毅(関西大学准教授)

岡村心平 (関西大学非常勤講師)

 

<共催>

関西大学(東西学術研究所身体論研究班)

荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所

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”四角いコンクリートに囲われた中、大人の都合でつくられた秩序に従って育てられている子どもたち。

それでも生命力、創造力、遊び心を火花のように弾けさせてくれる。

人間のあらゆる知覚が刺激され、拓かれ、研ぎ澄まされる奇跡の空間である天命反転住宅に、この子たちを連れて行ったら一体どうなるのだろうか?”

 

 

1歳のわが息子と日々過ごして感じた問題意識を、

そのまま企画にしました!

 

そんな思いに、応えてくれたメンバーたちに心より感謝です。

(みなさまのプロフは最後にあります。)

 

 

☆稲葉俊郎さん

 

稲葉さんがお子様とどのように関わっているのかをものすごく知りたい!いろいろ想像してしまうのですが、実際はどうなんでしょうか?

 

 

☆小木戸利光さん

 

6歳の息子さんがいるようにはとても見えない小木戸さん。その純粋で、美しく、熱い魂でどのようにお子様と関わっているんでしょうか?

 

 

☆藤田一照さん

 

大学院では、乳幼児の運動発達の実践的研究を行っていた一照さん。どんな目線で子供たちをみているんでしょうか?

 

 

 

☆山岡信貴さん

 

天命反転住宅で出産から子育てをして、そのプロセスをドキュメンタリー映画とした山岡監督。ただものではない雰囲気が漂っています!

 

 

そして、この面白企画を一緒に立ち上げてくれた

関西大学のお二人。

 

☆小室弘毅せんせい(かっこよすぎる!)

 

 

☆岡村心平せんせい(やさしくて、頭がきれる!)

 

 

 

そして、この企画にご参加くださるみなさま!

 

本当にありがとうございます。

 

覚醒の二日間をご一緒できるのを楽しみにしています。

 

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<登壇者プロフィール>(敬称略)

 

*藤田一照(ふじた・いっしょう)

愛媛県出身。灘高校から東京大学教育学部教育心理学科を経て、大学院で発達心理学を専攻。院生時代に坐禅に出会い深く傾倒。28歳で博士課程を中退し禅道場に入山、29歳で得度。33歳で渡米。以来17年半にわたってマサチューセッツ州ヴァレー禅堂で坐禅を指導する。

2005年に帰国し現在も、坐禅の研究・指導にあたっている。曹洞宗僧侶。Starbucks、Facebook、Salesforceなど、アメリカの大手企業でも坐禅を指導する。

著作に『現代坐禅講義 – 只管打坐への道』)、共著に『アップデートする仏教』、『安泰寺禅僧対談 』、『禅の教室』、訳書に『禅への鍵』『法華経の省察』、『禅マインド ビギナーズ・マインド2』など。

 

*稲葉俊郎(いなば・としろう)

熊本県出身。医師、東京大学医学部付属病院循環器内科助教。医学博士。心臓を内科的に治療するカテーテル治療や心不全が専門。週に一度行っている往診による在宅医療では、心臓以外の病気もすべて診ている。東京大学医学部山岳部の監督を務め、涸沢診療所(夏季限定の山岳診療所)も手伝い、夏には山岳医療も行う。医療の多様性と調和への土壌作りのため、西洋医学だけではなく伝統医療、補完代替医療、民間医療も広く修める。

未来の医療と社会の創発のため、伝統芸能、芸術、民俗学、農業など、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に行い、講演・勉強会なども各地で行っている。2011年の東日本大震災をきっかけに、医療の本質や予防医学を広く伝えるべく、個人での活動を始める。音楽、絵画などにも造詣が深く、さまざまなジャンルにおいて医療との接点を模索。自身も絵を描いたり能を習うなどして、歴史や体と向き合っている。

著作に『いのちを呼びさますもの—ひとのこころとからだ—』、共著に『見えないものに、耳をすます』(ともに、アノニマ・スタジオ)。

 

*小木戸利光(こきど・としみつ)

福岡県出身。イギリス・ノーザンブリア大学にて、演劇・パフォーマンスを専攻。アーティストとして、音楽、文芸、パフォーマンス作品を発表。俳優として、映画、ドラマ、舞台、ドキュメンタリー番組に出演する。主な出演作は、NHK「あんとき、」(主演)、映画「ゴーストヴィジョン」(主演)加藤秀幸監督、「菊とギロチン」瀬々敬久監督、「飢えたライオン」緒方貴臣監督、「ナイトクルージング」佐々木誠監督、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」若松孝二監督。著書にエッセイ集「表現と息をしている」(而立書房)がある。2018年、国連SDGsの理念に賛同した、平和教育を普及するための組織「Theatre for Conflict Resolution」を発足。教育機関において、演劇的な手法を通じて、物事への多層的な観察力、他者への共感力を養うための実践的な授業を行っている。紛争解決と社会変革に情熱とスキルをもつ次世代のアジアのリーダーを育成するためのキャンパスアジアプログラムでは、講師として招かれ、日中韓の早稲田大学・北京大学・高麗大学の学生たちとともに、同手法を用いた演劇づくりに取り組んだ。「戦後世代の語り部育成事業」の一員でもある。

 

*山岡信貴(やまおか・のぶたか)

大阪府出身。大学卒業後、映像技術サービスを手がけるIMAGICAでカラリストやゲームプログラミングなどの業務を担当。並行して自らの映画制作にも取り組み、国内外の映画祭で招待上映や受賞を重ねる。独立後は映像制作を軸としながら、実験映画やドキュメンタリー映画を制作。現在は株式会社プラスディーでプロデュースから監督、編集、撮影まで、映像に関わる幅広い業務に携わる。

「PICKLED PUNK」(1993年) ベルリン国際映画祭他正式招待作品、「Zeki, Florian and Kelly!」(1997年) マドリッド国際映画祭他正式招待作品、「PIG'S INFERNO」(2000年) リオデジャネイロ国際映画祭他正式招待作品、 「ソラノ」(2005年) シンガポール国際映画祭他正式招待作品、「天然性侵略と模造愛」(2005年) プサン国際映画祭他正式招待作、などの作品がある。「縄文にハマる人々」シアター・イメージフォーラムにて2018年7月公開予定。

荒川修作と天命反転住宅のドキュメンタリー映画「死なない子供、荒川修作」監督。

 

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私がボディワーカーとして探求しているテーマの一つとして

「現代人のストレスマネジメント」があります。

 

「耳ひっぱり」、「わりばしワーク」など様々なセルフケアのワークを提案しつづけていますが、世の中に幅広く認めてもらうには「エビデンス」があることが重要です。

 

なんとか実験データを出したいと思っていたところ、「日経トレンディ」さんより企画のご提案があり、ついに実験を行うことができました。

 

 

結果、大変重要な知見が得られましたのでご報告します。

 

この内容の詳細につきましては、月刊「秘伝」4月号(P122-126)をご参照ください。

 

 

 

今回の実験では、7つのセルフケアワークを行った際の「脳波」と「心拍変動」を測定して効果を確認しました。

 

得られた重要な知見は以下です。

 

 

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何もしないでボーとしている状態は、

 

「頭は休まる」(脳波はリラックスモードになる)が、

「身体(自律神経系)はストレス状態になる」(心拍変動は低下する)。

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これはまさしく「壊れてしまった現代人の神経系の状態」を如実に物語る結果でした。

 

 

 

 

 

 

重要なことなので少し丁寧に見てみましょう。

 

 

 

まず、ストレスマネジメントがうまくいっているとはどのような状態なのでしょうか?

 

一つの答えとしては「自律神経系の調整力が高い状態」であるといえます。

緊張しすぎたらリラックスして、ゆるみすぎていたら少し張りをもたせる、というのが調整力です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自律神経系の調整力を測るには「心拍変動」(心拍数ではない)をみることが重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の実験では、ワークの結果、心拍変動幅(心拍のゆらぎ)が増え、調整力が改善するという傾向が確認されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現代人は調整力が低下しているため、緊張したら緊張しっぱなし、ゆるんだらゆるみっぱなしの状態になっています。

 

 

では調整力を上げるにはどうすればいいのでしょうか?

 

 

「神経系のスイッチを入れ直す」こと、

つまり「覚醒度を上げる」ことが重要です。

 

 

私はこの20年間、現代人の神経系の状態を生で観察しつづけてきました。

私が、この仕事についた20年前はみんなピリピリしていました。

つまり、緊張しっぱなしでリラックスできない、つまり過敏状態にある人が多くいました。

 

ボディワークはリラックスをもたらすという意味で、これらの人々に有効でした。

 

 

 

そして、2018年現在、私は、20年前とは明らかな違いがあることを感じています。

 

例えば、「お風呂に入ってもリラックスしているかどうかわからない」というような人が増えています。

ピリピリを通り越して、凍りついて無感覚になっているのです。

 

 

つまり、「ピリピリ」過敏だった状態から、「カチカチ」に凍りついて無感覚になっている人が多いのです。

 

カチカチの人は、反応性がとても鈍くなっているのでリラックスを提案しても思ったような反応が得られません。

 

それよりもまず必要なのは「脳神経系」を一度起こす、つまり「覚醒させること」なのです。

 

 

 

脳神経系の覚醒は「脳幹」が司っています。

脳幹を刺激するには、脳幹にある脳神経12対(目鼻口耳、首、及び内臓)を働かせることが有効です。

 

耳ひっぱりや割り箸ワークが現代人にとって有効なのは、

ただのリラックスではなく脳神経系の調整力を取り戻すことができるからなのです。

 

 

 

そして、ここから面白いところなのですが、脳神経系の覚醒に関しては、「赤ちゃんとの関わり(子育て)」に大いにヒントがあるのです。

 

 

赤ちゃんは、脳神経系が未成熟であるため自分で緊張とリラックスをコントロールできません。

 

泣き出すと一人では泣き止むことができなかったり、眠いのに眠れなかったりするのはそのせいです。

抱っこして歩くと泣き止んだり、寝たりするのは、脳神経系に覚醒をもたらして調整力を改善させるからなのです。

 

この視点で赤ちゃんと向き合うと、従来の育児理論とは異なる育児のあり方が見いだせるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

(スマホに子育てさせるのは反対の立場です。念のため!)

 

 

 

「現代人のストレスマネジメント」と「育児」。

 

 

 

一見全く無関係な二つをクロスオーバーさせることで大変興味深い知見が得られるのです。

 

 

引き続きのご報告を楽しみにお待ちくださいませ!

 

 

 

 

みなさん、どんな椅子をお使いですか?

 

 

私は高校時代に学校の椅子がまったく合わず身体のバランスを崩したことをきっかけに、かれこれ30年近くも自分にあった椅子を探し続けてきました。

会社員時代は所定の椅子とは別に健康椅子を2脚も持ち込んでローテーションさせてなんとか身体の不調をごまかしていました。

私の椅子三昧のせいで稟議ファイルがとても取りづらくなっていたので同じ課の人には大変なご迷惑をおかけしたかとおもいます。いまさらながら本当にごめんなさい。

 

その後も本命の椅子と出会うことなく、「人間工学に基づく・・・」のフレーズに乗せられるがままに高額な高機能チェアを買ってはすぐ使わなくなって買い換えるというボディワーカーにはあるまじき行為を繰り返していました。

もう本命の相手とは出会うことはないとあきらめて椅子のことはできるだけ考えないで見て見ぬふりをして自分の心と身体に嘘をつきながら生活しておりました。

 

そして「自分に合った椅子が欲しい!」という気持ちがもう無くなりはじめた頃に、突然怪しいメールが来ました。

「藤本さんの身体理論に基づいて『椅子』を作ったのでご覧になりませんか?」

30年かけて、やっと椅子のことを忘れることができたのにこの誘惑。

数日悩んだのですが、この誘惑に抗えるはずもなく椅子を製作した方の展示会をのぞいてみることにしました。こじんまりとした会場の中心にこの方がいらっしゃいました。

 

椅子職人、中根和広さん。

 

理学系の研究者のような鋭い眼光で不思議な椅子の上に腰掛けてらっしゃいました。そして、これが例の椅子です。

 

アート作品のような「シリオ3」。

 

健康椅子とは似ても似つかぬアート作品のような魅力的な流線型をもったシンプルなオブジェのような出で立ち。そして、坐ってみると私が長年求め続けていた椅子であることがすぐにわかりました。

 

「自然に骨盤が立つ、背筋が伸びる」

「目がパチッと開いて、頭がスッキリする」

「椅子と身体が一体化する、義足のような椅子」

「自分の脚が椅子の脚の一部であり、椅子の脚が自分の脚の一部である」

 

その他実際に椅子を使っている方からは

 

「とにかく座り続けたくなる」

「声が出しやすくなったので放送スタジオで使っている」

「身体とのつながりを感じる」

 

などの声をいただいています。

 

私が最も衝撃を受けたのは、「鼠径部(股関節)の詰まりが全くないこと」。

逆にいうとこれまでの人生、椅子に座っている間はずっと鼠径部を詰まらせ続けてきたのかとおもうと、いまこの椅子に出会えて本当によかったと感謝しています。

 

勿論、身体に関わるものなので個人の好みがあります。万人にこの椅子が合うかどうかはわかりません。自分の身体には合わないという方もきっといるはずです。

 

ただ、既存の人間工学とは全く異なる発想で作られたこの椅子を一度は体験してみる価値があるとはおもいます。

尊敬する中根さんと、究極の椅子「シリオ3」。

 

 

少し話を戻しますが、私の「身体理論に基づいた椅子」とはどういうことなのでしょうか?

拙著「疲れない身体をいっきに手に入れる本」(講談社)の中で、楽に坐る方法を紹介しています。

 

『疲れない身体をいっきに手に入れる本」(講談社)より

 

 

「立つ時は、左右の足裏という二つの支持面がある。坐る時はこれにお尻というもう一つの支持面が増えて、三点で身体を支えるので身体重心は自由に変動することができ、姿勢が固まったり、疲れたりしない」というのが「楽に椅子に座る」ためのポイントです。私が椅子のことをあまり考えなくなったのはこの「三点支持」の座り方を覚えたからということもあります。

 

 

中根さんからお伺いして、まさしく椅子から転げ落ちるほどびっくりしたことがあります。

 

私が長年信じてきた「人間工学」では「座面と背もたれの間に身体重心がくる」ように椅子は設計されているというのです。これは、立位で働いている二本の足を休めることが目的とおもわれますが、実際には二本の足を「殺して」しまっていることが多いのです。

 

「立位:二点支持」→「座位:三点支持」になるはずが、「立位:二点支持」→「座位:二点(お尻と背中)支持」となっているのです。さらにいうと背中は姿勢の支持面としては有効に機能しないので、「座位:一点(お尻)支持」となり、身体の可能性を狭めることとなっているのです。身体重心の変動も制限されるので身体が固まり特定の筋肉ばかりに負担がかかります。

 

例えば、ソファのように安楽を求めるのであれば抗重力筋(背骨をまっすぐにささえる筋肉)を休める、背もたれに重さを預けるような座り方も悪くはありません。ただ、抗重力筋を弛緩させると「脳神経系の覚醒度」は下がります。つまり、背もたれに重さを預けるタイプの高機能チェアはボーとした状態でネットサーフィンをするには最適ですが、まともな思考を働かせるにはイマイチということなのです。

 

一方、三点支持で身体重心の可動性が増えると内耳神経経由で脳神経系が活性化します。集中して仕事のパフォーマンスを上げるにはこちらを選ばない手はないのです。

 

ただ、通常の椅子、特に座面が後傾しているタイプのものは三点支持が非常に難しく、むしろシンプルな丸いす(スツール)のほうがよかったりします。しかし、骨盤(お尻)の感覚が鈍くなっているわれわれ現代人にとっては固くてフラットな丸椅子の上で長時間心地よく座っていることが難しくもあります。

 

 

中根さんのつくった三脚のスツール「シリオ3」は三点支持での安定座位のエッセンスをすべて盛り込んだ究極の椅子なのです。

 

 

それにしても私が長年信じてきた「人間工学」っていったい何なんでしょうか?

現在、枕など、その他の身の回りの生活用品や住宅環境についても調べています。ボディワーク的には人間の身体にはあまり優しくない視点で設計されているものが多く見受けられます。

これからも「既存の人間工学を越えるもの」の開発を進めていく予定なので、ご興味のある方がいらっしゃいましたらぜひ一緒にやりましょう!

 

 

話がずれましたが、中根さんの三脚スツール「シリオ3」です。

中根さんは丹沢の山奥で自然と向き合いながら本当に身体に優しい椅子とはなにかを探求されており、職人というよりは研究者、そして求道者であります。

精緻かつ人間味溢れる椅子をつくる中根さん。

 

そんな中根さんの椅子を必要とされている人の手元に届けたいと願いつつ、あちこちをうろうろする日々を送っておりますが、本日11月15日発売の「アンアン」(マガジンハウス)の「カラダにいいもの大賞」で「シリオ3」がファイナリストに選出され紙面(P23)で紹介されました。

こんなマニアックなものを紹介してくれて「アンアン」さん、本当にありがとうございます!

「アンアン」11月15日発売号「カラダにいいもの大賞」。

 

なお、「カラダにいいもの大賞2017」は、私が推薦した「ドクターアーチ」が選ばれました(P16)。これ本当に気持ちいいんです。

前回の「ヒモトレ」に続いて2年連続で私の推薦した商品を大賞に選んでくださった「アンアン」さん、マニアックすぎます。本当にありがとうございます。これからもボディワークの普及にぜひご協力下さいませ!

 

大賞の「アーチドクター」。

 

中根さんの「シリオ3」は、「身長、机の高さ、使用目的」に合わせてセミオーダーで注文する形になっています。ご興味を持って下さった方は下記サイトをご覧くださいませ。注文や商品に関する質問などはサイト内にある連絡先から中根さんにお問い合わせ下さい。

https://www.yukichair.com/ 

(中根さんのサイト。連絡先はこちらにあります。)

 

 

こちらは中根さんが作って下さった「シリオベビー」。これに坐ると9ヶ月の息子は大変上機嫌になり、表情が凜々しくなります。やっぱり椅子は大事ですね。

「シリオベビー」にすわってご機嫌の9ヶ月の息子。

 

 

呼吸は「生命の息吹」。

 

 

 

 

心と体を持って生きていく上で、

「呼吸が大事」

ということに異議を唱える人はいないでしょう。

 

 

 

 

「正しい呼吸」

 

 

「いい体の動き」をつくり、

「いい精神」をつくり、

「いい人間関係」をつくる、

 

そこに「よりよく生きるヒント」があります。

 

 

 

 

では「正しい呼吸」ってなんでしょうか?

 

 

 

 

「横隔膜のこと、わかったつもりになっているけどちょっとあやしい・・・」
「結局、骨盤底はどう動けばいいの?」
「呼吸と身体の動きの関係についてちゃんと知りたい!」

 

 

 

 

 

そんなあなたの期待に応えるために、

 

 

10月16日(日)13:15~16:15

日本大学(文理学部キャンパス、下高井戸)

呼吸に関する4人の鬼が集まります。

 

 

 

 

「みんなが気になる『呼吸』のこと」

 (ソマティックの実験場2)

http://somaticjapan.org/3nd-conference2016-profile-spn

 

 

 

 

 

 

 

 

アスレチックトレーナー

杉山 幹 (すぎやま かん)  

担当:呼吸の運動学、トレーニング理論

 

 

 

「PRI(Postural Restoration Institute)」:体、特に内臓の左右非対称性に着目したトレーニングメソッド。横隔膜が左右アンバランスであることを前提とした呼吸を探求。

「DNS(Dynamic Neuromuscular Stability」:運動発達の解剖生理に着目したトレーニングメソッド。赤ちゃんの呼吸に学ぶ。

 

DNSとPRIは現在世界的に大変注目され、
日本人ではテニスの錦織選手、ダルビッシュ有選手、室伏広治選手などの
トップアスリートがとりいれていることで知られています。
 
杉山氏はこれらのメソッドを、わかりやすく、楽しく伝えることのできるです。
今回のような形で一般向けに内容が公開されることは
ほとんどないとおもいますので、皆様万難を排してジョインくださいませ!
 
 
 
 
筑波大学人間系准教授
湯川 進太郎(ゆかわ しんたろう)  
担当:呼吸の身体心理学
 
 
「心と体」のアカデミックな側面についてはお任せください。そして、武術、マインドフルネス、パフォーミングアーツの実践も行う、まさに鬼中の鬼です。
 
 
 
 
 

理学療法士、大阪芸術大学非常勤講師。

山本 篤 (やまもと あつし) 

担当:呼吸の機能解剖学、呼吸と発声

 

 

 

 

山本氏の鬼ぶりにはもう言葉がありません。

とりあえず次のイラストをみてピンときた方は必ずジョインくださいませ。

 

 

 

山本氏のブログより引用

http://ameblo.jp/mergelabo/

 

 

 

 

 

そして、

 

 

ボディワーカー

藤本靖(ふじもと やすし) 

担当:総合司会、呼吸とボディワーク

 

副鼻腔呼吸をプレゼンする藤本靖。

 

今回は3人の鬼を前に司会進行の鬼に徹する予定ですが、

そこはボディワーク界のやんちゃ坊主、

なにかとんでもないことをしでかす可能性もあります。

お見逃しなく!

 

 

 

なお、このイベントは以下の大会の
プログラムの一環として行われます。
こちらもぜひご注目ください!


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2016年10月15日(土)、16日(日)、日本大学にて、
日本ソマティック心理学協会主催による
「第3回ソマティック心理学協会大会」が開催されます。
http://somaticjapan.org/3rd-conference2016

今回のテーマは「心身医学」。

ぜひご出演の先生方をご確認ください。

これだけのメンバーが揃うことは後にも先にもないと断言できます。

 

もうこれは絶対見逃せないイベントです。
ぜひ遊びにいらしてくださいませ。

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