もうすべてがインディーズ時代とは違っていた。
トレード・マークの逆立ったヘア・スタイルは、全国区となったのだ。

もちろん、すべてがこのシングル「JUST ONE MORE KISS」一曲のみ影響ではないが、
この楽曲をプレイするバンドの姿をTV番組はこぞって放映したがったことは事実だ。

一曲のヒットが、人生においていかに大きな意味を持つかのサンプルとしては素晴らしい。

しかし、一発屋で終わるか、シーンに粘り強く残っていくかは、この後に懸かっていた。

次作にしてメジャー3作目のアルバム『TABOO』の製作にすでに取り掛かろうとしていたBUCK-TICKは、
このヒット曲のおかげでまたもやスケジュールはびっしりと詰まっていたという。

さらにバンドには、『TABOO』の製作時間に加えて、全国ツアーを回る
【SEVENTH HEAVEN TOUR】も敢行していた。

まるで右も左も判らなくなる位のスケジュール。

そんな中で確実に演奏技術等の向上とともに、
メンバーの中ではクリエイティヴな部分が発露していく。

次はこんなモノを作りたいという欲望がメンバーの中に充満していったのだ。
特に、この時期、櫻井敦司は明確に次のアルバムのコンセプトを頭で描いていた。
これこそ創作意欲というものだろう。
それを今井寿は統一感を持って表現を試みる。

彼等は向かっていたのだ。
そう、今までとは一味違うBUCK-TICK独特の世界観への入り口へと…。




映像はTV番組『ミュージック・ステーション』。
TVの中でもBUCK-TICKの出演の多い同番組でだった。
ステージでの演出“赤いバラ”は、このバンドにピッタリだ。






JUST ONE MORE KISS (5:04)
 (作詞:ATSUSHI / 作曲:HISASHI / 編曲:BUCK-TICK)


DREAM & DREAM 胸に刻む
SLOW MOTION 一夜の夢
JUST ONE MORE KISS 横顔はまるで 刹那の美貌
JUST ONE MORE KISS むせ返る香り
薄れゆく意識だけが…

NIGHT & NIGHT 人は踊る
ILLUMINATION やがて眠る
JUST ONE MORE KISS 抱き合えば そこは架空の都
JUST ONE MORE KISS 爪立てた腰は
はかない恋に揺れて…

天使のざわめき 悪魔のささやき 月夜に甘いくちづけ

キラメキは届かない つぶやいた
I WANT YOU TO LOVE ME
I KNOW YOU LOST YOUR HEART もがき続け

トキメキは返らない 愛してる
I WANT YOU TO KILL ME
GOD KNOWS I LOST MY HEART 叫び続け

AH-AH ONE MORE KISS......

JUST ONE MORE KISS 横顔はまるで 刹那の美貌
JUST ONE MORE KISS むせ返る香り
薄れゆく意識だけが…
JUST ONE MORE KISS 抱き合えば そこは架空の都
JUST ONE MORE KISS 爪立てた腰は
はかない恋に揺れて…

天使のざわめき 悪魔のささやき 月夜に甘いくちづけ

キラメキは届かない つぶやいた
I WANT YOU TO LOVE ME
I KNOW YOU LOST YOUR HEART もがき続け

トキメキは返らない 愛してる
I WANT YOU TO KILL ME
GOD KNOWS I LOST MY HEART 叫び続け