間違いだらけのライブ・コンサート会場での双眼鏡選び 2012/09/17追記・改訂 | 決して彼等のようではなく

間違いだらけのライブ・コンサート会場での双眼鏡選び 2012/09/17追記・改訂

初稿 2010/11/15
追記・改訂 2012/9/17
タイトル変更 2012/10/19



糞生意気な女子大生に、「先日、21年ぶりに東京ドームでライブ見た」と話したら、
「私の生まれる前」などと、受け入れがたい事実を言われたyassです、みなさんこんばんは。

(ちなみにこれは2010年11月、Perfumeの東京ドームでのライブのことです。)

そのドームでのライブ、良かったです。
天井が幌状(人工繊維)になっている上、平面的な形状なため、
音が反響遅延する東京ドームですが、
その点はモニター(スピーカー)を会場の四方に置くことでかなり解消されていました。
ただ、そのモニターの数が少なすぎて、
会場のキャパに対して力不足だったのが、ちょっと残念でした。



さて、ここまで大きな会場のライブにもなると、スタンド席からはアーティストは米粒。
せっかくライブを見に来ているというのに、
大型スクリーンでアーティストの表情を確認するというのは、なんとも本末転倒。
そこで威力を発揮するのが、双眼鏡ですよ。
スクリーンを通してみるのと、双眼鏡越しとは言え肉眼で見るのでは、感激度が全く違います。

今まで使っていた双眼鏡が、経年劣化によりグリップのラバーが変質し、
ちょっと触れない状況になったので、2010年10月に新調しました。
そこで双眼鏡を選ぶにあたって、
価格.comや通販サイトのレビューなどを参考にしようとしましたが、
ほとんど参考になりませんでした。
世の中、あらゆるもに対してマニアはいるようで、双眼鏡もマニアによるレビュー多し。
やはり俺と同じようにライブ会場で使いたいという相談者に対して、
マニア達が回答しているのですが、どうもその回答が一般向けでない。
しかも、どれも似たような回答。

回答の例を挙げてみると、

・倍率は4倍から8階程度、それ以上は手振れが激しくなり見られたものじゃない。
・ズームタイプの双眼鏡は画像が暗くなる上に、倍率が高いから手振れで使い物にならない。
・ホームセンターなどで売っている数千円程度のものは、レンズの性能が悪く目が疲れる。

など。

これ、確かに正しいんだけど、それは、描写性能最優先で考えた場合の話で、
ライブでアーティストの表情を確認する程度で、そこまでの高画質が必要か?
という疑問がすぐにわく。
それに、ライブで長時間双眼鏡を覗っきぱなし、という使い方は普通はしない。
しかも、多くの相談者は1万円程度の予算で考えているのに、画質云々もないだろう。
これでは、軽ミニバンを求めている人に、
ミニバンは走りが悪いからといってスポーツカーを薦めているようなもの。
これでは、的確なアドバイスとは言えない。
人それぞれの用途にあったものをおすすめするのが、ベストアドバイスだと思う。


そこで、ライブやスポーツ観戦での、俺的な双眼鏡のお勧め条件を書いてみる。
普通の人が持ち運ぶ事を考慮して、コンパクトタイプのみで考えてみたい。


1.ライブハウス
  キャパ1000名前後程度なら、普通は双眼鏡はいらないだろうが、
  席が後方、あるいは、ひょっとしたら弱視などで使いたいと思う人もいるかも知れない。
  このクラスの会場で使うなら、4倍程度のいわゆるオペラグラスで充分だ。
  ただしあまりにも安いものはレンズ周辺部の像が歪んでいたり、解像度が低かったりして、
  光学性能が劣るため、非常に目が疲れやすい。
  それを嫌うなら、ちょっと値は張るが、
  名の知れたカメラメーカー製(ニコン、ペンタックス、オリンパス)のものを。
  ちなみに、これは高倍率なモデルでも言えることです。
  

4倍クラスの俺的お勧めモデル。


$決して彼等のようではなく-遊

ニコン・遊 4倍 (Amazonで12,000円前後)
http://www.nikonvision.co.jp/you/index.html

超コンパクト双眼鏡。オペラグラス感覚で使えるのがポイント。
双眼鏡には珍しいおしゃれなデザイン。ちょっと値段が高いけど。
  



2.コンサートホール
  どこの地方都市でもあるキャパ2000名前後のホールなら、席の位置にもよるが、
  4倍から8倍程度のものを。実際のところ、よっぽど後方の席でもない限り、
  4倍でも表情は確認できる。8倍だと寄りすぎて使いづらいことがある。
  キャパが3000名を超えるような大ホールになると、席によっては8倍がいい。
  武道館の2階席以降なら8倍~16倍程度のものを。


6~8倍クラスの俺的お勧めモデル。


$決して彼等のようではなく-ミクロン

ニコン・ミクロン 6倍 (Amazonで20,000円前後)
http://www.nikonvision.co.jp/products/binoculars/highclass/mikron_x15.htm

ミクロンは、6倍のシルバーモデルと7倍のブラックモデルがある。
クラシカルなデザインが、所有する喜びを与えてくれる。
ちょっと値段は高いが、このデザインに価値を感じるならお勧め。





$決して彼等のようではなく-タンクローWP

ペンタックス・タンクローWP (Amazonで9,000円前後)
http://www.pentax.jp/japan/imaging/binoculars/tanc/wp/index.html

8倍クラス双眼鏡の定番モデル。特にこのWPは、
まるごと水洗いできる、JIS保護等級6級相当・水洗い防水形(1m防水)の防水機能が売り。
雨の屋外で安心して使えるのも良い。他に10倍もある。




3.アリーナ・スタジアムクラス
  このクラスのライブともなると、メインステージの他に、
  花道を作りセンターや四方にステージを作ることも多い。
  最も遠いスタンド席からメインステージを狙うなら最低16倍は必要。
  できたらこれ以上の倍率が欲しい。
  同じくスタンド席からセンターステージや、最寄りの花道を狙うなら、8倍程度で。
  倍率が高くなると手振れも拡大されるので、使用時はおちつくこと。
  マニアの人達はこれ以上の倍率は手持ちでは使えないとする人が多いが、
  落ち着いて使えば、表情は充分確認できる。
  足は肩幅程度開き、双眼鏡を持つ手は脇を締める。
  使い方さえマスターすれば、20倍前後程度までは実用になる。
  ただ、高倍率な双眼鏡は極めて用途が限られる。
  そこで、最大25倍程度までのズームタイプをお勧めしたい。
  カメラメーカー製のものなら、光学性能もマニアが言うほど悪くない。
  これ以上の倍率があっても、これはマニアが言うとおり、手持ちでは厳しい。



8倍以上クラスズーム双眼鏡の俺的お勧め。



$決して彼等のようではなく-タンクロー ZOOM II


ペンタックス・タンクローZOOMⅡ (Amazonで12,000円前後)
http://www.pentax.jp/japan/products/binoculars/tanc/zoom2/index.html

8~16倍ズーム双眼鏡。武道館クラス以上の大ホールなら、このくらいの倍率があると安心出来る。
ただスタジアムクラスだと、ステージが席から遠いと表情の確認はちょっと厳しいかも。
ズーム式としては非常にコンパクトで、レンズ設計もしっかりしているので安心して使える。




$決して彼等のようではなく-ACULON(アキュロン)T11


ニコン・アキュロン T11 8-24倍 (Amazonで13,000円前後)
(イーグルビューと同等品で、2012年8月にコストダウンしてモデルチェンジしました。)
http://www.nikonvision.co.jp/products/binoculars/compact/aculon_t11.htm


8~24倍ズーム双眼鏡。
東京ドームのライブということで、俺はこれの前機種、イーグルビューを購入。
8倍域では、通常の8倍固定のコンパクト双眼鏡と比べて画質・明るさとも全く遜色なし、
24倍域では、若干暗くなりコントラストも落ちるものの、
暗い客席の観客の顔も、ステージの照明からの明るさで充分認識できるレベル。
ステージは照明が当たっているから全く問題なし。
しかも思いのほか画質が良いではないか。

誰だ、ズーム機が使えないなんていっているヤツは。

確かに手振れは大きくなるが、落ち着いて使えば表情は充分確認できる。
俺がいた席は、2階じゃがいも1塁側スタンド、
メインステージはセンター深く、バックスリーン手前で、
24倍でも表情を捉えるのは難しかった。
セカンド付近にあるセンターステージでは、24倍で全身がいっぱいに映り、
あーちゃんの涙表情も良く確認できた。

なお、ズーム機で注意する点として、8倍域と最高倍率域で、
フォーカス(ピント)位置がずれる。8倍域でフォーカスを合わせても、
そのままズームするとフォーカスがずれて、再度フォーカス合わせをする必要がある。
常時ズームを動かすような使い方には向かないです。
あらかじめ見る位置を決めておき、ズーム位置・フォーカスとも固定した使い方がベスト。
俺の場合、ドームクラスのスタンド席なら24倍固定で使ってます。


さて、ここまでお勧めを書いてきましたが、
その他双眼鏡選びの注意点として、眼鏡使用の場合、
接眼レンズと目の位置が離れることによる、視野欠けが起こるものがあります。
これは、実際に使ってみなければわかりませんので、
双眼鏡売り場で試すことをお勧めします。
ハイアイポイントと表記されているものは、
眼鏡使用を前提に設計され、視野欠けが起こりにくいです。

その他、双眼鏡のスペックの見方ですが、
通常双眼鏡には、8×25などとかけ算のような表記されていますが、
これは、倍率×対物レンズ有効径を表しており、
上記の場合、倍率8倍、対物レンズ有効径25mmと言うことです。
対物レンズの有効径とは、対物レンズの大きさと考えてもらって差し支えありません。
これが大きければ大きいほど、明るく鮮明な画像が得られます。
ただし、大きく重くなる欠点があります。
コンパクトタイプなら、大きくてもせいぜい25mm程度。

あとは、ひとみ径、明るさなどのスペックがあり、数字が羅列してありますが、
この数字が大きければ大きいほど良い、と思ってください。
目安として、有効径25mmのコンパクトタイプなら、
ひとみ径3.0以上、明るさ9.0以上あればかなり優秀な数字です。



他の双眼鏡口コミサイトのアドバイスが、あまりにも参考にならなかったので、
自分で書いてみました。
みなさんの双眼鏡選びの参考になれば、これ幸い。





※なお、記載した製品のAmazon価格は、2012年9月17日現在のもので、
あくまでも参考程度でお願いします。
価格は常時変動しますので、ご自身で確認して下さい。