謝辞
ボーイスカウト京都第六十五団の創立五十周年記念式典にあたり
団を代表して、団小史と感謝と再生についての
言葉を述べさせていただきます
記念式典開催にあたり 篠田京都連盟副連盟長はじめ
京都連盟の役員の皆様 そして発団以来共に歩ませて頂いた
旧洛東地区の皆様、そして 京都の神社スカウト団の皆さまに
ご臨席を賜り厚く御礼申し上げます
又 六十五団の先輩諸兄には
ご多忙の中・遠方からもご出席いただきありがとうございます
昨年の新嘗祭で野村宮司から「祈り」「感謝」「再生」の
お話がありました
これらの言葉は私たち八坂神社を母体とする
ボーイスカウト京都第６５団への励ましの言葉であると
私は受け取りました・・
祈り
私たしスカウト運動の目的は何なのだろう・・
明確な信仰心を持つこと・・
すべての人々が安穏に過ごせる世界を建設しうる人間
他者への慈しみの心と他者からの発想・・・
これらが「ちかい」の原点・・
感謝
I will do my best Daily Good Tum
我々が今あるのに
どれだけ多くの人々と資源のお世話になってしまっているのか
再生
我々が取り組むべきことは
未来へ向けて一歩づつ歩み続けること
吉川英治さん作詞のこのような歌があります
♪ ここは心の故郷か
そぞろまいれば旅心
うたた童に帰るかな 帰るかな〜〜
発団式で 高原宮司が喜びの言葉を述べておられます
先年伊勢に行った時に
内宮のほとりで神社関係のボーイスカウトの集まりがあった
そこへ行って寂しく思ったのは その頃 京都府神社関係の
ボーイスカウトがなく 他府県の神社関係のものばかりで
あったことです
是非八坂神社で組織したいと思っていましたが
なかなか出来なかったのが
今回八坂神社青年会の肝煎りで出来
長年の胸のつかえが取れた思いがいたします
世間なみの仲間入をしたというので嬉しいのではない
ボーイスカウトが全世界の各国で立派な成績を
上げているのに倣って
京都でも大きな貢献をすると思うからであります
又、昔の若者組が明治に青年団となり 今は青年会となり
時とともに新しい世の中にふさわしいものとなったが
子供組もボーイスカウトとなり 今新しい世の中に
ふさわしい活動をすることになったことが嬉しいのです
それとともに一言したいのは 昔の子供組が祭礼を中心とし
敬神の念を持っていた伝統をもうけついで行ってこそ
世界のボーイスカウトに恥じぬものとなることです
西欧では宗教心がすべての人にしみこみ
キリスト教によって民主主義が育った
日本では神社が民衆と離れぬものであった
八坂神社にボーイスカウトができた以上
敬神の念を持って
日本におけるボーイスカウトの規範となる
覚悟をせねばならぬ
諸君お自覚と努力を願って発団式のよろこびの言葉とする
高原宮司の意を受けて
昭和四十五年八坂神社青年会の諸兄が
中心となって八坂神社スカウト団の創設に取り組まれ
十二月には八坂神社ボーイスカウト準備団が発足
その年の十二月には京都第五団の集会に参加
吉岡ボーイ隊長の指導を受け初級章取得に取り組む
一方
東山地区の土倉地区コミッショナーや近藤地区委員長の
支援を受け登録準備を進め
昭和四十六年三月三十一日に
京都連盟の加盟登録審査を受け 日本連盟より
「日本ボーイスカウト京都第六十五団」名で
加盟登録証が発給される
昭和四十五年（1971年）五月三十一日に八坂神社で
発団式が挙行される
育成会長／高原美忠八坂神社宮司
団委員長／鈴木日出年八坂神社権宮司
ボーイ隊
隊長／中村道男 副長／遠藤明様 副長舗／山岸信一 寺村貞之
はやぶさ班／林豊之 仲隆史 藤木久也 奥平昌宏
上野保美 大野逸平 橋本光行
コブラ班 ／高松健治 塚原誠一 岡田昌久 福島繁
宮下久也 山盛博司 大西泰輔
大阪の高津宮の参道の門柱に
仁風敷宇宙＜ジンノカゼウチュウヲシク＞
徳化洽乾坤＜トクカケンコス＞
思いやりのある風が宇宙に満ち溢れる時
人を想う慈しみの心は行動となって天と地に広がる
この言葉は古来より日本人が大切にして来た
この国の国柄と日本人らしさを表しています
第一回世界ジャンボリーに参加した下田豊松先達が
考案した我が国最初のスカウト章は
三種の神器をモチーフにしたもので
「鏡」「剣」「勾玉」に意味がありそれが重要です
「勾玉」はスカウトらしさ つまり
スカウト運動のコンセプトを
内包する象徴として大切にされています。
conceptは conception=胎児に由来する言葉で
過去の概念にとらわれず
数えきれない多くの人々の血を受け継ぎ
そのDNAを次代の人々に引き継ぐのが
胎児であり その姿が勾玉の形です
スカウト運動には大切な役割があります
私たちの目的は 日本人らしい若者を育て
この国の建設と世界の平和に寄与し得る
人々を世に送ることであり
その目的を達成するための「手段」として
スカウト運動を選択しました
多くのことと同様に長くそのことに関わると
手段が目的となり真の目的が見失われます
それを防ぐためには「代替」が必要です
幸い私たちの団は
今回五十周年を準備し
この式典を進めてくれている
「ベンチャー・ローバー」が育ち
未来に向かって一歩づつ歩み始めています
今後とも皆様のご指導とご支援をお願いいたします
特に団の先輩諸兄には
六十五団で得た「縁」を温める
時と場を持っていただき
「後輩」の応援をしていただければ
大変嬉しく存じます
長々と私の思いを語らしていただきました
本日は大変ありがとうございました
令和六年二月二十五日
日本ボーイスカウト京都第６５団
団委員長 寺村貞之