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美容師としゃべりたいですか? ブログネタ:美容師としゃべりたいですか? 参加中

『おい、お前は床屋で一切口を開かないらしいな?』

当たり前だろ。
歯医者じゃねえんだから。

『しかしだな、人と人との関わりというのは…』

なんでこっちが気を使わなきゃならないんだよ。
黙っていてくれた方が、俺は居心地いいの。
そもそも、向こうは刃物を持ってるんだぜ。
手元が狂ったらどうするんだよ。

『お前がどんな風に髪を切られるのか、ちょっとやってみるか』

小芝居の始まりか?

『お客さん、どんな感じにします?』

短くしてくれ。

『さすがの俺でも、長くは出来ねえもんなあ』

当たり前だろ!

『全体的に詰める感じでいいですかね?』

それで頼む。

『指も?』

俺が何をしたってんだよ!

『ジョークですって』

口より手を動かしてくれ。

『お客さん、明日も晴れますかね?』

知るか。
俺は森田さんじゃねえんだから。

『晴れなきゃ雨ですかね』

知らねえって言ってんだろ!

『怒らないで下さいよ、ただの世間話なんですから』

そんなどうでもいい話はしないでくれ。

『じゃあ真面目な話、さっきから私のお腹がゴロゴロしてるのは食あたりですかね?』

知るか!

『お昼に食べたのは、ラーメンですけど』

メニューなんて聞いてねえよ!

『玉子が腐ってたかな?』

なら匂うだろうが!

『さっき吐いたタンに、少々血が混じってたんですが…』

仕事してる場合じゃねえだろ!
病院行けよ!

『へい、ではお言葉に甘えて…』

俺の頭を途中で止めるな!

『お客さんの頭も血だらけだから、一緒に病院行きましょ』

手元狂いまくりかよ!