三河みりん | 20年3月までの野郎飯・前サイト(記事置き場)

20年3月までの野郎飯・前サイト(記事置き場)

2020年4月1日より野郎飯は、こちらのサイトで新たに運営を行ってまいります。https://yaromeshi.com/

味醂を軽んじるなかれ。
味醂1つで、料理は大きく変わります。

味醂は、蒸したもち米、米麹、焼酎等のアルコールが原料で、
40日~60日間かけて糖化・ 熟成させ、糖類、アミノ酸、有機酸、
香気成等の成分が複雑に折りなって出来る調味料。

簡単に言えば、【米のリキュール】と言ってもいいかもしれない。

酒税法等や流通の関係で、「みりん風調味料」なんてものがあるけれども、
僕的には、そういう調味料は大嫌いでね。
(第一、そのまま飲めないものが何故調味料として使えるか理解出来ない!)
旨味や効果も全然違いますから、ちゃんと【本味醂】を使って欲しいと思ってます。
その中でも、やはり僕としては地元という事もあり、【三河みりん】が最高だと自負しています。

味醂の効果は、
○ブドウ糖やオリゴ糖などの多種類の糖類から来る上品で深い甘味が得られる。
○他調味料では絶対に得られないテリとツヤが得られる。
○煮崩れを防ぎ、食材からの旨味流出を防ぐ。
○複雑な旨味成分から来るコクが得られる。
○分子の細かいアルコールにより、旨み成分のアミノ酸や有機酸・糖類等の味がしみ込みやすくなる。
○臭みをとる働きもある。

と・・・いい事が沢山あるのです。
(みりん風調味料でも似た効果は得られますが、アルコールが入っていないので甘味とテリ・ツヤ位しか得られないです。そもそも、厳密に言えば味醂ではないですから)

よくよく「え?」と言われますが、前述したように、
味醂は【米のリキュール】みたいなものなのです。飲めます。むしろ飲むべきです。
我が田舎では、正月の屠蘇を【三河みりん】で作ります。
(好みに寄って、旨い純米酒も割りますが・・・)これがまた旨い。
あと、是非試して頂きたい飲み方は・・・【本直し(柳陰)】
味醂:米焼酎を1:2(薄めがいいなら3)で割っておいて冷やして飲むカクテルみたいなもんです。
現在では廃れていますが、真っ当な味醂と真っ当な焼酎さえあれば、凄く旨い飲み物です。
(機会あれば、これについては別途書きます。)

さて、そんな【三河みりん】ですが、本格的なものはやはり【蔵癖】というものがありまして、
同じ味醂でもだいぶその表情が違うようです。
今回は、僕がよく使う三河みりんを3種、ご紹介します。

【三河みりん(角谷文治郎商店 )】

僕が一番よく使う味醂です。
深いコクと旨味が一番得られる感じがします。
勿論、飲んでも旨いです。一番パワーを感じます。

【九重櫻(九重味淋 )】

日本最古の味醂メーカー、九重味醂。
歴史の重み・風格あるメーカーながら、
その味はマイルドで華やか。
料理に強弱をつけやすいかもしれません。

【愛桜・純米本みりん(杉浦味醂 )】

野郎飯~yaro-meshi!~-sugiuramirin
上記2つの味醂と大きく違うのが、
仕込みに『米焼酎』でなく『粕取焼酎』を
使っている点。ほんの少し個性的な味わいですが、
料理を「キャラ立ち」させるにはもってこいかも知れません。

味醂1つとっても、いろいろとありますので。
是非みなさんも、沢山使ってみて飲んでみて下さい!