司会(敬称略)

辛坊治郎

 

パネリスト(敬称略)

三宅久之、志方俊之、田嶋陽子、飯島勲、桂ざこば、勝谷誠彦、宮崎哲弥、夏川純

 

ゲスト(敬称略)

木村政昭(琉球大学名誉教授)、ロバート・ゲラー(東京大学教授)、井上和彦(軍事ジャーナリスト)

 

今週の「委員会」は「委員長なしでも委員会I? ニッポンの危機管理スペシャル」と題し、日本の防衛、地震予知について議論した。以下、テキトーな簡単なまとめ:

 

防衛について

  • (志方氏)核兵器に関しては、日本は米の核の傘に入っているが、通常戦力においても自衛隊が小さすぎるため、米に頼らなければならないこともある。小さすぎる理由は防衛予算をGDP1%以下に抑えているため。軍事大国になる必要はないが、イタリア、フランス、ドイツの防衛予算はGDP2%弱を予算に充てている
    • もっとひどいのは、自衛官の子どもの子ども手当ては防衛費に含まれており、子どもを生むと人件費が増えるから生むなといわれていること。人件費が増えると、その分装備が減らされるというおかしなことが起きている
    • なぜ自衛隊がバングラデッシュに守られなければならないのか、そこを論ずるのが政治の役割
    • (辛坊氏)軍隊を出しておいて、軍隊に守ってもらうのでは意味はない
    • (三宅氏)防衛費がGDP1%と定められたのは三木内閣のときで30年以上前。防衛大臣や法務大臣は在任期間が短くて、とかげの尻尾きりのようにしょっちゅう切られる。外国とは違って日本の防衛大臣は吹けば飛ぶような者ばかりが就任する
    • 北朝鮮は日本の防衛大臣はポンスケだから自衛隊の士気が下がっており、お気の毒だと放送している。北に同情されるようになったら絶望的

 

  • (三宅氏)野田総理の方向性は支持するが、人事はほんとダメ
    • (宮崎氏)渡辺周氏を昇格させるべき
    • (飯島氏)官邸と各省庁の足並みが揃っていない。パネッタ米国防長官が野田総理と玄葉外務大臣に会い、その後、一川防衛大臣とパネッタ米国防長官が会見することになっていたが、直前に外務大臣が全部しゃべるなんてことが起きた
    • 基地の問題もそう。外務大臣がしゃべるのは勝手だが、地元対策や説明するのは防衛省の仕事で、外務官僚は関係なく、口が軽すぎる。防衛省の制服組は世界トップクラスだと思うが、内閣の組織がちゃらんぽらんなのが心配
    • (宮崎氏)似たような話で、以前イランから輸入する石油を削減する話があったのだが、安住財務大臣が勝手に言ってしまって、枝野氏や玄葉氏が聞いていないといい、「内閣では意思統一ができていない」と訂正したことがあった。あれ1つ見てもこの内閣の統治機構はおかしくなっていることがわかる
    • (勝谷氏)普天間の問題でも外務省による暴走に次ぐ暴走が起きている。外務省が暴走して防衛省に情報が入ってこない。外務省が利権にしようと企んでおり、官僚に対するガヴァナンスが機能していない

 

  • (三宅氏)普天間飛行場がある宜野湾市の市長選挙で、沖縄防衛局長が棄権をしないようにという講和をした件だが、講和したことはともかく、棄権しないようにということが大問題として扱っていることに疑問を感じる。マスコミの論調は「とんでもない失言」だが、選挙で棄権をするなということのどこが問題なのか
    • (飯島氏)こんなのでは更迭できない。「明るい選挙運動」と同じ
    • (勝谷氏)田中防衛大臣は件の局長のクビを切ったらかっこいいと思い、暴走しそうになったが、官邸が慌てて止めた。理由はブーメラン効果を恐れたため。公務員が選挙活動をしたことで処分されるという前例ができると、公務員の身が危うくなるため。公務員の支持母体である自治労なんて選挙活動ばかりしている
    • (三宅氏)大阪市長選挙では大阪氏の職員組合が「平松さんに投票しないと不利益になる」という文書を渡していた。あれは組合による恫喝
    • (勝谷氏)さらに日教組はお友達紹介カードをつくって、教師全員に配り、電話をかける名簿をつくった。僕の読者が証拠を写真に撮って送ってくる
    • (志方氏)自衛官は政治に関与しないと宣誓する。イチ自衛官ができるのは一票を行使することだけ。だから「絶対に棄権するな」という訓話はするが、選挙が10日後に迫って、固有名詞が出ているときに通常はすべきではないし、しないのが公務員というもの。法律には違反していないかもしれないが、常識的ではない

 

  • (志方氏)尖閣にオペラハウスを造って、田嶋さんを館長にするのはどうか
    • (三宅氏)日本が静かになる
    • (辛坊氏)いいですね。いついっても田嶋さんの声が聞ける
    • (志方氏)中国人も来なくなるw
    • (田嶋氏)バーカ

 

  • (井上氏)日本における防衛の問題点は軍人は一流だが、政治や官僚は最低だということ。田中大臣はあんなおそろしい嫁さんを前にして防衛一辺倒の専守防衛をやっていたので、少しは自衛隊のことは理解していると思ったら、専守防衛の自衛隊のことは全然的外れで、単なる「亭主防衛」だった
    • 南スーダンに自衛隊をPKOで派遣する際、自衛隊の武器使用を緩和して国際標準にしようとしたら、田中大臣は国会で矢面に立って答弁するのがいやだったので、先延ばしにしてしまった。要するに自衛官の命を守ることよりも自分の政治生命を守ることを優先した
    • その前の北沢氏だって最終的に「よく勉強されている」といわれるようになり、評価が高かったが、勉強していることで評価されることがそもそもおかしい。本来であれば、着任当初から防衛に関する知識を身につけていなければならない。中国や北はミサイルを発射する前に防衛大臣に「お勉強は済みましたでしょうか」と聞いてくれるわけがない
    • 防衛大臣に適任なのは総務大臣政務官の森田高氏。渡辺周氏もいい
    • 防衛大臣を決める際、いろいろな名前を政治記者から聞いた。たとえば、羽田元総理の息子の羽田雄一郎氏。政治記者によると、彼が浮上した理由は輿石氏が参議員だから、大臣も参議員であるべきだから。ところが、北沢氏が文句をいうから長野県の人にしろということになり、白羽の矢が立ったのが羽田雄一郎氏だった。こういう馬鹿げたことが政治の場で行われている。あのシーラカンスをなんとかしなければめちゃくちゃになっちゃう

 

  • (飯島氏)渡辺周氏を評価しているようだが、そうは思わない。なんだかんだいっても大臣は田中氏。後ろで防衛副大臣はさも「俺がいるんだ」みたいにカメラに写る状態ででしゃばるバカはいない。だから官僚が嫌う
    • (井上氏)大臣を支える官僚もど素人集団。彼らの知識がないがために、いろいろな問題が起きてきている
    • (勝谷氏)背広組で一番大きな問題は調達。こないだも三菱電機なんかで粉飾が出たが、パーティーに出ると多くの防衛産業関係者が集まる。調達はもっとオープンできないのか
    • (志方氏)制服組はあまりお金はいじらない。昔は背広組が大蔵省、通産省や外務省から来た者がおり、誤解していると思われることもあったが、今は防衛省で採用された者が上層部を占めているためよくなった。また、制服組には国会対策や予算などをやっている時間はない
    • ヴェトナム戦争で使用されたF-4ファントムを自衛隊はまだ使っている。米ではF-4ファントムはすでに博物館入りしているぐらいの古いもの。こういったことの改善に予算を投入すべき
    • (井上氏)予算の取り方でも財務官僚に押しまくられている。東日本大震災では自衛隊が救助活動をうまくやってしまったが、10.7万人の隊員がうまくできたのは人口過疎地で震災が起きたから。もし都内で直下型の大地震が起きたらとても対応できない。そんな状況にありながら、10年連続自民党時代から防衛費を削減している。109人の自衛官の増員すら認めないということまで起きている

 

  • (三宅氏)今の民主党の中では渡辺周氏や長島昭久氏。この2人は民主党とは思えないくらいしっかりしている
    • (飯島氏)たしかに渡辺周氏や長島昭久氏は優秀だが、それ以前に官邸が一体の体制ができていないから集中的に問題が起きている

 

  • (井上氏)普天間問題で米軍が気にしていることは中国によるスパイ活動。嘉手納基地の外に「安保の見える丘」という米軍基地がまる見えになっている場所があり、国道58号線越えに道の駅という施設を造ってずらしたのだが、今度はそこに双眼鏡があって米軍基地がまる見えになっている。そこには軍用機マニアがいるのだが、中国の工作員が日当1万円を払って飛行機の写真を撮らせている。野球選手の顔を映すカメラを使用すればパイロットの顔や航空機の細部まで撮れる
    • 沖縄の地元の元記者から聞いた話しだが、1/17/2012には沖縄の不動産会社が上海に行ってセミナーを開き、「沖縄の土地に投資しませんか。米軍基地関連の投資はもうかりまっせ」と勧誘しているらしい。国民の危機感があまりにもない
    • (宮崎氏)全国各地で日米の軍事施設の周辺の土地が中国系企業によって買収されている
    • (井上氏)日本が防衛大臣があーだのこーだのいっている間に中国による「無血占領」は着々と進行している。海外では軍事施設周辺の土地は容易に買えない

 

  • (志方氏)政治に必要なのは政治感覚と国家観の両方
    • (宮崎氏)国家観にはいろいろな解釈があると思うが、「自分の国は自分で守るという原則に立ち返る気概」だと思う。「国に危機が生じたときに自分は戦うか」という質問を全世界で尋ねたが、Yesと答えた割合がもっとも低かったのは日本
    • (勝谷氏)国を守ることは自分の家族や愛している人を守ることだが、そこからも逃げているのが日本人
    • (井上氏)自ら立ち上がって守ろうとしなければ米軍だって守ってくれない

 

蛇足

  • とりあえず国民から寄付を募って、尖閣に田嶋さん専用のオペラハウスを建てよう。名前は「ヨーコハウス」でも「友愛の家」でもなんでもいいw

 

続きはその2をご覧下さい。