6/11/2011に100万人規模の脱原発デモが全国で行われたようだが、参加された方々は以下の点を理解しているのだろうか:
- 大気汚染はチェルノブイリで起きた事故よりも人体に害を及ぼす
- The
Guardian
が報じているように、チェルノブイリ原発事故で3人が即死、30人が急性被ばくで死亡。最終的には16,000人が欧州で事故による健康被害で亡くなった
- 英国政府のRoyal
Commission on Environmental Pollution(環境汚染委員会)による2007年のレポートによると、毎年24,000人が英国内で大気汚染による影響で亡くなっている
- 24,000(英国だけ)>16,000(欧州)という絶対値の差もあるが、限られた英国という欧州の一地域という点にも注意
- チェルノブイリ事故で胸部X線に換算して12,000回分の被ばくをしたが、死亡率の上昇は1.0%ポイント
- 前述の2007年のレポートによると、英国で最も大気汚染がないとされるInvernessであっても大気汚染による影響で心臓病や肺がんによる死亡率が2.8%上昇する
- タバコはチェルノブイリで起きた事故よりも人体に害を及ぼす
- 前述の2007年のレポートによると、喫煙者と生活した場合、死亡率は1.7%ポイント増加
- 日本のレストランや喫茶店では喫煙が未だに禁止されていないところが少なくないが、なぜそうらないのか。放射線と同様、受動喫煙を拒否する選択肢がない場合も多いが
- もちはOKでもこんにゃくゼリーはダメに似ていないか
- 人間は放射線とともに日々生活している
- The
New York Times
の記事にあるように、米国政府のEnvironmental
Protection Agency(環境保護局)によると、人間は普通に生活していても年間3mSv浴びている(原文はremが単位として使われているが、1remは
0.1mSvに当たる)
- 脱原発をすると死亡者数はかえって増える
- The
Wall Street Journal
が報じているように、①2010年だけでもニュージーランドの炭鉱で29人が死亡し、②メキシコ湾岸の事故で11人が死亡、③メキシコのパイプラインの爆発で27人が死亡
- さらに同記事によると、中国は炭鉱で毎年死亡者が出ており、20,000人亡くなった年もある。以前の記事
- 電力不足になると、企業の海外移転が進み、雇用が減り生活苦で自殺者が増える
- 原発反対は結構だが、代替案は出すすべき。そんなテキトーでいいのか。少なくとも再生可能エネルギーは短期的なソリューションにならない
- 火力は前述の大気汚染を悪化させ、死亡者数を増やす。今度は脱火力デモが起きたりして
- コモディティー価格の高騰もあり、電力価格の増加も避けられない。世界一高い電気料金で日本企業の競争力がさらに低下(原子力のコスト計算にも問題があるが)
- 最悪のシナリオは宇沢弘文氏のような人物がノーベル経済学賞とって影響力を増し、原発禁止。火力禁止。自動車禁止になってしまうこと。TPP禁止が一番の打撃かw
TVや新聞の報道に惑わされず、Webも用いて情報を集め、放射線を正しく恐れることができるよう教育システムを改善する必要がありそうだ。
また、脱原発を果たしても電力不足で医療機器が動かせず、身内が亡くなることもあるかもしれないし、産業の空洞化を招くかもしれない。脱原発論者にそこまでの覚悟があるのか見物だ。