1 過去の思い出
――メガゲロがベリーちゃんに告白した時のこと。
メガゲロは、みんなが酔ってるなか、酔ってないベリーちゃんに・・・・・・
「ベリーちゃん・・・・・・・」
「ん?メガゲロくん、何?どうしたの?」
「あの、ぼく、ベリーちゃんのことが・・・・・・」
「あたしのことが?」
「好きなんですっ!」
「ちょっと待った~」
すると意外とお酒に強いスカイくんがちょっと待ったと来た。
「ぼくの方が、ベリーちゃんのこと、大好きですぅ。」
「ちょおぉとまったあぁ。」
最後にまくゲロが、
「ぼくのほうがあぁ、ベリーちゃんのことぉ愛してますぅ!お酒は少し強いけどぉ、ベリーちゃんには弱いんですうぅ。」
「ぼく!」
「ぼくの方が!」
「いや、ぼくだぁ。」
「あたしは・・・・・・あたしは・・・・・・あたしが好きなのは・・・・・・・す・・・・・・」
「す?ってことは・・・・・・スカイくんなの?」
「す・・・・・・好きなのは・・・・・・メガゲロくんなの・・・・・・」
「え?本当?やったー!」
――あの時、メガゲロはベリーちゃん争奪戦で見事勝利。でも、今、メガゲロとベリーちゃんはどうなっているのか。
2 ベリーちゃんとデート
メガゲロは今、かえる県中央蛙市にある、県立遊園地で待ち合わせ。
「メガゲロくーん!」
「ベリーちゃーん!」
「遊園地、楽しみなの!」
「どこ行く?」
「あたし、ジェットコースターとか得意じゃないから、ゆっくりな観覧車がいいな。」
「じゃあ、行こ!」
「ドキドキするわ。」
「ぼくがいれば大丈夫。」
すごいモテそうなしゃべり方。今までのメガゲロを見ると、こんな様子は想像できない。
観覧車担当のお姉さんが、
「はーい、乗って下さい。」
と言った。ピンク色だ。そして、真上は真逆の色、深緑だ。
二人はそのピンク色の観覧車に乗った。
「うふふ・・・・・・」
「ベリーちゃん、ぼく、ベリーちゃんのこと、だあい好きだよ。」
「あたしもよ。」
二人はとてもいいムード。
「ねえ、メガゲロくん、今度、映画の『一つの心』、見に行きたーい!」
「いいよ。ぼくが、おごってあげる。」
『一つの心』という映画は、かえる県だけの公開の映画だ。来るお客さんは少ない、と公開期間が短いのだ。
3 デカゲロたちに言う
実は、メガゲロは、デカゲロたちに「デートする」ということを言っていなかった。その代わり、「友達と飲み会」と言っていた。
「おかえり!メガゲロ、飲み会、楽しかった?」
「じ、実は・・・・・・」
「ん、どうしたの?」
「あのね、ぼく、飲み会なんか、行ってない。」
「えっ?」
三人は口を手に当てて、驚いている。
「本当は、ベリーちゃんと、デート、行ってたの。」
「そうなの?いいじゃん。ぼくたちも、応援するよ。」
「本当?」
デカゲロたちは、笑顔でメガゲロに「頑張って」と言っているような感じだった。
「じゃあ、ぼく、頑張る!」
「メガゲロ、頑張れー!」
メガゲロは、自分の部屋に戻った後、ウキウキしていた。
「明日、映画、見に行こうかな~♪」
すると、デカゲロが顔を出した。
「じゃあ、お金、渡すね。」
デカゲロはおごるのが好きなのだろうか。
4 ベリーちゃんとデート②
今日は、やっぱり、『一つの心』を見に行く。
「ベリーちゃん、行こっ。」
「うん。」
ベリーちゃんもメガゲロのこと、とっても好きみたい。
今から見に行く『一つの心』は主人公ドレミと恋人コスモのラブストーリーで、かえる県だけの公開。メガゲロとベリーちゃんにピッタリの映画。
シアター4、シアター4。一つの心、入場開始。
アナウンスで二人は移動。ん?メガゲロは行かないようだ。
「待って。ポップコーン買ってから。キャラメルでいい?」
「うふふ。」
メガゲロはすぐにお店に向かった。ポップコーンを買ってすぐに戻ってきた。
「ねえ、ベリーちゃん、なぜ映画館でポップコーンが売られているか、知ってる?」
「分かんない。」
「食べる時に、一番音が出にくい食べ物で、色々な味があるからなんだって。」
「初めて聞いたわ。」
二人とも、早くしないと遅れてしまう。やっとメガゲロが気づいた。
「あ!早く!」
「そうだわ。」
二人は急いでシアターに入ってきた。
「ふぅ、危ない危ない。」
「あら、予告だわ。」
予告には、『かえるの魔法使い』と、『学校の怪談』というお話が出ている。
「わあっ!」
急に暗くなった。ベリーちゃんが小声でささやく。
「もう始まるのよ。」
ベリーちゃんの言ったとおり、始まった。
終わって、ベリーちゃんは感動のあまり涙が出ている。
「ベリーちゃん、どうしたの?」
こんなことを聞かれても、「感動したの。」としか答えようがない。
「ちょっと、映画で感動したのよ。」
「ぼくにとっては全然感動しなかったけど。」
そ、それは、映画に対するダメ出し?
「と、とりあえず、メガゲロくんがいて、安心だわ。」
ベリーちゃんはそう言ってメガゲロにスマイルを残し、映画館を後にした。
5 デカゲロはしつこい
探偵事務所では、デカゲロがいちいち映画の内容を聞いてくる。
「どんなお話?どんな役者?どんな・・・・・・」
「もぉ!そんなに知りたいなら、見に行けばいいじゃん!」
「なんで。いいじゃん。少しくらい。」
「ダメダメ。ネタバレはダメ!」
デカゲロのほっぺが膨らんだ。
「もお。ちょっとぐらい・・・・・・」
――ニ時間後。
またデカゲロが聞いてくる。
「ねえねえ、どこが感動した?ねえ、どこ?」
「もぉ!言ったでしょぉ!知りたいなら見に行けばいいじゃんよ!」
「だから、聞いたほうが、お金も、得だし。」
メガゲロがいつも言っていることをデカゲロが言っている。
「いつもクレープおごってくれるんだから、お金は余裕でしょ?」
「ば、バレたか・・・・・・」
「バレバレですぅ。」
「ちぇっ。」
「先輩、メガゲロの言うとおりじゃないですか。今度三人で観に行きましょうよ。メガゲロを置いていって。」
その言葉はメガゲロとデカゲロ、どちらをフォローしているのか。
「ねえ、デカゲロくん、次、ベリーちゃんとのデート、何がいいかな。」
「うーん、お買い物?」
「メガゲロ、真珠のネックレスとか買ってあげたら?」
なかゲロが言った。
「じゃあデカゲロくん、おごって。」
「ダメ。デートなんだから。メガゲロがベリーちゃんにおごるの。」
「だって、お給料、全部クレープ代じゃなかったの?」
「クレープ、がまんしなよ。」
「え・・・・・・」
6 ベリーちゃんとデート③
メガゲロとベリーちゃんは中央蛙市のショッピングセンターに来ていた。
「ベリーちゃん、宝石売り場、行こ。」
「うん。」
メガゲロはエレベーターに行こうとしたが、場所がわからない。
「ベリーちゃん、エレベーター、どこ?」
「わたしも分からないわ。」
二人はここに来るのは初めてなので、お互い聞き合ってもしょうがない。
「地図、どこだ?」
「あ、あそこだわ。」
二人はなんとかエレベーターへ。
「えっと、八階か。」
メガゲロは、八階のボタンを押したつもりでも、押しているのは三階のボタン。
「メガゲロくん、このボタンは、三よ。八を押すのよ。」
「ご、ごめん。間違えちゃった。」
「でも、そういう風に謝るメガゲロくんは可愛いわ。」
メガゲロは衝撃を受けた。まさか、ベリーちゃんに「可愛い」と言われるとは!
(せめて、「格好いい」にして・・・・・・)
と思っても、間違えて「格好いい」なんて言われるはずがない。
チーン
「ついた!」
「えっと、宝石売り場は・・・・・・あっち?」
方向オンチなメガゲロにベリーちゃんが注意。
「違うわよ。正反対よ。」
「え?」
「こっちよ。こっち!」
そして、宝石売り場は目の前。
でも、メガゲロは通り過ぎていった。
「メガゲロくん、ここ!」
「え?あ、本当だ。」
ベリーちゃんは宝石を見て、目が輝いている。
「きれーい。」
ベリーちゃんが見ていたのは水色の宝石。おそらく、ターコイズだ。
「これは・・・・・・ターコイズね。あたし、これが欲しいわ。」
「いいよ。えっと・・・・・・値段は・・・・・・!」
メガゲロは目を疑った。今日持ってきたお金は二十万円。そして、メガゲロは二人でカフェに行くと考えていた。そして、カフェは予算千円。二十万から千円を引いて、十九万九千円。でも、ターコイズは、十九万九千六百円。
(どうしよう。クレープ二つで八百円、飲み物二つで二百円なのに、四百円だけ・・・・・・しょうがない、カフェはやめて、アイスを買ってあげよう。)
「十九万九千六百円でーす。四百円のお返しでーす。」
「ベリーちゃん、アイス、買ってあげる。」
「あたし、ベリーだけにベリーミックスがいいわ。」
ベリーミックスは、ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリーをミックスした味。
「ありがとう♪・・・・・・美味しっ。あ、ごめん、メガゲロくん、もう六時だわ。バイバイ。」
「バイバイ。」
7 次のデートはどんなデート?
メガゲロは、次のデートはサプライズにしようと思っていた。メガゲロは、ベリーちゃんにサプライズすることを、ノートにメモしていた。
❤デートサプライズ❤
1 ベリーちゃんをカフェに誘い、特別ケーキを作ってもらう。
2 ベリーちゃんにプレゼントを渡す。
プレゼントは婚約指輪
↵
3 プレゼントを開けたベリーちゃんにプロポーズ!
「うーん。これでいいかな。ベリーちゃん、喜んでくれるといいんだけど・・・・・・」
メガゲロの目の前には、ベリーちゃんにあげる婚約指輪。メガゲロはそれを見つめてやる気が出るが、勇気は出ない。メガゲロはノートにベリーちゃんへの思いを書き記した。
ベリーちゃん大好き ベリーちゃんはとても可愛い ベリーちゃんは優しい ベリーちゃんはぼくのお嫁さん ベリーちゃんは勉強がすごい ベリーちゃんは体育もすごい
「あ、この言葉、プロポーズに使ったら・・・・・・
メガゲロは鏡の前でプロポーズのシュミレーション。
「ベリーちゃん、カフェにいこ。」
「べりーちゃんのための特別ケーキだよ!」
「ベリーちゃん、これ、開けてみて。」
「ベリーちゃん、大好き。ベリーちゃんはとても可愛い。ベリーちゃんは優しいし、勉強も体育もすごいできるから、ぼくの、お嫁さんになって!」
「これで、いいかな。」
8 ベリーちゃんとデート④
メガゲロはベリーちゃんをカフェに誘うために、蛙丘公園で待ち合わせ。
「ベリーちゃん。」
「あら、メガゲロくん、いたの?」
「カフェ行こうよ。」
「やった!あたし、行きたいわ。」
カランカラン
カフェのドアの音が鳴り響く。
「いらっしゃいませ。」
実は、店員も仕掛け人。だから、(ご予約していたメガゲロ様ですね)とは言わない。
「どうぞ。」
「えっと、あたしは・・・・・・」
すると店員が「特別ケーキです!」と言いながら持ってきた。
「え?」
「ベリーちゃんのためのケーキだよ。」
「うふふ。ありがとう。」
もちろん、サプライズはこれだけではない。
「ベリーちゃん、はい、これ。」
「これ、何かしら。」
「ベリーちゃん、開けてみて。」
「うん。」
もちろん、その中には婚約指輪が。
「こ、これは・・・・・・!指輪!?しかも、宝石で有名なフェアリーのダイヤモンドを使っているわ!」
(ベリーちゃん、よく分かるね。)
「ベリーちゃんのこと、だあい好きだよ。ベリーちゃんはとっても可愛いし、優しいし、成績もいいし、運動神経もいいから、ぼくのお嫁さんになって!」
「め、メガゲロくん・・・・・・もちろん、OKよ!あたしだって、メガゲロくんのこと大好きよ。」
そして、メガゲロとベリーちゃんの恋は、遂にゴールへ。結婚式日も決まり、一件落着。