平成二十八年弥生歩み出す一歩に鶯眠る児にお雛様微笑んでいる春の陽の眩い寒さ祖父と同じ煙草に春の陽花咲く気狂いじみた春の陽気だ子らの蹴る菜の花の香る音のない青空を飛行機子の手からヘロヘロの土筆子のポッケに大切な石ころ静かな人眠っている蚊を打てば松の芽の膨らみ重い柔道着に春風夜が冷える幼子の咳寒の戻りの菜の花の黄色蜜蜂青空にのぼる工事の音のどこか長閑に春春雨にメダカ驚く滲む月見て一服荒ぶる風の暖かいうたた寝の妻に花束をおくる春の倉庫に蝶が来た蝶追いかけて桜の道