歳をとるにつれ、どんどんポジティブになっていくような気がする。
若い頃にもっと自由に色んなことに挑戦しておけばよかった、と思うこともある。なぜそうできなかったか考えてみる。きっとそこいらじゅうにある壁に阻まれていると、思い込んでいたから。若い頃は、その壁がぜんぜん見えていなかっただけだと思う。
歳をとると経験とともに、壁が見えてくる。見えてくると対処の仕方が考えられるようになる。
壁にあたるとき、前に進む方法は3つある。
ひとつは、壁を打ち砕く方法。かっこいいが、なかなか骨が折れる。その価値があると思えば、これを選べばいい。しかし、簡単にいかないから、壁なのだ。
ふたつめは、乗り越える、だ。壊さなくていい分エネルギーは節約できるかもしれない。しかし、これとてクライミングにはそれなりの技術や鍛練が必要だ。なかにはこうしたテクニックを極めたスペシャリストもいる。それを目指すのも面白いかもしれない。
さて、それでもどうにもならないときはどうするか？努力家が、ネガティブに陥るのはこういうときだ。答えは簡単。逃げればいいのだ。つまり、その壁を回避すること。前に進めるところを探せばいいのだ。どうしようもない、と思ってもいったん後ろに退いてみれば、進める道はきっとある。諦めるのはその後だ。
経験はそれを裏打ちする。
だから、歳をとることは悪いことじゃない。
そう、思う。