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【1】「事務次官」改革の重要性。
【2】アメリカ海軍の人事システム。
【3】先週の主な活動

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【1】「事務次官」改革の重要性。

●「事務次官」を頂点とする霞ヶ関の人事システムの改革が焦眉の急と
なってきた。事務次官を降格する際の要件をどう決めるか、このこと
についての最終的な意見調整に、内閣は入ったようである。

●この問題こそ、実は、霞ヶ関の官僚制度改革の核心だと考える。
高級官僚OBが、この国の深部に張り巡らしてきた、暗黙の支配構造。
その心臓部を直撃するのが、この論議である。いよいよ「トラの尾を
踏む」瞬間が目前に迫ってきたのだ。反発の圧力は、さらに、強まるだろう。
さらには、内部分裂を誘うさまざまな仕掛けも強烈に浴びせられるだろう。
しかし、負けてはならない。政権・与党は、一丸となって戦うべし。

●「事務次官」、それは、長きに渡った自民党政権のもとでは、国権の
最高機関である国会議員の質問にすら、さらされることのない「聖域」だった。
予算委員会だろうと、財務委員会だろうと、その他すべての委員会で、
事務次官の出席と答弁を求めても、平然と国会への出席を拒むことができた。
そして、自民党政権は、当然のごとくこれを容認し擁護した。

●大臣が絶対に拒めない所管委員会への出席を、当然のごとく免れてきたのが
事務次官である。もちろん、出席しない法的な根拠はどこにもない。
単なる「慣例」でしかない。これが「事務次官」である。まさに、国民主権も
侵入が許されない「治外の領域」だったのである。

●さらに、事務次官はたった「一人」でなければならない。だから、
ピラミッドの頂点にたどり着く何年も前から、同期の官僚は振り落とされて、
外の世界に投げ出される。これが、天下りである。すなわち、事務次官は、
天下りの制度的な元凶であると言っても良い。

●また、事務次官は降格されることがない。いったん着任した以上、退職の瞬間まで、
組織の頂点に君臨する。もちろん、ノンキャリの人が事務次官になることはありえない
。したがって、キャリア試験で何番と言うバックナンバーが終生付きまとう。
そんな中での人選だから、抜擢は異例であり、システムは徐々に硬直化し活力を失う。

●選挙にさらされることも、議員の質問にさらされることもない。その結果として、
大臣を上回る実質的な影響力を確保する。そんな事務次官の存在は、きわめて
非民主的な存在である。事務次官制度は、これまで限りないマイナスをこの国にもたら
し続けてきた。その機能の最大のものは、官僚の既得権擁護である。

●天下り構造の頂点を形成してきた高級官僚群は、この国の至る所に、無言の圧力を加えながら君臨している。かつて、「事務次官のなかの事務次官」と呼ばれた人物が日銀総裁に天下ってきたように、この国の社会・経済の上部構造を掌握してきたのは、
これら高級官僚OBたちである。彼らがいたるところで撒き散らす「空気」こそ、いま民主
党政権の前に、立ちはだかっている見えざる敵の正体である。心すべし。

【2】アメリカ海軍の人事システム。

●事務次官改革のことを考えていたら、かつて読んだ「失敗の本質」を思い出した。


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