阿南市富岡町の富岡公民館に勤務する男性職員(32)が、公民館建設の寄付金など約210万円を着服していたことが31日、市への取材で分かった。職員は着服を認めており、市は同日付で懲戒免職処分にする。

 市によると、着服したのは1998年の公民館建設当時に市民から集まった寄付金と、施設使用料などの市民サービスで得た公民館収入。今年5月から数回に分け、これらを預けている公民館名義の信用金庫の口座から引き出されていたという。

 職員は昨年4月から公民館で勤務。口座の通帳と印鑑は事務室の机の引き出しに鍵を掛けて保管していたが、鍵は職員が持っていた。

 公民館長が今月20日ごろに通帳を点検した際、不明朗な出金があるのを発見。報告を受けた市教委が職員に確認したところ、着服を認めた。「借金返済などに充てた」と話しているという。

 職員は28日に一部を返還。市は残金の返済状況を見ながら刑事告訴するかどうか検討する。

 また、市は管理責任を怠ったとして岩浅嘉仁市長を減給2カ月(30%)、亀尾貞男副市長と田上勝義教育長を同2カ月(20%)の処分にする。31日午後に開く市議会全員協議会で報告する。

 岩浅市長は「公金着服は許しがたい行為で、厳しい処分にすることにした。再発防止策を講じ、市政への信頼回復に努めたい」と話している。


<徳島新聞>