警視庁神田署時代に取り締まり対象から外した見返りに、元同署員が違法マッサージ店から六十七万円のわいろを受け取ったとされる事件で、現金授受に使われた口座の一部を同僚警官が提供していたことが二十八日、分かった。

 

 警視庁は同日、収賄罪で起訴された元同署員で調布署地域課巡査部長林隆貴被告(46)と、口座を提供した元同僚の同庁組織犯罪対策五課の伊藤達也警部補(51)を懲戒免職にした。

 

 同庁によると、二人は神田署生活安全課保安係時代に風俗店取り締まりを担当。伊藤警部補は二〇〇六年三月、林被告の依頼で他人名義の口座を知人から調達し、林被告に譲り渡したという。

 

 伊藤警部補は同署在籍中の〇二年秋~昨年六月、風俗店経営者の中国人女性二人に店の開業資金などとして二千数百万円を出資、今年四月までに売り上げの一部、数千万円を受け取ったとされる。

 

 伊藤警部補はこの現金を別の他人名義の口座に入金した。この口座も〇七年八月にこの知人から入手したとして、伊藤警部補は二十八日、本人確認法違反容疑で書類送検された。

 

 中村格・警視庁警務部参事官は「警察官としてあるまじき言語道断の行為で厳正に処分した。再発防止に努めたい」と陳謝した。


<東京新聞>