鹿児島大学は27日、教育研究評議会を開き、大学院医歯学総合研究科の60代内科教授に対し、親族会社の大学への健康機器納入に関与、公私を混同したとして、大学の倫理規則違反で出勤停止10日間の懲戒処分を決めた。
 

 教授は同日、南日本新聞の取材に対し、「事実誤認」と説明、同評議会に対して処分不服の陳述をする意向を示した。陳述請求すれば、評議会で陳述する機会を与えられ、処分は役員会を経て最終決定する。
 

 関係者によると、機器は心疾患患者らに用いるサウナ装置。教授が開発に携わり、妻、義弟が役員を務める医療機器販売会社(鹿児島市鴨池2丁目)が販売する。
 

 大学の発表によると、2006年の購入前に見積もりを出した3社のうち同社が、同年7-12月にかけて計6台(約2100万円)を納入した。
 

 大学は07年、同社が教授の親族経営であるとの情報を入手。関係者の証言などから、親族会社の利益につながる構図ができていると判断。さらに、教授の機器購入、販売価格への関与を確認したとして、「常に公私の別を明らかにし、職務や地位を私的利益に用いてはならない」などとする職員倫理規則に抵触すると結論づけた。
 

 6台の内訳は小型タイプ5台、大型タイプ1台。同社は06年、愛知県内の製造会社から小型は125万-156万円で仕入れ、大学には249万-294万円で販売。大型の仕入れ額は不明だが、設置費を含め750万円で納入した。
 

 大学は05年、同種の装置を今回と同じ製造会社から10台(1台約180万円)購入していた。一部仕様が異なるが、教授の親族企業に比べ、1台当たり50万-100万円安かった。


<南日本新聞>

公務員の不祥事 ( 関東地方etc )-鹿児島大学大学院
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科の内科教授の
懲戒処分を発表する石田尚治理事(右)
=27日、鹿児島市郡元1丁目