国家公務員の懲戒処分のうち、人事院の指針に基づく公表対象にあたる事例12件が、各府省の判断で公表されていなかったことが27日、行政機関の法令順守に関する総務省の調査で分かった。職員が無断でタトゥー(入れ墨)スタジオのアルバイトをしたり、不正に住居手当をもらうなどして、懲戒処分を受けたケースが未公表となっていた。総務省は同日、処分を公表しなかった法務、農林水産、国土交通の3省に改善を勧告した。

 

 調査は、国の出先機関のうち、12府省91機関が05年1月~07年7月に出した懲戒処分293件から184件を抽出して、人事院の公表指針に照らして調べた。その結果、法務省8件、農水省3件、国交省1件で、指針を満たしているのに公表していない事例があった。具体的には▽無断でタトゥースタジオのアルバイト(減給10分の1、1カ月)▽無断でコンビニやファストフード店のアルバイト(戒告)▽転居届を提出せずに住居手当を不正受給(戒告)--など。「悪質性を認められない」「関係者のプライバシー保護」などの理由で公表が見送られていた。

 

 また、職員の内部通報を受け付ける窓口が、文化庁と公安審査委員会で設置されていなかったことも判明。窓口を整備するよう両機関に勧告した。


<毎日新聞>