生存者を含め15人の入所を斡旋(あっせん)した東京都墨田区は21日、会見を開き、当初からたまゆらを届け出が不要なケア付き高齢者住宅だと認識し、群馬県への問い合わせをしていなかったことを明らかにした。

 たまゆらのように届け出をしていない施設に入所している人は墨田区の紹介だけで91人いるという。担当者は「景気や雇用の悪化で生活に困る高齢者が急増するなか、こうした施設に頼るしかない」と行政の立場を説明した。

 区によると、斡旋は県への届け出が必要な特別養護老人ホームやグループホームなどにも行っていた。だが「受け入れてくれるなら無届けの施設も現状では斡旋せざるを得ない」と担当者は強調した。

 墨田区は昨年12月と今年1月に職員にたまゆらを訪問させたが、問題点はないとしていた。

 防火施設に関しても「当然、施設が設置していると思った」と述べ、チェックしていなかったことを認めた。

 たまゆらの近隣住民は劣悪な環境を墨田区に訴えたとしているが、「苦情はなかった」としている。


<産経新聞>