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降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

太平山(たいへいざん)奥岳の登山計画とは別にもう一つ、太平山前岳・中岳という計画を持参してきた。これら全部を登ることで秋田の山に区切りをつけたいと思っていた。

奥岳が通行不能ならば、せめて前岳・中岳を登って帰るしかない。家内は不調につき、秋田市植物園で遊んでいるという。地図を眺めていたら植物園のすぐそばにも前岳登山口があることを知った。ではそこから往復することにします。

 

奥岳山頂に太平山三吉神社奥宮が見える

本日のGPS軌跡

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)

注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

【2024年5月11日(土)】 太平山前岳・中岳(仁別コース)

前岳登山口6:25~ゲレンデトップ7:05-10~木曽石コース分岐7:53-58~女人堂8:05-10~前岳8:18-20~中岳8:53-9:13~前岳登山口11:05  行動時間:4時間40分

 

クアドーム・ザ・ブーン北側駐車場の向かいに、見栄えのしない登山口がある。植物園とアプローチが一緒というのは奇跡的だった。ではソロで出発。

 

ヤマツツジがちらほら咲いている。土地勘のない山なので、期待感も少しあった。

 

オーパストップというのがゲレンデトップのことだろう。そこまで車で入ることもできるわけだが。歩きやすい道が続いていく。

 

まもなく石仏が2体。左は弘化3?年、右は天保14年である。3歳違いということで、スタイルも似ている。

 

男鹿三山で見たような奇形天然杉がここにも少しある。しばらくは遊歩道的で、アップダウンも緩やかだった。

 

そしてゲレンデトップに到着。車が1台停まっていた。分県登山ガイドには数台駐車可能と書いてあるが、これは数十台と言うべきでしょう。

 

広場の横に改めて登山口がある。何も問題のなさそうな道。

これです。奥岳の旭又登山口通行止めの件。山頂施設というのは太平山三吉神社奥宮と参籠所の山小屋のこと。事前に調べておけばわかることだが、なかなかそこまでは気が回りません。

 

毎年のように各地で気象災害があるから、登山に影響しそうな場所は留意すべきだろう。あとはけっこうな確率でトレラン大会とかち合う。これはカテゴリーが違うから、情報収集は難しい。自分が走ってた頃はなんとも思わないのですが。

 

今記録を書きながらよく見たら、これは楊柳観音だった。しかし頭が三つあるのはおかしくないか? ここで金山滝から登ってくる木曽石コースと合流した。先行者が一人いる。

 

そこから10分もかからずに女人堂に着いた。やはり昔は、ここからは女人禁制だったのだろう。ここの平坦地には社殿や参籠所が建っていたが、平成13年に焼失したというから驚きだ。

 

その跡を取り囲むように、石仏が並んでいた。これは天狗だろうか。

もう一体、烏天狗か。

唐松大権現を中心にして並んでいる。

 

二十三夜女講中による二十六夜愛染明王だ。やはり女性信仰の名残が見られる。

 

これはどなたか?

 

新築された祠の中、清酒は太平山。

側壁には鉄の草履。

 

少し進んだ所に大きな窪地があった。これも建物の跡かもしれない。

 

その横の土手の上には、またしても石仏群。

このように並んでます。

 

彫りの深い観音石仏が多かった。

どういうわけか、お大師様も。

 

先を急ぎます。ブナの細木も見られる。

 

ひと登りしたら前岳に到着。

あまり展望はないけれど、唯一奥岳が霞んで見える。

 

コルを経て登りにかかると、道が二手に分かれる。左の尾根筋直登から登っていった。最後は少し急登になって、30分ほどで中岳に到着した。誰もいない。

 

狛犬がぽつねんと佇んでいた。

相方はだいぶ傷んでおられる。

 

よくある三角屋根の山小屋風だが、こちらが社殿。

中はこんな様子だ。

 

秋田平野の展望です。平らで、何もない。

 

社殿の裏手、少し小高い場所からの奥岳。さっき追い越した人が到着した。地元の詳しい方らしい。奥岳周辺のコースについていろいろ話を聞いた。この縦走路はヤブもあるし、奥岳まで2時間半かかるとか。野田からのコースは腰までの渡渉があって、とてもたいへんとか。その他のコースも難ありらしい。旭又の復旧も全くメドが立ってないそうだ。

そこまで聞いたら奥岳への執着も急速に薄れていくようだった。

 

来た道を戻る。最初の急下りの所で短いが岩場があった。あれっ、こんな所登ってきたっけ?と思った。これが道迷いの第一歩なのだ。登りと下りでは目に映る風景が違うのです。

キクザキイチゲが咲いてるのも登りでは見なかった。これは時間の経過で花開いたのだろう、たぶん。

 

下りは南斜面を巻いてくルートから。これはれっきとした別ルートなので。

三角井戸で喉を潤すまでもなく。

 

大岩の下には不思議な石仏。頭の周りに白雲が漂っている。

 

下山の途はとても長く感じられた。疲れないから休憩するほどでもないし、そうすると余計に長いと思ってしまう。結局前岳・中岳コースは、アクティブな登山という点では今ひとつだった。力強いインパクトに欠けるのである。でもそれは登ってみなければわからないこと。

最後の緩やかすぎる尾根筋を、急ぎ足で下っていった。

 

午後の部へつづく