横浜能楽堂企画公演
「遊行の聖 弔いの心」
何とか、勤めることが出来ました!
心から、ありがとうございました!!
能「実盛」。修羅能の大曲。
本当に厳しい能ですね、、、
途中で足が痙攣してきたり、最後のクセ、キリあたりでは、何度も気が遠くなり倒れるかと思いました、、、
今年最大に極限に疲れました、、、
でもお陰様で、何とか無事です。生きております(笑)
私の舞台生活でも指折りにキツイ能でした、、、
能って本当に、ハードです!、、
かつて大河ドラマ等で有名な俳優さん達に能面能装束着て舞って頂いたことありますが、軒並み皆さん、そのキツさ大変さにビックリされておられました、、、
この大変さ、観ているお客様にも体感して頂きたい(笑)。
でも、憲和宗家や座スクエアのメンバー、金春流の仲間達、息子や弟子達、いつもの気心知れた三役の皆さんに囲まれて能が舞える喜びに、勝るものはありませんでした!!
齋藤別当実盛。本物の侍の魂を持って実直に生き抜いた900年前の漢の生き様を、まざまざと体感しました、、、!!
能「実盛」。歴代星の数ほどの能楽師が挑み続けてきた大きな頂。能の凄さ厳しさ崇高さを、改めて体感することが出来ました。
私としても、今の自分を全力で全て出し切りました。死力を尽くしました。
なので反省はあっても一切後悔はありません。
やりきることが出来ました!
(能面は、名工岩崎久人さんの数々の先人も実盛で使ってこられた「三光尉」でした)
また当日は、ランドマークホールというホールという特殊なステージでもあり(横浜能楽堂はメンテナンス工事中で来年7月に再オープン予定)、それを活かした演出となりました。蝋燭を使ったり、踊り念仏での薄の作り物を、そのまま能でも使用させて頂いたり。
それにしても、時宗総本山・遊行寺の精鋭の僧侶の皆様による、「薄念仏会」が、本当に素晴らしかった!!
「薄念仏会」は、開祖一遍上人のお弔いの法事でしか奉納されない貴重なものだそうです。
なので、体感頂けたお客様は大変にラッキーでした。
そして、その後休憩を挟まずにそのまま能「実盛」に突入し、その踊り念仏の空気感がそのまま能にも活かされました。なので、能も空気感というか、表現がいい意味で変化しました。私自身もそれを感じました。厳粛な世界になりました。
私の会でもかつて実現したこの踊り念仏と能との邂逅が、また実現して大変に有難たかったです。
そして、能とはやはり、「鎮魂の芸能」であり、「祈りの芸能」であることを実証出来ました。
楽屋では、時宗遊行七十五代他阿一浄上人と、遊行寺総本山執事長清水良生様にご挨拶させて頂きたした。
時宗の皆様、一浄上人はじめ皆さんとても温かく、そして大変に謙虚。そして、心が綺麗な方々です。
900年七十五代に渡り、本物の日本の魂を、世帯は決して大きくなくても脈々と受け継いでこられていて、とても感銘を受けました。我々金春流も小さくても頑張っていかねば!と思いました。
美しい法衣を纏われ、一糸乱れず「南無阿弥陀仏」を唱える姿はとても美しいものでした。
そんな舞台を勤められて、精一杯やれて、幸せです。
しかしながら、身体は極限に疲れてしまいました、、、
前もって予約していた、能楽師・バレエダンサー御用達の中野坂上の「大和治療院」へ。身体に触ると直ぐに状態が分かる井上院長から、「かなりキテますね、、、よく頑張りましたね」と言われました、、、。
井上院長の治療と、酸素カプセルにも入って、身体はかなり回復してきました!!
ご覧頂きましたお客様、時宗僧侶の皆様、横浜能楽堂スタッフ皆様、共演能楽師皆様、全ての皆さんに感謝申し上げます!
今年最大のヤマ場を超えることが出来ました。
ありがとうございました!!!!