『不惑の日中関係へ』   元外交官の考察と提言

吉田重信  日本評論社   2012/4/5

 

 

 

<国家百年の計>

<今後の日本には、良質で堅実な中型国家として生きる道しかないだろう>

・人口は13000万人で、決して少なくない(世界で10位)。しかし、その人口は今後少子高齢化にともない、50年以内に9000万人に、100年以内になんと5000万人に激減するという。それにともない、生産年齢人口の比率も激減すると予想されている。

 

・このような「小日本主義」は、石橋湛山元首相という知恵のある政治家が、言論界にいた時代の1920年代に説いている。石橋の所論は、「植民地経営はそろばん勘定にあわない」として、樺太、台湾、朝鮮半島などの放棄を主張した点にきわだった特徴があった。

 

・他方、中小国として生きるモデルを海外に求めれば、非同盟中立の小国スイスと、NATOの一員でありながら独自の国是と対外政策をもつ小型の国、オランダやスウェーデンであろうか。とりわけオランダは、「足元と百年先を見る二つの目をもつ国」といわれており、日本の将来を考えるさいに参考となる。

 

・そこで私は、「国家百年の計」として、次のような国家的施策を提起してみたい。

1)その基本は、要するに、日本がふたたび外国と戦争をしないことである。日本の憲法が規定する「平和主義」と「国際協調主義」の精神をいっそう充実させて大いに発揚し、できるだけ多くの諸国との友好関係の整備・増進をはかる。とくに、隣国である中国(台湾を含む)や韓国との知的分野での互恵的協力を推進・強化することが肝要である。

2)ODA予算や国際交流促進のための予算を、かつてのレベルにまで引き上げる。日本の憲法が規定する予算の額は、かつては世界で第1位であったが、いまや5位に下落している。小国であるノルウェーの1人当たりのODA額が世界で第1位であるという事実に照らし、日本はODA予算の拡充にもっと努力する必要がある。

3)北欧諸国に倣って、軍事費を必要最小限に削減することによって、社会福祉制度を劣化させず、いっそう充実させる。そうすることによって、国民の幸福度の高い国づくりをめざす。

4)「脱原発」をめざし、安全な社会を構築するとともに、科学技術立国としての条件を整備する。

5)女性の能力をいっそう高め、その社会的進出を促進する(日本女性の社会的進出度はきわめて低く、韓国、台湾のレベルにも及ばない)。また、天皇制存続の不安要因となっている継承順位問題を解決して、女性天皇を実現する。

6)選挙制度を改め、「一票の格差」を是正し、日本の民主主義制度を強化する。

7)日本社会を飛躍的に国際化する。国際的に通用する人材を養成し、そのための教育を充実させる。大学や学術研究機関を充実、強化し、国際化する。秋入学の動きなどは遅きに失している。優秀な外国人を積極的に受け入れる。英語をはじめとし、中国語、韓国語などを含む外国語教育を充実する。大学と高校での授業の一部を英語にする。

8)ヨーロッパ諸国のように、国土の美化につとめて、都市のみならず農村の景観を整備する。ヨーロッパ諸国の農村部の心をいやされるような景観に学ぶべきである。また、イタリアやギリシャのように「全国総美術館」化と「観光立国」化をはかる。

9)文明諸国の趨勢となっている死刑廃止をすみやかに実現する。日本は遅れている。

 

このほかにも、「国家百年の計」は、考えればいくらでもあろう。目先のことばかりを考えてもむだである。

 

・中国の欠点をあれこれと論ずれば、日本の欠点も浮き彫りになる。それに、中国の病状は、育ち盛りのアンバランスな巨体児のそれであるが、日本の病状は、とうに盛りを過ぎた老体のそれに近い。

 国民の政治へのあきらめの念が蔓延している――これが、希望のない日本の政治の現状である。中国もいろいろと問題をかかえているが、その中国よりも、むしろ日本の現状のほうがもっと深刻かもしれない。

 

・本書でとくに腐心したのは、今後、日本と中国がいかにして安定した永続的な友好関係を構築し、維持できるかについての道筋を探すことであった。それには妙案はない。当面のあいだは、経済交流、あるいは結婚や親族づきあいを含めて「草の根」レベルでの交流を盛んにしていくほかない。日中両国の指導者たちや官僚たちにはあまり期待できそうにない。いつの時代にも、国家の指導者たちは、戦争を煽り、国民を犠牲にすることが多いからだ。

 

<「政権交代」とはいったい何だったのか>

・日本の政治・経済状況が停滞と混沌の度合いを深め、「311」もあってこの国が閉塞状態に陥ってから久しい。「失われた10年」と言われるが、「20年」というべきであろう。

 敗戦後日本は、すべてが灰塵に帰した日本列島版「グラウンド・ゼロ」からはじまって、文字どおり「奇跡的な復興」をとげた。日本の経済力は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと賛美されたが、いまにして思えば、それは束の間の夢にすぎなかった。

 高度成長期に浮かれていた経済は、1990年代をはじめから長い停滞期に入り、いまや日本は、「経済も政治も三流」とまで言われるようになった。

 

・日本はなぜこのように救いがたい国家になってしまったのか。

 その原因は複合的であり、単純ではない。国内的要因に加えて、対外的要因もある。あえて粗く整理していえば、すべては、それまでの日本の成功そのものを支えてきたシステムの疲労と不具合、そして人材の欠如に起因する。つまり、老衰にともなう諸症状が出ているということだろう。老衰は生理現象だから、若返りは望むべくもない。せいぜい進行中のシステム疲労、すなわち、政治、経済と人心の老化を食い止めるのが関の山でしかないかもしれない。

 

・資本主義、民主主義、社会主義体制そのものが、世界中で行き詰まり、新たなシステムを求めてあがいている。日本だけが例外ではありえないのである。世界中が、例外なしに文明史的転換期に身もだえて苦悩しながら、あがいているように思える。

 

 


■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■

・「平和主義」と「国際協調主義」の精神を堅持し「東洋のスイス」になるという著者の主張は、書生論と片付けるわけにはいきません。しかし、徴兵制を持ち、核シェルターの世界一の装備国であるスイスの現実的な国防力レベルにまで日本の防衛力を向上させるためには、どのくらいの憲法改正と巨額な予算が必要でしょうか。日本には、民間レベルではほとんど核シェルターはありません。「日本が平和主義を唱えていても、戦争に巻き込まれる懸念がある」そうです。「人類の歴史は平和な時代よりも戦争の時代が長かった」そうです。イスラム圏はもちろん、社会主義諸国もロシアをはじめとして不安定になっています。ここにきてロシアが大きな懸念になってきています。

 

・「日本の核装備」については、保有派が増えてきているそうです。日米安全保障条約で米国に全面的に核の傘を頼る政策は、必ずしもベストな政策ではないそうです。しかし、核装備の議論は政治的なタブーとなっており、政治家が公言することはないようです。メディアもタブー視しているように思えます。昔は「経済一流、政治二流」といわれていましたが、今では著者によれば「経済も政治も三流」になったそうです。

 

・「日本が核兵器を持っておれば、北朝鮮も拉致事件を起こさなかったであろう」、「航空自衛隊のファントム戦闘機から爆撃装置と給油装置を外さなければ、北朝鮮は拉致事件を起こさなかったかもしれない」、「核兵器こそ生物化学兵器の時代の唯一の抑止力だ」、「戦争に巻き込まれないために抑止力としての核兵器が必要だ」とさまざまな議論もあるようです。が、「小銃を持った歩兵を離島防衛に向ける演習」をしている時代ではなく、いきなり核兵器が飛んでくる事態・シナリオも“想定外”とするべきではないそうです。東日本大震災も「想定外」の事態でした。私たち一般人は、当然、「国防政策」には詳しくはありませんが「抑止力のない高価な通常兵器を少数、装備する防衛政策」には疑問です。Amazonに「核兵器」と入れますと707件の書籍がわかります。最近では『人類滅亡ハンドブック』(食糧危機から異星人襲来まで)(Alok Jha(2015/1/29)、『米中衝突を避けるために』(ジェイムズ・スタインバーグ、マイケル・E・オハンロン)(2015/1/24)があります。

 

・多くの論点がありますが、例えば「死刑廃止の問題」についてウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)をみてみます。ウィキペディアでは「死刑存廃問題」として多くの記載があります。「20085月には国際連合の国連人権理事会が日本の人権状況に対する定期審査を実施したが、このなかで欧州を中心に12ヶ国が日本政府に対し、死刑執行停止や死刑制度の廃止などを求めた」とのこと。「死刑廃止の問題」は、世界的にも国内的にも、専門家でも世論でも見解が大きく違うようです。私たち一般人は、「死刑廃止の問題」にも当然詳しくはありません。アメリカでも州によって違うようです。そして、この問題については、依然として論争が続くようです。社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。本当に優れた官僚や政治家が登用されてきたのでしょうか。「女性の登用も先進国とはいえない」そうです。

 

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日本は津波による大きな被害をうけるだろう

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UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか!?」

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