『ヒトラー第四帝国の野望』

シドニー・D・カークパトリック 講談社  2010/11/25

 

 

 

 

<アーリア人のイエス・キリスト>

・まずはなじみのある分野から切り出した。ヒトラーのカルトは、ひとつの核となる信念を基礎に築かれた。アーリア人の優越性である。軍事力による征服やユダヤ人の抹殺は、ナチスの公式もしくは公然の目的ではない。アーリア人が世界という舞台へ進み出た場合の必然的な結果と見なされていた。それが『わが闘争』で示された主張であり、ヒトラーが党大会で吐くでたらめな暴言の本質なのだ。

 ホーンは、トローへの意見に反論できなかった。第三帝国の影響を受けながら暮らしていた者はだれでも、ヒトラーの人種差別政策を身をもって理解している。しかし、トローへは、ヒトラーの思考の流れや、アーリア人が優勢だとヒトラーが考えるに至った理由をもっと深く理解する方向へ、ホーンを導いていた。

 

・ヒトラーのカルトは、世紀の変わり目にヨーロッパ中でもてはやされた摩訶不思議な信仰を継ぎ接ぎしたものにすぎない、というのがトローへの説だった。ひとつは、人種による社会階級の区別で、亜麻色の髪をそなえた北欧系の白人男女であるアーリア人が、遺伝子の優位性のピラミッドで頂点に立つ。アーリア人が使っていたルーン文字は、世界各地で巨石遺跡や羊皮紙の巻物に記されているのが発見されている。もっとも有名なのは、ドイツやゲルマン民族がいたその他の国、北欧諸国にあるものだ。この秘儀めいた神秘主義によれば、アーリア人の祖先の起源はヒマラヤであり、それ以前は、トゥーレ(極北の地)というどこだかわからない極地にいたという。

 

<イエス・キリストもアーリア人とされた>

・ヒトラーもヒムラーも、肉体・精神ともに完璧な人種として神がアーリア人を創造したと信じていた。アーリア人には文明を築くのに必要な天才のひらめきがあり、テレパシーのような超人的能力を授かっていた。過去を覗き、未来を予見することができた。アーリア人は絶滅する――遺伝子的に劣った人種との交配の結果だった――前に、永続的なすばらしい物事すべてを世界にもたらした。アーリア人の成し遂げたことやその無窮の真理を研究することにより、ナチスがフォルク(民族)と呼ぶ古代アーリア人の社会精神を取り入れれば、その直接の子孫である現代のドイツ人は、それらの能力をふたたび発揮して、世界という舞台でしかるべき地位を得られる。

 

・さらに重要なのは、ヒムラーの学者達、つまりアーネンエアベが、ヒトラーの大方針を進めるにあたって演じた役割だ、とトローヘは指摘した。古代の民族の精神を現代の人間に呼び覚ますために、古代の風習、摩訶不思議な伝承、アーリア人の無窮の真理を研究したのは、そこの学者たちだった。そのためにアーリア人の集落跡や聖地を発掘し、そこで発見したルーン文字を解読し、アーリア人が創造した宗教的な表象や偶像のたぐいを突き止める必要があった。アーネンエアベの考古学者たちは、歴史的遺跡を掘り起こしてアーリア人の存在を追い求め、言語学者は古代の地名を研究してアーリア人の移動をたどる地図を作成し、土占い師は、地磁気を調べ、将来、ナチスが移住できるような伝導力がある、アーリア人の神聖な土地を探した。

 

<優等人種についてのヒトラーの主張>

<アーリア人による世界革命を目指す教説>

・ヒトラーのディートリッヒ・エッカートやトゥーレ協会の会員とのつながりは、物的証拠がもっとも多いが、さして重要ではなかった。トゥーレ協会は、アーリア人の人種哲学と有害な軍国主義を組み合せた研究集団だった。名称は伝説にあるアーリア人の祖国に由来し、アーリア人の起源の秘密を突き止めるためにルーン文字を研究していた。ヒトラーが勃興した時期、この教会との結びつきについて一冊の本が書かれたほどだったが、その本もこの問題に関する公の議論も、その後ナチスによって禁じられた。ルター派やカトリック教会の反発を怖れたからだった。

 

FBI超能力捜査官マクモニーグル』2007/2
「遠隔透視」部隊の現実  (並木伸一郎・宇佐和通) (学研)

<幽霊のハンス>
・幽霊もよく見る。亡くなった妻の母も会いにきた。陸軍時代、ドイツでも幽霊を見た。長旅を終えて新しい宿舎に着いた夜のことだ。洗濯をしようと地下に行ったが、どの部屋が洗濯室なのか分からずうろうろしていると、年老いたドイツの男性と出くわした。ドイツ人だと分かったのは、民族衣装を着ていたからだ。

・彼に『洗濯室はどこです』かと尋ねると『ああ、こっちだよ。ついて来なさい』といわれ、『ここだよ』と、部屋まで案内してもらった。私は、礼を言って洗濯を始めたが、目をあげると、彼の姿はもうなかった。

・私は、ドアと彼の間に立っていたから、彼が出て行くのに気付かないはずはない。不思議に思って、あちこち探したが見当たらなかった。
 
・同僚たちの部屋に向かう途中で、ふと当り前のことを思い出した。そこは情報関係の建物で、ドイツ人が出入りできるわけがないのだ。部屋に入って、『あのドイツ人は誰だ?』と聞くと『ああ、それは幽霊のハンスだよ』と、あっさりいわれた。部隊では有名な幽霊だったようだ。悪さをしないが、頻繁に姿を見せるという。

・現れたり消えたりしながら、アメリカ兵とのコミュニケーションを楽しむらしいのだ。その建物に取り付いているのだろう。ドアを開け閉めすることや、あるいは皆がいる部屋に入ってきたり、ポーカーをしているテーブルの脇でじっとしていることもあった。兵士の一人が怒って灰皿を投げつけたら、灰皿はハンスの体を通り抜けて壁に当たった。

 


『大いなる秘密」』

(レプティリアン爬虫類人)
(デーヴィッド・アイク)(三交社) 2000/8

 

 

68光年の彼方から火星経由、地球にシュメール文明を打ち立てた金髪碧眼のアルデバラン星人>
<牡牛座のアルデバラン>

・ドイツの研究者ヤン・ファン・ヘルシンクは、その著書『二十世紀の秘密』のなかで「ヴリルとトゥーレの両秘密結社は、1919年12月ベルヒスガーデン・ロッジで、マリア・オルシックとシグルンという2人の霊媒を通じて、異星人との交信を試みていた」と述べている。ヴリル・ソサイエティー関連の資料によると、それらの通信は、地球から68光年の距離にある牡牛座のアルデバラン太陽系の二つの惑星からなる「スメーラン」帝国とのあいだで行われていたという。

・同資料の説明を続けて紹介しよう。アルデバランの人々は、明確に二つのタイプに分けられているという。一つは光の神と呼ばれる金髪碧眼のアーリア支配種であり、もう一つは気候変動によって遺伝子的に劣化した、いく種かの亜人類である。5億年以上もの昔、アルデバラン太陽は、膨張とともにすさまじい熱線を放射し始めた。そのため「劣等な種族」は、居住可能な他の惑星へと避難させられたという。そしてついに光の神アーリア人種も、母星からの退去を余儀なくされたのであった。このような経緯で我々の太陽系にやって来た彼らは、まず最初に惑星マローナを占領した。

・惑星マローナはマルドゥクという名でも知られており、ロシア人やローマ人はこの惑星をパエトンと呼んでいた。火星と木星のあいだ、現在のアステロイド・ベルト軌道にあったとされるこの惑星は、古代シュメール人の言う惑星ティアマトに相当している。その後、金髪碧眼のアルデバラン星人は火星に植民し、続いて地球へと下りてシュメール文明を打ち立てた。・・・少なくともヴリル・ソサイエティーの人々は、そう信じていた。