恩田陸 夜のピクニック | 山茶のブログ

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夜のピクニック (新潮文庫)/恩田 陸
¥660
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内容(「BOOK」データベースより)
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。


恩田陸、初めて読みましたビックリマーク

女性の方だったのですね!?


さわやかな青春小説でした。

高校時代最後に、

ただただ、歩く。一日中歩く。夜中歩く。

修学旅行の変わりに、皆で歩く。

80キロ歩く。


それだけ聞いたらつまらないと感じる作品なのに、

読んでみたら、内容が詰まっていて、

出会えてよかったと思う作品でした。


80キロ分、青春が語られてます。

一日中歩かないと、語ることがなかったであろう、

友達との会話がなんとも心地よかったです。


人物設定、展開に驚かされました。

話が進むにつれて、色々と明らかになって、

どっひゃーと叫んでました叫び

おいおいおいおい、そういうことかよと、叫んでました叫び


親友だから話せること。

親友だから文句を言える。

親友だから文句を聞ける。

そんな関係、そんな時間が、うらやましく思えました。

修学旅行の夜中以上に、

歩行祭はそんなことを味わえるのでしょうね。


杏奈のおまじないにグッジョブグッド!と言っちゃいました。

貴子のお母さんのお願いに涙目しそうになりました。

ゾンビの粋な計らいにナイスグッド!と言っちゃいました。

亮子の行動にイライラむかっしました。

プラスの優しさ。マイナスの優しさのお話は為になりました。


何より、融と忍の関係、貴子と美和子と杏奈の関係、

貴子と梨香と千秋の関係、忍と貴子の関係、

そして融と貴子の気まずい関係。

色々な男の子人間関係女の子がとてもよく描かれていたと思います。

読んでいて楽しかった。


僕は散歩が結構好きです。夜中に歩くのが好きです。

音が少ない、視野が狭い中で歩くと

色々考え事が出来るから。

気持ちがスッキリします。リセットできます。

特にこの季節は歩きやすいので、ついつい深夜徘徊しちゃいます。

職務質問されないように気をつけながらね。

この作品はそれを集団で、きつい思いをしながらやっている。

すんばらしい青春だと思います。


あぁ願わくば高校時代に読みたかったなぁ。

忍の発言じゃないけど、「タイミング外した」なぁ。



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みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。

どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。

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この本を読んだら、この言葉の深さを味わえました。


この本は他の人に薦めたくなる本です。

本屋大賞をとったのも頷けます。


願わくば、アナザストーリーを見たい。

歩行祭で歩いている他の人の物語を読んでみたい。

今回は恋愛、兄弟がメインだったけど、

将来の不安を描いて欲しい。受験の不安、就職の不安を。

それか、アフターストーリーを見たい。

その後、どうなったか。短編でいいので。

あ、でも自分の期待と大きく違ったら困るから、

アフターストーリーは読まなくてもいいかな。


そう感じるほどの本でした。


★★★★(8点)




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