一時退院

~自宅での二週間

主人は少しブログに書いてます(50周目のピットイン・7・8)


短い余命を宣告され、手術をひかえ、 まだ、特に症状が表れてない、

今の主人が何を求めるかを、私は沢山想像してました。 いえ、確信してました。

26年、一緒に暮らしてきた主人の事です、自信さえありました。


もし自分だったら~と置換えつつ、思い描いた様々な事。

まず、これからを考え話し合うために、夫婦で旅に出るのだと思ってました。

それから、いつも話してた、海が見える二人で暮らせる小さな家を、探し始めると思ってました。 他にも色々・・・ 

今思うと、それはその時私が望んでいた事だったのです。 


でも・・・少なくとも 

主人の様々な夢は、叶えていくと思ってました。   

ヨット・・ 海外・・故郷の海・・



ところが、主人は、この二週間に、そのどれも望まなかったのです。

少しでも、子供達と一緒に過ごしたい、と言いました。

そして、越してきたばかりの家で、

普通の暮らし~をしたいと。

植木を切り、万年青を手入れし、本の整理、



私は、すぐに理解する事が出来ず・・勿論、主人には平静を装いました。

その主人の気持ちを受け入れるのに数日が必要でした。

その間、どうしても独りで消化出来ず、娘に話しました。

父さんは、もう母さんと二人で何かをするつもりはないのだと、

そう言葉にして、更に哀しくなりました、

その時はただ、哀しかったのです~娘は黙って聞いてくれました。


主人は、とにかく落ち着いてました、焦る私に、

まあ待て。

これを何度も繰り返しました、

まあ待て。


でも、これは、主人が必ず治る、治す、という気持ちで考えた事だと、後で判りました。

やはり、夢や望みは一緒でした。ただ、違っていたのは、治ってから!!

それが、私との違いでした。

主人も、全く同じ事を思ってました。

ただ、私は、治す前に叶えて欲しい!!その思いで、一杯だったのですが~



自宅での生活は、毎朝起きて直ぐのジョギングから始まりました。

コースは同じ、近くの(碑文谷八幡様)まで、その先の(雀のお宿公園)まで行った日もあります。


このジョギング、初め私は猛烈に反対しました、身体が心配だからです。

でも、全く聞き入れてくれません、さっさと出かけてしまいます。

仕方なく一緒に楽しむことにしました。


すぐに、反対した事を謝りました。

行く道すがら、犬の散歩の方と顔見知りになり、挨拶を交わし~

家々の季節の花を眺めては~~沢山の話をし、


主人は、活き活きとしてました。


ちょうど、二人が大好きな金木犀の香る頃で~

清々しい素敵な時間でした。


今、その道を独りで歩くと切なくなります、

それくらい、心にやき付けながら、毎朝歩いた道です。


八幡様では、毎日少し、お賽銭を持参して、お参りしました。

願い事は、毎日同じ、 奇跡を!お願いします!



八幡様の敷地では、朝陽を浴びながら、それぞれに軽いストレッチをしました。

一度だけ、二人で、背中合わせで腕を組み交互に乗せあう(元気な時に自宅でしてました)のをしました。

主人は、人目を気にする事が全くなかったので、平気な顔をしてます、私は周りを見渡してしまいます。

結局いつも主人の云うとおりにするのですが、~~人目を気にするのをヨク叱られました。


でも、その時~

主人の背中で見た、朝陽を浴びた木々と、その隙間から見える空が眩しくて~~~とても感動したのを、今でも思い出します。


そして、

主人はホントに病気なのか~と思える程~~元気でした。



昨日の事のようです。      

                                  yamatsuma