退院夜の自分の寝床の心地良さは、言葉にはならない。翌朝休日ということもあって惰眠を貪った。と言っても習いか7時にはおきた。きょうは会社は休日ではないらしい。息子と社員を送り出すため、起きてしまった。
メールをたくさんいただいた。ここで纏めては、失礼ながら、とりあえずお礼申し上げます。
あわてず養生しろの暖かい言葉の数々。深く感謝します。
丁度退院の日に、歳の離れた従兄弟が上京した。28歳。今年結婚した。医者である。彼は、血筋から医者の道を選んだわけではない。自分の父親の病死の時、小学生であった。告別の式典で、割と軽い表情をしていた。周囲の人間に悲しくないのかと尋ねた。・・・泣き切るほど、血が滲むほど泣いたらしい。
そして、医者への道を選び、そのようになった。久しぶりの彼は相変わらずの笑顔であった。悲惨さは微塵も見せなかった。彼の結婚披露宴の挨拶。
私は、幼くして父を亡くしました。きょうまで私を支えてくれた・・・思い出した父との永別の時のためか、言葉は泪となり途切れた。・・・その彼に、頑張れの声を一斉に掛けたのは誰あらん。
友だった。
私ももらい泣きしてしまった。泪が止まらなかった。
いい医者になれ。私には、その言葉しかない。