2008年に閉鎖された万博公園にある旧児童文学館の建物の跡地利用が今後も宙に浮いたままというニュースが流れました。
では現在の児童文学館跡地はどうなっているのか見に行ってきました。
道路の案内板には児童文学館の表記が残っている物も結構ありました。
建物裏側は雑草が手入れされていない様子でした。
がらんとした室内が伺えます。
建物正面にある彫刻。プレートには、「ハンザ同盟の自由都市ブレーメンからグリム兄弟生誕200年を記念し寄贈されたもので、ブレーメンの彫刻家が原石を西ドイツから運び、この地で製作されたもの・・・」とあります。
現在でも児童文学館の廃止反対運動は完全に終わったわけではありません。
しかし仮にこの地で再オープンしたとしても、利用者や立地面で厳しい道のりを歩むだろうと思わざるを得ません。
公共の施設だからといって赤字のまま許容される状況ではなく、行政のアピールや補助金頼みでは維持管理出来なくなっているのも現実ではないでしょうか。
どんな施設でも、仏作って魂入れずというか、文化施設をハコモノにしてしまうかは、行政頼みより府民・地域の住民の力に掛かっていると思うのです。
児童文学館が廃止されたのは2009年です。橋下知事(当時)が廃止表明をした際に署名集めや抗議行動もされていたのですが、そのことに無関心だった大阪府民(もちろん自分も含めて)は、今さらながら反省しなければならないと思います。
「本を焼くものはやがて人間を焼くようになる」とは、ベルリンの焚書の広場に書かれているハイネの言葉ですが、現在に至る大阪府政・市政に、そっくりそのまま当てはまるのではないでしょうか。
廃止された旧児童文学館を改めて考えると、“無駄だと思った公共施設”を廃止した先に府民の生活に何が得られるのかを教えてくれるように思えます。