震災がれき受け入れ説明会の先にあるもの

 さて山本太郎氏は、今回会場に来た人は残念ながら少なかった。だから今度は1人10人に声を掛けて今度は1万人近くを集めましょう、と言ってました。
 おこがましい事を承知で言わせてもらいますが、これは山本氏と意見が異なります。

 では、今回市役所前に官邸前デモと同じ20万人が押し寄せたら、がれき受け入れを撤回するのでしょうか。
 恐らく、マスコミも取り上げざるを得ない程度で、結局は原発再稼動と同じで、政治判断で強行するだけの話だと思うのです。

 また、周りの人に声を掛けてと言いますが、ほとんどの人は、ネットを通じて知り合った人だと思います。
 職場や友達といった身近な人に対して、原発や放射能の話題を持ち出しにくいのが現状ではないでしょうか。
 それこそ選挙前になると、「公明党に一票お願いします」と言ってくる人がいますが、それと同じで軽くあしらわれるだけだと思います。

 もちろんそれらは山本氏も承知のことでしょう。
 何より、市民のパワーに驚嘆しながら参加者を労っていた、あの口調に表われているのだと思います。

 市民が立ち向かう相手は、橋下市長だけではなく、決める政治の下に全体主義を企む政治手法であり、自身の選挙の事しか考えない議会や、大本営発表のマスコミであり、相変わらず無関心でいる市民ではないでしょうか。

 さて、彼らはここで、がれき受け入れ抗議行動をあきらめるのでしょうか。そんなことはないでしょう。
 前も書いたけど、彼らは行政に直接対峙するネットを駆使して政治活動する先駆者だと思うのです。

 参加者は少ないのが現状ですが、脱原発デモと同様に最初は少なくても、今後、放射能に対する危険意識と対峙するにあたって、当事者意識で政治に参画する人は増えていくと思うのです。

 今回の説明会も、メディアというフィルターを通して見ると、「橋下市長に対して一部の反対派が騒いでいるだけ」に見えてしまうものです。
 しかしそれは脱原発デモと同じで、最初は人数が少なかろうが、行動に計画性がないと言われようが、僕は彼らやママさん達の「“衝動”に大いに感じるもの」があったのです。
 今回の彼らの爆発力を見て、それこそ紫陽花革命と言いますが、大阪にちなんだ「イチョウ革命」の誕生の瞬間に立ち会えたような気がして仕方がないのです。