細々とした地域コミュニティーをメディアという大ナタで淘汰させる

 橋下知事を見ていて不思議に思うのは、あれだけ支持率が高く、街頭演説も人だかりが出来るのに、選挙になるとさほど投票率が上がらないことです。これはいったいどういうことでしょうか。

 維新の会の政治手法は、私学への助成金削減や国際児童文学館廃止、成人病センター移転といった、補助金削減や行政サービスのカットや地域コミュニティーを破壊してきました。

 しかし、いくら地元住民が反対している姿を見ても、メディアを通してみる限り、それは他人事に映ってしまうものです。
 今まで「橋下知事は周りの反対にも関わらず、改革のために頑張っているなあ」と思っていたのが、ある日突然、自らの地域が「改革の対象」になってしまう。


 その後、メディアのイメージで作られたまま、世論調査や選挙が行われ、高支持率の調査結果やダブルスコアで当選することを見せ付けられることにより、その地域の人達は行政に対して失望感を憶えるのではないでしょうか。
 地域コミュニティーという細々とした存在が、「メディアという大ナタ」によって根こそぎ淘汰させていくことにより、行政に失望感を憶えた人は関わり合いを持たなくなり投票をしなくなっていく・・・。
 それが、選挙になっても投票率が前回よりさほど上がらない理由だと思うのです。

 したがって橋下知事の支持率は高止まりするのは、こうした細々とした不満の声が、ひとかたまりにならずにNOを突きつけないからではないでしょうか。

 その結果、維新の会が低投票率・低得票率で躍進してしまう、いや、低投票率だから躍進できるのではないでしょうか。



3/4 無党派層でなく「無当事者層」から支持されている