新宿西口焼き鳥横丁…通称しょんべん横丁。昔は親父飲みにピッタリの下町酒場的な雰囲気があって、堅気の若い人は通ることもはばかられた場所だった。俺も初めて連れていってもらったのが、大学の部活の先輩だったなあ。常連らしく、店員(店長?)が隣の客が残した串をこっちに回してくれたのを覚えている。先輩、どんだけ貧しい飲み方してたんですか…。確か人生で初めて豚足を食べたのも、この横丁だった。が、今や女子供から外人観光客まで何の危機意識も無くワンサカ訪れる観光地に。駅から0分という立地の良さもあって、常に賑わっている。この日は、執事(ブログ管理人)と一緒に訪れた(実は2軒目)。

しかし、一番お目当てにしていた店は満席。シャリ金が置いてあるという評判の店だったのだが、この日だけでなくいつ行ってもギュウギュウになっている。これまで入れた試しは無い。いつか行ってやるぞ! 代わりに入ったのがこの店。実は二人で入るのは2回目。通路に面しているテーブルには、ガタイの良い外人男二人と女一人が座っていた。

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暑くなってきたのでとりあえずの生ビール!といきたいのを我慢する俺達。プリン関係の事情で避けている俺(でも、レバ刺しは食う!)と、テストステロン関係の心配で避けている執事。しかし、ホッピーセット(500円)はさすがの観光地価格! 浅草の煮込み通りを髣髴させる。しかも中300円って!

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串は5本盛り合わせを注文。先に箸休め用にゆず大根(400円)を頼む。さっぱりしていてちょっと甘味がある。べったら漬けみたいな味。

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ここの売りは味噌ダレ。紙に書いてデカデカと貼られているくらいアピールしているが、確かに食べないと損。野方という名前からも連想されるように、店長は野方の「秋元屋 」で修行していたそうだ。この時焼いていた人はそこで修行したわけではないが、きちんと焼き方は伝授されていて焼き方は悪くない。炭は練炭とかみたいだけど、うまくこなしている。それよりこの閉鎖的な空間で炭を扱い続けて大丈夫? つい最近、居酒屋で七輪出して一酸化炭素中毒になった事故があったそうだけど、ここだってかなり風通し悪そう。熱中症も含めて、極めて危険な気がする。そうやって命がけで焼いた串、レバ、ハツ、タン、かしら…もう一つは何だっけ。焼き過ぎ、肉の臭み等も無くきちんとしている。一本150円ってのはさすがに高いけど。

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そしてレバ刺し。もうすぐ食えなくなるからね。クニャクニャだけど臭くない。本家「秋元屋 」はもう刺身は扱ってないはずだから、「野方屋」は昔の名残ってことでけっこう昔に独立したんだろうな。調べたら、高円寺とか西荻窪、方南町とかにもある小規模グループ店らしい。上板橋をはじめとして大山とかに広がった「ひなた 」といい、クオリティを維持して店舗展開を広げるのは嬉しいこと。大体、支店を出すと劣化するケースが多いんだ、これが。そういう店はどんどん淘汰していってもらいたい。やきとん居酒屋は今、生存競争の時代に入った!

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Text by 大王

野方屋 新宿思い出横丁店焼きとん / 新宿西口駅新宿駅西武新宿駅
夜総合点★★☆☆☆ 2.4