LAMY 2000 4色ボールペン

中年探検団中年探検団



買う予定は全くなくったのだが、Amazonで本を注文した時に、オススメに5170円で表示されていたのに目が止まってしまった。

前々から興味は有った四色ボールペンではあった。
他の所謂ブランド筆記具メーカーで四色ボールペンをラインアップしているところは無く、高級筆記具系では稀有な存在。(Rotring社やステッドラー社が4色ボールペンを出しているが、両者はまだ製図用品メーカーの位置を抜け出せてはいない。)

発売以来50年程にもなるベストセラー製品で、その間全くデザインチェンジをされていないということだ。それだけ飽きのこないデザイン、造り、使用感があるのだろうと思う。

しかし、モンプランとは言わないが、ペリカンでもない、所詮LAMYだし、流石にボールペンに10,500円は無いだろ~、というのが正直なところだった。
ただ5,000円ちょいなら、国産の単発品のマルチペンより1~2000円高いだけで、より高級感があって、稀少性もあるのでお得だ、と思わず発注してしまった。ほぼ半額なのでお買い得には違いない。

軸はペン先部はステンレスだが、軸本体はレジンとのことである。
レジンというと何だか高級っぽい響きもあるが、樹脂の総称である。
合成樹脂、すなわちプラスチック類もレジンの分類に入る。
素材はポリカーボネートとのことだ。硬質プラスチックの一種である。
素材が合成樹脂なので見た目に比べるとかなり軽い。カランダッシュの849と同じくらいではないかな。

この製品が一般的な素材である合成樹脂を軸胴に使っているにも関わらず、そこそこの高級感で人気である理由の一つが、軸の表面仕上げと先端ステンレス部のヘアライン加工にあると思う。

レジンの軸胴からペン先部のステンレスまで縦に引っかいたようなヘアラインの加工がされているため、プラスチック特有の安っぽい光沢を封じている。
その上このヘアライン加工のおかげで、国内製品に良くあるすべり防止のラバーを取り付ける必要が無いためすっきりとしたデザインながら、持った手になじむ特徴を有している。

軸全体は紡錘系の形状で、派手さは無いが、綺麗なデザインである。長年愛されているだけのことはある。
軸の下から1/3位のところで上下に分かれてリフィルの入れ替えができるのだが、繋ぎ目が目を凝らしてもわからないくらい仕上げが綺麗である。最初は、どこからリフィルの入れ替えをするのか判らず、下のステンレス部を一生懸命回そうとしてしまった。そのくらい、軸胴のつなぎ目がわからない仕上げになっている。


4色の色替えは、ペントップに配色された色ポイントを上部に向けてノックするとその色のリフィルが出るというもの。また、クリップは世界初のスプリング内蔵式。これらどちらも、今となっては他の製品でもほぼ当たり前に見かける機能である。

クリックした感触がちょっと変わっている。
他のマルチペンでは、カチっというしっかりとした音がすることが多いのだが、LAMY2000のは、シャリっという擦れる様な音である。クリックの確実感には乏しいのだが、なんだか上品な音である。

カランダッシュの849オフィスラインのボールペンのクリック音もとても静かだ。
欧州製品は固い音を嫌うのだろうか。849でもこのクリック音とダイキャスト製の軸胴が、他製品に比べてちょっと違う感、やや高級風味を醸し出しており、一本定価で2500~3000円近いにもかかわらず人気を得ているようだ。

日本の筆記具メーカーの技術力は世界一レベルであることは間違いないと思う。
ZebraのシャーボXのような製品を海外メーカーは造りきらないだろう。
同じZebraのClip-on-multiは4色ボールペンにシャープまで付いて、軸はペン先から半分が金属製で、軸塗装も優れて2000円である。
こんな優秀な製品を作っているにも関わらず、シャーボXにしろ、Clip-on-multiにしろ、文具店での取り扱いは一般筆記具コーナーである。銀座伊東屋ではM2Fには置いていない。

日本のユーザーはなぜ欧州製品に魅力を感じるのだろうか。
単なるブランド志向だけではにのではと思う。ユーザーの所有感を高めるには、機能の高さだけでなく、上記したクリック音等の五感に訴える必要があるのだろう。
そういえば、車の世界でも、高級車はエンジン音はさることながら、ドアを閉じた時の音にまでこだわると聞いたことがある。それと同じなのかもしれない。

LAMY2000 4色ボールペンのリフィルは4C互換ということだ。
ただ、LAMY標準のリフィルの評判は必ずしも良くは無いようだ。
欧州製のボールペンリフィルは日本製に比べるとインクフローが多い。ヌラヌラかけるのだが、機構の精緻さ不足もあるのだろうが、書き出しが弱いし、ボタ落ちをすることもある。

これまで様々の欧州製を使ってみたが、書きやすさという点では、モンブラン>カランダッシュゴリアテ≒ペリカンであり、残念ながらLAMYのリフィルは低いレベルの評価に留まっている。
そのためか、国内製の4Cにリフィル交換をしているユーザーも多いらしい。特にシャーボXの替えリフィルが良いようである。一度試してみたいと思う。



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