忙しい自慢をネットでやると反感を買うだけだが、事実として4月から異常に忙しいのである。次の給料の残業代が楽しみなくらい忙しい(やっぱり自慢か)。そんなわけで4月スタートのアニメもHDDに録画が溜まる一方なのだが、なんとか時間を作って少しづつ消化している。直感で8作品を決めうちして、とりあえず2話まで見たので、感想を書いてみた。関東ではすでに放送はだいぶ先まで進んでいるけど、あくまで第2話までの感想です。

『悪魔のリドル』(監督:草川啓造/制作会社:ディオメディア)は、12人の暗殺者と1人のターゲットが学校の同じクラスになってどうのこうのという、そんなこといきなり言われても困る話。第1話では目つきの悪い連中の中で浮いているあからさまにターゲット然とした少女がいて、「本当に彼女がターゲットか」という引っ張り方をするのかと思ったら、第2話であっさりネタばらし。しかも彼女、皆から狙われてることすら全て知ってるのね。サスペンスで引っ張るわけじゃないらしい。なんかシリアス気取ってるが、そういう路線ならやっぱりその唐突な設定を視聴者にも納得させるような努力が欲しいところ。裏で糸を引いていそうな狂った人間(もちろん誰もいない部屋で高笑いしてる)を出しとけばいいってもんじゃない。あ、ちなみに暗殺者もターゲットも全て美少女です。それにしても、赤い長髪を頭の後ろで束ねた勝気な少女が、いつもポッキー咥えていて、あろうことか「食うか?」って差し向けてたりしてるのは、パロディのつもりなんだろうか。無自覚だったら怖いわ。

『僕らはみんな河合荘』(監督:宮繁之/制作:ブレインズ・ベース)は、男主人公がかわいいけど一癖ある女たちと一緒に寮生活をすることになる、王道のハーレムファンタジーもの。メインヒロインが「愛想のない謎めいたクールビューティー」というのも王道だが、第1話から素の表情を視聴者に見せちゃダメだろう。と思ったが、例えば「みんなと無邪気にシャボン玉で遊びたいけれど素直にやりたいと言えなくて誘われアピールをする」みたいなキャラクターだった。しかも周囲はそれを見抜いていて、彼女にあわせてノってあげている。このヒロインが作中で一番子供なんだよな。サブも含めた女性陣を一段低いものとみなして、結局はちょっと手のかかる愛玩物として扱っている。それでも別にいいけど、主人公が一番大人だと、物語の帰結が難しいと思うんだが。成長譚が使えないから。

『彼女がフラグをおられたら』(監督:渡辺歩/制作会社:フッズエンタテインメント)は、タイトルから予想つくとおりライトノベルのアニメ化。いわゆるフラグが見える少年と、彼に群がる美少女どもが折りなすコメディ。このジャンルに詳しくないので本屋で見かけるタイトルだけで判断しているが、なんかライトノベルって、作品と読者の垣根が無い感じがする。だってフラグって本来、読み手の側が勝手に言ってるだけであって、作中に取り込んだ時点でそれはメタなはず。ライトノベルには「無自覚なメタ」というひとつの大きなジャンルがある(繰り返すけど、実際に読んでおらず、タイトルだけで判断してます)。ただこのアニメ、第2話のラストで「フラグとはなんぞや」という自己批評的なところまで踏み込みそうな、まさにそんなフラグを立てていた。まあ、メタやるならそこまで踏み込むべきだけど、でも本当にそんな深い話になるなら、これは掘り出し物かもしれない。あんまり期待するのもアレだけど。今回あげた中で、第1話より第2話でグッと期待が高まった唯一の作品。ちなみに「がをられ」って略すらしいよ。

『ソウルイーターノット!』(監督:橋本昌和/制作会社:ボンズ)は、『ソウルイーター』の外伝に位置する話。本編は『ONEPIECE』的な絵柄(って表現であっているか解らないが)やバトルシーンのスタイリッシュさが売りだと思ったが、この作品はだいぶ趣が違う。はっきり言ってしまえば百合要素込みの萌えアニメである、今のところ。第2話なんて、バトルシーン無かったぞ。別に本編に思い入れはないけど、色々とぶち壊しにしそうで心配。

ちなみに、ここまで挙げた4作品いずれも、主人公が寮生活をしているのだ。現実世界では衰退している寮なる居住空間だが、アニメの世界では現役バリバリである。「人間関係が希薄な現代だからこそフィクションの世界では人との繋がりを強制される寮という舞台が欲せられているのだ」みたいなエセ社会学めいた理由じゃなくて、単純に舞台が寮だと物語が転がしやすいからだろうけど。

[続きは明日]