農家の次男の嫁シリーズ・・・? 鬼嫁が行く・・・
ある日の日記
今日はこちらは晴れでした。
先日、お茶を引いて帰っていた柚子ちぎりをお昼から行って来ました
雨上がりだったのでGパンをはいて・・・
主人の里までは、車で10分ほどですから、丁度良い距離です。
畑に着くといつものように義母は仕事をしていました。
『ほぉ~・・来たかい。 ほな付いて行ってやろうか?』
すかさず私は「うん、そうして! 山は一人で行くと
マムシなどがいると大変だから・・・」
(実際、義父はここで3度もマムシに噛まれている^^;;)
雨上がりの赤土の山道は、健康な私でもずるりと滑って歩きにくかった
前には倒れた大きな杉が真横に横たわっているので潜っていったが、
ふと振り向くと足の悪い義母が、すったもんだの末にやっとこちら側に辿り着いた。
この時点でもう私は後悔していた。
かり出すべきじゃなかったと・・・
延々と悔やむであろうから・・・
実際、先ほどからずっと悔やみながら私の後をついてくる。
そのくらい喋り通しだと、クマでも避けるのではないかと内心思った。
目指す柚子の木は、下草生い茂る山の、
昔は畑であったろうと思われる所に10本ほど植えられていた。
『あ~ 鎌を持ってくれば良かった。こげん草がぼうぼう・・・』
繰り返し云っているので、振り向きざまに
「お義母さん、去年もそういいよったよ~」
それでもまだ喋っていたので、
お構いなしに、手前になっている柚子の木の方へ長い剪定ばさみを使ってちぎりだした。
『あー こまい(小さい)ね~・・・ キズが多いよ!』
後ろから目ざとく見つけた義母は云う
『あんた、手前よりも奥の方が他人がちぎらないから大きいのがあるよ』
下草の伸びているのを悔やんでいたのに、ケロリとして云う。
駕籠いっぱいはちぎっていたが、
義母: 『柚子胡椒は、貰い手が多いから、次の木を植えんと・・・あんたも何本か、植えとかんね?』
(ここのゆずの木は共有だったのか???)
私: 「いやぁー いいよ。」
義母: 『ちょっとは植えないと、うち(自分が)いなくなったら、あんたが柚子をちぎらんといかんばい!
長男の嫁は絶対しない。出来上がりはいの一番に欲しがり、自分の姉妹に送るけれどね~』
私: 「ああ、主婦はそのくらいでないと、家の切り盛りは任せられんよ~だけど、自分の分だけちぎって柚子胡椒
を作るようなことは出来ないよ今までお義母さんがやりつづけた人たちも欲しがるよ。それに、私も仕事に出ようか
と思っているから、無理よ~」
今年の義母は柚子の木を植えるなどと、バージョンUPしていた。
去年は、確か・・・
『私が死んだら、ここにメモしているからその通りに作って、娘の所に送ってね^^』
(この件を直ぐ娘に電話で伝えていた・・・^^;;)
私の頭は、今日は冴えている。瞬間に思い出してしまった。
一口に柚子胡椒を作るといっても、胡椒から植えないといけない。
広大な畑に、自分の家の分と主人の姉の分だけを植えて、
柚子をちぎり・・・・・・
義母の亡き後、それはどう考えてもチグハグだった。。。
隣の畝に同じものか、他の手入れを必要としている野菜類を見捨て
きっちりと自分の分だけなどという芸当は出来ない。
柚子の木が役に立つには10年掛かる。その頃には義兄は老いてもっと手伝いを必要としているやもしれない。
だが、このことは義母には云わなかった。
どうせ3日以内には知れ渡る。。。。
私の務めは、甲高く機関銃のように喋る母の相手をすることだ。
死んだあとの柚子の心配などはちっとも気にならない。買えばいいのだから・・・
今日の話相手をしながら、柚子胡椒は20kは軽く出来る位ちぎった。。。
しかし、また明日も柚子は招いているらしい
田舎の親戚が多いと鍛えられ方が違う。あくまでも、嫁の分際なのだから・・・
今年も自力で貰いに来て頂きたいものだ
たぶん、私の云ったセリフはもれなく付いて行くだろう・・・
だが、私は義母が好きなのだ。
正直で、苦労を厭わない。
365日、親戚知人に奉仕している。
私には逆立ちしても、それは出来ない。