残酷なことをここへ書いていいのか悩みましたが、実際の殺処分のことなんか報道されないので、書かせていただきます。
気分を害される方がいらっしゃるかもしれませんが、私の独り言だと思ってください。
昨日、処分の話を聞き、立ち会いたいと思う気持ちと、会社を休めないというい気持ちがあり、ずっと悩んでいました・・・
でも、『私は、豚たちのおかげで、ここまで育てられた』と思うと、いてもたってもいられなくなり、立ち会う決心をし、今朝、会社へ無理を言ってお休みをいただきました。
私の叔父は川南町の大きな畜産施設で働いておりましたが、口蹄疫が出てすでに処分されていました。
今は、殺処分で、各地の畜産農場へ行っているとのことでしたが、実家が殺処分ということで、休みをもらってきてくれました。
叔父が、殺処分の方法などを教えてくれました。
『電殺と、ガス殺』
とのこと・・・
午前9時に畜産衛生保健所の獣医さんや、役場の職員、叔父と同様に口蹄疫が出て、殺処分が終わった農場の方たち約30人が集まりました。
今日10時よりとうとう殺処分が開始されました。
開始前に、獣医さんより、
『私も本当に心苦しく、こんな事はしたくないのですが・・・ご理解お願いいたします。』
母豚(出産予定のある豚)は電気で処分し、子ブタは、ガス殺・・・
父に『お前は、帰れ!!』と言われましたが、最後まで見届けたくて、私にできることは、豚たちの最後の姿を覚えていることぐらいしかできないと思い、『絶対最後まで帰らない!!』と私の気持ちを伝えました。
母豚の電殺は、ホントにほんの一瞬で、あんなに大きい豚がバタンと倒れ・・・
体が痙攣し、まもなく息を引き取りました。
それでも生きている場合は、獣医が注射をしました。
ショックを与えるのを失敗し、悲鳴を上げる豚もいました。できれば、安らかに眠るように処分してほしかった・・・
そんな悲鳴を聞き状況を察したのか、なかなか部屋を出ない母豚がいたり、最後の力を振り絞るように、逃げる豚たち…
子ブタは2トントラックの荷台に詰められ、詰め込み後に上からブルーシートをかぶせ、ガスを注入・・・悲鳴が上がりました・・・母も私も子ブタの処分には耐えられませんでした。
そんな中、6月20日出産予定の母豚が出産していました。生まれた子ブタは、14匹(うち2匹は死産)。
父が、『子ブタが生まれているからちょっと何とかして』と母に言いました。
母は、『どうせ殺されるなら、生まれた子ブタは見たくない・・・』と・・・
そんな母と、私は、生まれた子ブタの羊膜を拭く作業を行いました。
母豚は子ブタに乳を与えることなく処分されました。
私が子ブタのところにいると、獣医さんが
『ここにいられると、やりづらいので、よそに行っていただけませんか?皆さん、畜産をやっておられるので、いられると、辛いんです・・・』
確かにそうです・・・私が処分する立場なら、見てほしくないですよね・・・
私は、ただただ作業が終わるのを待つだけでした。
午後5時過ぎにすべて終了しました。
最後に獣医さんから
『本当に今日は、すいませんでした。これは、あなたたちのせいではありません・・・どんどん口蹄疫が出る中で、今日この日まで、発症しなかっただけでも誇りに思ってください。あなたが御両親を支えてあげてください。』
私たち家族は、これですべてが終わりですが、獣医さんたちは、まだまだ次の処分が待っています。
精神的にも肉体的にも疲れているはずなのに、私たちのことにまで気を使っていただき・・・
こんな結果になりましたが、両親もいつ発症するかわからない恐怖から解放されたようです。
こんな気持ちの方々が沢山いると思います。
私たち家族のような人たちを生まないためにも、もっと国をあげて、この問題に取り組んでほしい。
管総理や、山田大臣は、殺処分を見たのか!?
もっとたくさんの農家と話して、現状を理解してほしい。データだけ見るのではなく、現場を見てほしい・・・
こんな内容になってしまったけど、最後まで読んでくださってありがとうございました。
これからも消毒は、欠かさず行います。
宮崎県民の皆さんもめんどくさいと思わずに、消毒にご協力お願いいたします。