タイトルに意味はありません。
仕事以外で乗る機会が一番多いのがANAなので、ANAの機内誌「翼の王国」には結構お気に入りの連載があったりする。
JALの機内誌「SKYWARD」には未だにどんな連載があるのか把握してない…
いちばん好きなのは、吉田修一さんの「空の冒険」という連載だ。その次はもちろん「おべんとうの時間」!!!!
その、空の冒険の今月の記事が非常に心に染みるものだったので、少しご紹介したく筆を取った次第であります。
その記事には、旅先での出会いについて、哀愁というか切なさというか、独特のあのもどかしい感じがとっても的確に書かれてあった。
引用していいかな。引用してしまえ。
楽しい一日を過ごし、別れる際には、「また来ますから」「そうよ、絶対来てよ」と言い合った。もちろんその時は本気だったが、旅先でのことだし、そう言いながらももう二度と会えることはないんだろうなと心のどこかで思ってもいた。
現在なら、ツイッターやフェイスブックを教え合い、交流が続くのかもしれない。
しかし、そういったツールでたとえ繋がったとしても、どれくらいの関係がその後も確実に続くのだろうか。旅の思い出が薄れるにつれ、やはりそこには距離ができ、徐々に疎遠になっていく。
ブツリと途切れる関係にもまた、それはそれで趣があるような気もする。偶然に起こった一瞬の出会いが、一瞬の出会いのままに終わる。「また会おう」と言いながら、「もう会えないんだろうな」とも思い、「じゃ、また!」と手を振る時の、あのなんとも言えない思いを、最近あまり感じていない。
手元にはたった一枚、みんなで写した写真がある。いつでも連絡が取れると思っていれば、もしかすると、こんなには大切にはしていなかったのではないかと思う。
要約できず、だいぶ引用しちゃったわー!!!ごめんなさいごめんなさい!!!!
あまりの的確さに、機内でこれを一人で読んだとき、今まで旅先で出会った連絡先もその後の消息も分からないたくさんの人達の顔が頭に浮かんできて、不覚にもぼろぼろと泣いてしまった。
周りのお客さんはギョッとしたに違いない。。
あの家族は、あのひとは、今どうしてるんだろう。元気にしているだろうか。
沢山の出会いが一気に頭の中に蘇ってきて、もー全然堪えられなかった。
人生でたった一度、ほんの数時間一緒に過ごしただけで、その後全く人生が交わることはなかった人達だけど、ちゃんと自分の心には残っている。
もちろんFacebookは便利だし、そこで色んな人の近況が分かると安心する。
結婚した事とか、また新しく旅に出た事とかを知って、嬉しくなったりもする。
けれど、何も近況が分からないからこそ、「どうしてるかなぁ」とただ自分の中だけで思い返す時間が生まれるんだと思うし、それはそれで私の人生にうるおいをもたらしてくれていると思う。
あだ名しか知らない、もしくは名前も知らないけど、それでもふとした時に思い出すと、心をほっこりと温めてくれる存在。
そんな存在が自分の人生にはあるのだと思うだけで、嬉しくて泣けた。
人見知りするわ連絡不精だわでとてもとても人付き合いが上手いとは言えないし、
一人でも平気で行動できる方ではあるけど、やっぱり「出会い」の要素があるからこそ旅は面白いし、だからこそ旅が好きなんだろうなあ、と思い返した次第です。
オチなんてもんは無いです。