其の百弐拾九 坂道のある街
高台寺の前を過ぎ、二年坂のほうに向かう。
八坂の周辺もたいそうな人人人であったが、こちらは道が
狭い分、その度合がヒドイ。
何だか太秦の映画村みたいな光景であるが、個人的には
ここから二年坂、産寧坂方面に向かうコースは好きである。
が、しかしそれは人が少なくてこそである。
芋の子を洗うようなこの時期においては、むしろ逆である。
正直、人の多さにうんざりする。
ぶらぶらとまずは二年坂に入る。
と、そこに、
「とっ、父ちゃんっっ!!!」 (ToT)
全く他人とは思えないこのキャラ。
思えば最近、どんぐり王国はどこにでもあるような気がする。
その勢力分布はかつての「ムツゴロウ王国」の比ではない。
しかも、いつ店に入っても混んでるんだよなぁ、、
ミヤザキ王国はカネ儲けが上手だ。
さて、ぶらぶら、というよりは押されながらの微速前進。
しかも目に入ったのは、
まさに滝登りをするような人人人の群れ群れ群れ、、
遠目に見ると、ベルトコンベヤーで持ち上げられているよな
感覚である。
まぁ、停滞せずに動いているようではある。
とにかく人の流れに乗るしかない状態で、魅力あふれる
左右の店をゆっくりと眺める由もない。
坂の途中に素敵なしだれ桜が一本。
人さえ居なければ、日本百景にしても良いぐらいの絶景。
ドラマの一場面に充分耐えうるほどのステキさである。
産寧坂に至っては、更に人人人。
正月の石切神社の参道(何とマニアックなっ、、)も大概は
人だらけだが、あちらは所詮は近隣レベル。
こちらは国際観光都市の中でも、世界遺産の門前に位置
するそれこそ世界的な坂道なのだった。
想像通り、外人さんも多い。
欧米、東アジアを問わず、おそらくは北海道沖縄まで、、
朱塗りの門前も人だかり。
奥に見える三重塔付近も黒山の人だかり。
そう、清水に最も来てはイケナイ時期に来てしまったのだ。
元々周年通じて観光客は洛内でもズバ抜けて多いエリア
であるが、やはり今日の混雑は尋常ではない。
しかも澄み切った青空、、
こんな日には、よほどの出不精でない限りは桜の匂いに
つられて彷徨い出るに違いない。
三重塔の脇をすり抜け、というよりも実際はトコロテンの
ように押し出されて拝観券売場前に到着。
さても清水の舞台は、
おぉ、やっぱり、、、(-_- ;)
しかもこの大混雑のさなか、播州清水寺の御仁方々が
舞台のど真ん中で大太鼓の実演中、、
いやはややはり来てはイケナイ日に来てしまった。
舞台の下もどうやら人人人の群れ群れ群れ、、
おぉっ、、、
果たして無事に境内から脱出できるのだろうか、、(ToT)