「記録に残る」と「記憶に残る」は、
似て非なるところがある。
記録に残らなかったために
長く記憶されるだろうニュースが米大リーグから届いた。
完全試合とは、打者を一人も塁に出さずに勝つことをいう。
投手の大勲章で、大リーグ史上でも20回しか記録がない。
タイガースのガララーガ投手は9回2死まで走者を許さず、
あと一人に迫っていた。
「最後の打者」は内野ゴロを打つ。
誰もがアウトを確信したが、まさかの「セーフ」に偉業は消えた。
録画を見ると明らかな誤審である。
審判は非難の集中砲火を浴びた。
だがガララーガ投手は彼をかばった。
「完全な人間はいない」という言葉がいい。
次の日、球場でさめざめと泣く審判の肩を抱いて、
握手を交わしたそうだ。
「審判も間違える」ことを前提にゲームが成り立っているのを、
よく分かっているのだろう。
ずいぶんと男を上げたのではないか
~天声人語 2010年6月8日 引用~
こういうときにこそ、人間の度量が出るもので。
ピンチで笑えるか。
そこで許せるか。
記録よりも、みんなの記憶に残る
そんなビジネスパーソンでありたいと思います。