<地方公務員>給与は労使交渉で…政府、法案提出へ
毎日新聞 1月12日(木)2時30分配信
政府は11日、地方公務員の給与を労使交渉で決められるようにする地方公務員制度改革関連法案を次期通常国会に提出する方針を固めた。国家公務員に関しても同様の法案を提出し継続審議となっているが、自民、公明両党の反対で成立のめどが立たず、地方公務員の法案を提出しても成立は難しい情勢だ。
それでも政府が法案を提出するのは、11年度の国家公務員給与を平均0.23%削減する人事院勧告(人勧)実施に連合の理解を得るためだ。政府は人勧実施を見送ったうえで国家公務員給与を7.8%削減する特例法案の成立を目指していたが、自公両党は「人勧見送りは憲法違反」と反対し、人勧実施を前提に7.8%削減する対案を提出している。
政府は給与の削減分を東日本大震災の復興財源に見込んでいる。民主党は人勧実施を受け入れることで自公との合意を図りたい考えだが、連合との調整がついていない。
公務員は現在、労働基本権のうち団体交渉による「協約締結権」が認められておらず、国家公務員の給与は人事院、地方公務員の給与は都道府県などの人事委員会の勧告を踏まえて法律や条例で決められている。給与を労使交渉で決められる協約締結権の公務員への付与は連合の悲願。政府が提出済みの国家公務員制度改革関連法案は人事院を廃止して国家公務員に協約締結権を付与するもので、同法案の成立が見込めないまま人勧実施が先行することへの連合の反発は強い。
連合傘下の自治労幹部は「地方公務員に労使交渉を認める法案の提出は高く評価するが、成立する保証はない。人勧実施を容認するのとは別の問題だ」と述べた。【大場伸也】
“善意”ようやく被災地へ 県民の毛布3500枚など 群馬
産経新聞 1月12日(木)7時55分配信
東日本大震災の被災者のために、県が集めた支援物資が行き場のないまま県内に保管されていた問題で、岩手、宮城両県の要請を受け、昨年末までに約3500枚に及ぶ毛布やカイロなど、冬季用物資の大部分を送り終えていたことが11日、わかった。現地の要望やタイミングに合った物資支援は難しい課題だが、再び厳冬期を迎えた震災10カ月の被災地で、県民の善意がようやく生かされた格好だ。
県によると、昨年11月2日から12月22日までの計8回、毛布やカイロ、おむつなどの物資(約54トン)を群馬から岩手、宮城の両県に送った。いずれも、現地の自治体やボランティア団体を通じて、被災者の元に届けられた。
このほか、すでに粉ミルク、おむつ、お尻ふき、下着なども、ほぼ搬送を終えたという。県危機管理室は「寒くなり被災地の仮設住宅などで冬季用物資のニーズが出てきた」と胸をなで下ろしている。
県は昨年5月以降、搬送先が決まらない毛布約3500枚など大量の支援物資を、前橋市にあった県立保育大の建物に、山積の状態で保管していた。
その上で、県は被災地の自治体に向け、群馬から提供できる物資のリストを送付するなどして、受け入れ先を探していた。昨秋になり、自治体やボランティア団体などを通じて物資の要請があったという。
11日現在、残っている支援物資は、タオル(段ボール約900箱)▽衣類(同約360箱)▽マスク(同約190箱)-など。同室ではこれらの物資についても、「今も被災地に物資の一覧を送っている。要望のあるものは一日も早く届けたい」としている。